台湾東部への移動というのは、これまで遠くて面倒くさく、不便なところだという認識を持っていたのだが、10数年掛けて工事が敢行された台湾北部の雪山山脈を東西貫通するトンネル(雪山隧道)ができたことによって、2007年から台北から東部の宜蘭へ結ぶ定期バスが運行されたことにより、それまで台湾鉄道でしかいけなかったリゾート地宜蘭への旅行がめちゃくちゃ楽になった。
このことは以前から知っていたのだが、まったく行く機会と行く気合がなかったために宜蘭への旅行はしたことがなかったが、今回はやったことが無いことをやってみることをテーマにしていたために、この宜蘭行きを決断することにした。
台北101へ行くための一番の最寄り駅であるMRTの市政府駅の目の前からバスは出発することができる。これは、首都客運バスというバス会社が運営しているもので、市政府駅を地上に出くわすと、観光バスらしいものが道路に横付けされ、バスの入り口がテントに覆われているので、すぐに乗り場がわかるだろう。
バスは10分から15分おきくらいで出発するので、かなり頻繁にあると思っていい。それに人気があるので、結構バスは満員になる。ちょうどいい人数になったら時間前にでも出発してしまうというからおもしろい。時間なんて有ってないようなものだろう。ただし、バスは全部宜蘭までというのではなく、宜蘭のほかにその先の羅東まで行くことができるバスが頻繁に走っているのだ。さらに、宜蘭に直行するのではなく、温泉地として有名な礁溪を経由していくものもあるので、礁溪に行く人にも便利になったといえるだろう。もちろん、宜蘭への直行便もあるので、詳細は、首都客運の時刻表を見て確認するのが一番良いだろう。
値段は片道1人120元。バスは約1時間で到着できるので、値段と時間と便利さを考えたら、電車よりもかなり便利になったといえるだろう。日帰りで宜蘭へいけるということが可能になったので、台北の人にとってはとても人気の場所になったのはいうまでも無い。自分たちも日曜日に宜蘭へ出向いたため、バスの中は超満員だった。といっても、途中、高速道路を経由するために、立ち席での利用はできないようになっているため、全員が座れる。一番後ろに座らなければ、バスはかなり楽に座れるといえるだろう。バスはリクライニングシートになっており、台湾のバスのどれにも当てはまるのだが、このリクライニングの下がり方が日本のバスでは考えられないくらいの下がり方をするので、かなり便利だ。これだけのバスなら長距離バスで便利だ。
そういえば、ここ最近、おなかの具合がとても良くなく、毎日の通勤電車のなかで途中下車してトイレに駆け込むことが多くなった。これは単なる寒気かストレス性から来たものだと思われるが、台湾にきたらそんなことはないだろうと過信していたのだが、今回、まさかこの状態が台湾にも来るとは思わなかった。バスに乗る前に市政府駅のトイレで用を足しておけばよかったのだが、それを忘れて、おもわずバスに乗り込んだのがいけなかった。雪山トンネルに入った途端に、バスの中で漏れそうになってしまった。それもかなり限界に近いほど。一番後ろの席に座っていたから、空きのペットボトルがあれば、それに用を足してしまいたいと思ったくらいである。それと、このバスがどのくらいの時間をかけて目的地の宜蘭に到着するのかということは、毎日の通勤電車と違って、時間がわからないため、どの程度我慢していなければならないのかまったくわからないというのも、もらしてしまうという危険度が高くなってしまった。考えれば考えるほど、漏れの度が増してくる。違うことを考えていようと、前方を凝視したり、車窓の景色を楽しもうと思っていても、車窓の景色が田んぼばかりになってしまったときには、もうその楽しさも失ってしまった。あとはバスがいつ到着するのかということくらいしか興味が無い。
さらに悪いことに、このバスは宜蘭までノンストップで行くのかと思っていたら、途中の礁溪では、各地に嫌がらせのように停車してしまうため、何度も途中で下車して、下車したとたん、コンビニやらどこかの店に駆け込んでトイレを貸してもらおうかと思ったくらいだ。1人だったらそれを実行していたところだが、同行していた友達が「我慢しろ」とほとんどサド的な命令をして許してくれないために、宜蘭まで漏れそうになりながらも我慢した。礁溪からはバスで15分くらいは乗る必要があったのだが、宜蘭駅のバス乗り場に到着した途端に、宜蘭駅のトイレに駆け込んでいったのは言うまでも無い。かなり危なかった。あと5分くらいで爆発していたことだろう。そうなると、バス内にアンモニア臭が漂い、みなから嫌な顔をされたに違いない。
礁溪から先のバスのことは、上記のことがあったのでほとんど記憶に無い。ただ、覚えているのは宜蘭まで乗る人は多くなく、多くの人は礁溪で降りてしまったということだろう。やはり温泉地は台湾人にも人気が有る場所のようだから、この礁溪で日帰り旅行を楽しもうという人が多かったのだろうと思う。前に座っていた、おばさん2人が終始笑い声を立てながら会話をしていたのがとても恨めしかったバスの中であった。
あとで気づいたのだが、実はバスにはトイレが備え付けられているため、自分みたいにトイレに行きたい人は、自由に使える状態になっている。しかし、バスの構造として、客が座るところが二階部分になっていて、1階のところは荷物置き場だとおもっていたのであるが、実は荷物置き場とトイレになっていたのだ。そんなのがわかっていたら、バスの中で悶絶している必要はなかったわけだ。あーっ、無知って恐ろしい。
宜蘭市内を散策したあと、台北に戻るために、行きで降りたバス停の向かい側に切符売り場があることを発見したので、そちらで台北行きの切符を買う。しかし、値段が129元とかかれており、行きと値段が違うのでおかしいなとそのときに思った。さらに、すんなりバスに乗れるのかと思っていたら、なんとバスは結構混んでいるようで、切符を買ったあと1時間後のバスしか乗れなかったのである。窓口のおねえさんは、しきりになにか言っていたのだが、それが何を言っているのか理解できず、「16時10分発のバスで良いか?」と聞いていたらしいことがあとでわかった。なんだか数字を言っている気がするが、なんのことかなーと顔をポカーンとしてしまったのがいけなかったようだ。まぁ、台北に戻れるバスがあるのであれば、それは問題なし。問題は1時間、なにをして遊んでいようかということと、なんで行きとバスの値段が違うのかということだ。
後者に関してはすぐにわかった。実は宜蘭から台北に戻るバスは、2つのバス会社が存在しており、その事実を認識せずに、一番宜蘭駅に近いほうのバス乗り場だった会社を選んでしまったためだった。この会社は葛瑪蘭客運バスである。行きとは違うバスなのだ。このバスは、羅東から台北を越えて板橋まで行くバスなのである。ただし、通る道は首都客運バスとほぼ同じようなのであるが、台北に到着したときに下ろされる場所がまったく違う。首都客運バスは市政府だったが、葛瑪蘭客運バスは、台北駅のターミナルに到着する。実はこの台北駅のバスターミナルは知っていたのだが、使ったことが無かったので、ターミナルの構造がまったくわかっていない。実際に行ってみると、あまりにも複雑すぎて、これはここから台湾各地に移動するのは至難の業だなと思うようになった。
礁溪までは帰りは起きていたのだが、そこから爆睡状態に入ってしまったため、台北のバスターミナルに到着するまで一回も起きなかった。が、到着したときに、時間が異様に遅かったので、何でかなーと思っていたところ、道中は起きていた友達いわく「高速道路がめちゃくちゃ混んでいたので、まったく途中は動かなかったよ」らしい。日本と同じく、休日になったら車で出かけるために大渋滞になるらしい。やはり大都会と地方はいつまでたっても、こういう関係からは脱出できないのだろう。
首都客運バス
URL : http://220.128.122.55/businfo.html
葛瑪蘭客運バス
URL : http://www.kamalan.com.tw/route.php
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