2006/10/24

Casino in Singapore


 シンガポールの観光地、セントーサ島で2009年開業を目指すカジノ付きリゾートの開発入札にマレーシアのゲンティン・インターナショナルなど三つの国際的な企業連合が正式に名乗りを上げた。各グループとも五十億シンガポールドル(三千七百五十億円)以上の開発案を提示。同国観光産業の将来を左右するビッグプロジェクトが動き出す。
 ゲンティンと傘下のクルーズ会社、スタークルーズの連合はテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・シンガポール」を併設する「リゾーツ・ワールド・アット・セントーサ」を提案。開発総額は五十二億シンガポールドル。隣国マレーシアでの大型カジノの経営経験をアピールし、受注を狙う。
 バハマのカジノ「アトランティス」を経営する大手カーズナー・インターナショナルは東南アジア不動産最大手のキャピタランドと組んだ。「アトランティス・セントーサ」と名付けた提案の投資額は五十二億八千万シンガポールドル。米国の著名建築士、フランク・ゲリー(Frank Gehry)氏による奇抜なデザイン、本物の魚とロボットや映像の魚が同居する未来的な水族館を打ち出した。西暦3000年のアトランティスがテーマの「アトランティス・セントーサ」はガラスでできた高さ90メートルの2つの建造物が最大のランドマークとなり、外壁には魚などの水生生物が投影され、ホテル宿泊客のルームキーに反応してイメージが変化していくなどする。全体の設計を担当する建築家のフランク・ゲーリー氏は全体のコンセプトは帆船による大海原のクルーズと、自身が愛してやまない各種の魚達だという。ゾート内には世界最大級の水族館「クエスト・マリーン・ライフパーク」、全長450メートルのウォーターシュートなど、各種の水上アクティビティが楽しめる「エクアリアス・ウォーターパーク」、「エクスペレンタル・マリタイム・ミュージアム」、高級スパブランドのESPAによる高級スパ、そしてカジノが設営される。特に「クエスト・マリーン・ライフパーク」の660万ガロン級の巨大プールではシャチと一緒にスノーケリングを楽しむこともできるというのが大きなセールスポイントだ。
 米ラスベガスのカジノ「ニューヨーク・ニューヨーク」を開発した米エイトス・ワンダーは豪カジノ大手パブリッシング・アンド・ブロードキャスティング(PBL)などと組み、55億シンガポールドルで開発する案で応札した。
 世界各地から外国人が多く集まるカジノリゾートはテロの対象になり得る。そこでエイトスは安全対策としてジュリアーニ前ニューヨーク市長のコンサルティング会社と顧問契約を結んだ。避難経路や空調設計など初期段階から最新の安全対策を導入、落札した場合には危険情報の収集面など運営面でも協力する。エイスワンダーの開発計画には具体的な名称はなく、ウェスティン、バンヤンツリー、クラウンホテルなど最高級ブランドのホテル6棟を建設するというのが最大のセールスポイント。実質上、入札はゲンティンとケルツナーの一騎打ちになるものと予想されている。
 ホテル運営はスターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツと提携した。 同国では米ラスベガス・サンズが落札した新都心マリーナ・ベイに続く二番目の大規模カジノリゾート。家族向けビーチリゾートを目指しており、テーマパークや水族館などの娯楽要素が決め手となる見込み。政府が四十九ヘクタールの土地を六億五百万シンガポールドルで売却する。
 米カジノ大手のハラーズ・エンターテインメントは十月初めに買収提案を受けて脱落、3連合に絞られた。11日にはカーズナーの最高経営責任者がヘリコプター事故で死亡したが、予定通り応札。政府は年末までに結果を発表する。

《セントーサのカジノリゾートの入札案》
ゲンティン・インターナショナル(マレーシア)、スタークルーズ(同)
▼投資額 52億シンガポールドル
▼提案内容 ユニバーサル・スタジオ(テーマパーク)、海洋公園、巨大水族館、海の博物館など=写真は完成予想図カーズナー・インターナショナル(バハマ)、キャピタランド(シンガポール)
▼投資額 52.8億シンガポールドル
▼提案内容 ロボット技術を駆使したハイテク水族館、水のテーマパーク、フランク・ゲリー氏の総合設計
▼投資額 55億シンガポールドル
▼提案内容 三つ星シェフ、アラン・デュカス氏のレストラン、スターウッドのホテル、バンヤンツリーのスパなど

 一度は行ってもいいが、二度と行く場所ではないと長年言われているシンガポール。すべてが人工建築物で、文化が存在しない(むしろ、文化を消している)国であるため、リピータがこないのだろう。華人にとっては、近代的とか華やかが好まれるので、いつまでも古臭い文化を持っているところとは違うために、華人たちには評判がいいというのもシンガポールの特徴だろう。何しろ、周りがイスラム国に囲まれている特殊環境であることと、自立では国として発展しない土地環境なので、そこで華人の国を成立するためには、金の力でしか国を成立してこれなかった事情がある。
 金を世界中から集めるという意味では、カジノを作るというのが一番手っ取り早い。東京でもカジノの建設予定があったが、馬鹿なPTAと仲間に入れてもらえなかった建築業者と土地転がし業者が「あんなものは教育によくない」と意味不明なことを言って、いまだに東京カジノ計画が頓挫している。おかげで、資金は全部東南アジアとアメリカに流れているのは、ご承知のとおりである。
 金持ち優遇政策などをして、金を世界中から集めようとしているシンガポール。決して、今回建設予定されているカジノが、「リピータ」を生む要素になるのかどうかは疑問だ。なにせ、同じ華人の国として、マカオという巨大カジノが存在する。さらにソウルにもカジノがオープンされた。シンガポールがそこに乗り出したわけだが、どこまで頑張れるかが見ものだ。

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