店構えが、その場所だけ、どうも江戸時代にまま時間が止まっているのがよくわかるたたずまいである。なぜなら周りがコンクリートジャングルの定番のような建物が建っているのに、該当する店だけが、入口に木が鬱蒼としていて、一元屋は来るな!と無言で言っているような圧力を感じる。そして、玄関の外にあるショーケースには、寿司の値段が掲示されているのだが、これが持ち帰りの寿司折としては、ちょっと高いんじゃないの?というような値段であるから、なおさら、この店に入ることはちょっと躊躇ってしまうのである。

ここの寿司は、すべてのネタが酢漬けになっているため、醤油につけて食べる必要は全く無い。そのまま食べられるのである。それも酢漬けになっている酢が最初は強めのものを使っていてつけており、そのあと弱い酢を使ってさらに〆ている形式をとっているため、実は鼻がつーんとなるような酸味は全く感じられない。そして、種類は数によって決まっているだけで、なんのネタを使っているかは、もうお任せ状態である。決して複数個の寿司を頼んだとしても、1つたりとも同じネタを使わないで、1つの箱に入れてくれるところがすばらしい。さすがに50個くらいの寿司を頼んだ場合には、どれかのネタはかぶっている事あろう。
このときは12個入りの寿司を注文。寿司は当然だが、注文してから作り上げる。なので、15分くらいは待たされることは覚悟しないとだめである。でも、その待っている間がわくわくするのである。厨房を見ているのも楽しいと思うのだが、ここは職人の気を散らさせないようにおとなしく待っているのが一番いいだろう。店を紹介したような本がたくさん陳列されているので、それを読んで待っているのも良しだとおもう。




笹巻けぬきすし総本店
住所:東京都千代田区神田小川町2-12
TEL : 03-3291-2570
定休日:日曜・祝日
営業時間:9:00-18:30
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