2009/06/10

北京へ

北京オリンピックが2008年に開催されて、そのためにだいぶ北京は変わったというのを、各種メディアで見る機会が多くなったのだが、なぜか北京だけは行きたいという気になれなかった。北京だけに限らず、2005年と2006年に上海に行ったときに、あまりにも上海の経済発展の度合いと、住んでいる人たちの民度のギャップがありすぎて、こんな国には二度と来たくないと思ったからかもしれない。さらにいうと、上海で、古い歴史的なものを、気持ちよくぶっ壊し、新しいが全く興味がもてないものがジャンジャン建設されている風景や、ぶっ壊したいのに、住んでいる人間がぎゃーぎゃー騒ぐから、見た目が汚いので壁で塞いじゃえという政策の下、胡同のような一般市民が住んでいるみすぼらしい家はすべて壁の向こうに隠しているという、なんだか嫌な見栄の世界をみたので、北京もどうせ同じだろうというのを感じたからかもしれない。

ところが、BSデジタル放送で紫禁城の素晴らしい建物の映像を2時間も放映していたり、万里の長城の浪漫的な長さの映像が流れているのをみて、両親がめちゃくちゃ歓んでいるのを見て、これは北京には一度死んじゃう前には、行きたくないがいかねばならないのかもしれないと思うようになってきた。また、近代化してきたといっても、まだまだ北京は人間的にみすぼらしいところだろうというのを感じて来たいと思っていたからである。

中国の歴史的には北京はそんなに魅力的な場所ではないとおもう。確かに金王朝から元・明・清と続く首都なのだと思うのだが、それは近代的な首都であって、日本人が考える中国の歴史の浪漫はというのは、どうしても唐の時代の長安のほうなのだと思う。しかし、明と清の時代に北京を華やかな中華圏の中心地に作り上げたことにより、いまの北京の歴史的な建築物がたくさん見られるようになったのだと思う。しかし、現在の中国は古き遺跡を全部ぶっ壊して、どうでもいいような新しいものを作り上げているところが節操が無い。

しかし、反面、行ったこともないのに好きじゃないというのは、北京に対して公平な評価をしているとはいえないので、いつかは行って見なければならないとは思っていたのだが、まさか両親の中国行きを期に自分も行くとは思わなかった。そもそも両親も北京に行くというのを決めたのは、単にJALのマイレージが貯まったことだし、それを使うには台湾か韓国か中国にはいけるというのを考えたとき、すでに中国でも(個人的には中国とは思いたくないのだが)香港は行ったことがあるので、そのほかにいけるところとしてみておきたいのは、紫禁城と万里の長城がある北京だろうというだけの理由で選んだからである。台湾慣れしている両親にとっても台湾にもう一度いくのもよいという選択はあったはずなのに、なぜに北京にしたのかは、「観たかったから」の理由以外にはないらしい。だいたい、中国にいい感じを思っていない親だけに「まともじゃない国に行く」ことへの抵抗は結構あったはずだ。

そんなこんなで北京行きを決めたのだが行く日程として「暑いのは嫌だ」「寒いのはいやだ」というわがままなことをいうし、北京自体が海沿いではないため、盆地気候と同じだから、夏は激暑で冬は極寒であるから、いい季節を選んでいくしかない。幸い、北京は梅雨がないから、じゃ、6月初めにしようという単純なあまり考えていない理由で日程も決まってしまった。

日程は下記のとおりである。

2009/05/30(Sat) JL781 NRT 10:55 - PEK 13:50
2009/06/04(Thu) JL782 PEK 15:20 - NRT 19:50

ホテルは、香港に行った時と同じように、親のために日本語が通じるところを選択。意外に北京は日本語が通じるホテルが少なく、結局日航系のホテルである「京倫飯店(Jinglun Hotel)」にした。北京にはもう1つ日航系のホテルがあるのだが、ロケーションがとても不便なところにあるため、選択の余地に入れなかった。もちろん、もう1つのホテルのほうが安いのは分かっていたのだが、ロケーションのよさはどこの都市に行っても同じことで、便利であるに越したことは無い。京倫飯店も場所はいいからだ。

しかし、世のなか豚インフルエンザが世界中の猛威を振るっているときで、渡航が懸念された。これはゴールデンウィーク前から懸念されていたことなので、そのうち収まると思っていたのだが、だんだん日本のほうで感染者が増えてきて、会社でも西日本への移動は禁止、オフィスでのマスクは強要などというお達しが出たくらいである。それでも最初に決めてしまっていたので、強行突破をしたのは言うまでも無い。会社に見つかったら、出社に及ばずということになっていたことだろう。

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