2010/03/27

行天宮(台北)


ホテル傍には有名な観光地である行天宮がある。この行天宮は台北ではもちろん人気のある大きな寺であることは言うまでも無い。というのも、この行天宮で祀られている神様は、商売の神様であり、信用の神様でもある関羽だからだ。だから、平日だというのにめちゃくちゃ昼間から人がたくさんやってきているし、中にはサラリーマンが昼休みを利用してお参りに来ている姿も見られる。
ホテルから民権東路を東に向かってだいたい5分以内にいける場所なのだが、この途中、道路沿いには足つぼマッサージ屋がめちゃくちゃたくさん見つけることができるだろう。どの店にも、日本語の看板が出ているとともに、店内の様子が丸見えにして、いかにも宣伝でやっていますよーというのを外にいる人に見せるようなつくりになっているのがおもしろい。だいたいの店が、ソファみたいな椅子に客を座らせ、数人の専門マッサージ師が、客の騒ぎを笑いながら揉んでいる姿を見ることができる。

行天宮に今回行ったのは2回目なのだが、平日昼間なのにすごい人がたくさんいた。すでに本堂では、なにかのお経が唱えられていて、そのお経が外まで聞こえてくる様子になっている。本堂の外側には、簡易巨大テントが設けられ、そのテントの下にたくさんの人が線香を持ったりしながらお経が終わるのを今か今かと待っている。なにを待っているのだろう?ととても気になるところだ。そんな参拝客もいるとおもえば、普通の参拝客とは異なり、お決まりの鮮やかなブルーの着物を着て、経典を後ろの特別ブースみたいなところで唱えているひとたちもいる。おそらく、それは行天宮のいわゆる檀家の人たちなのだろうと思う。そういえば、この行天宮で「あれ?」と思ったことがあった。一般的に儒教における八徳というと、「仁・義・礼・智・信・孝・悌・忠」の8つの徳のことを指す。ところが、この行天宮で八徳とは違うのだ。

孝:敬順長輩弟:友愛兄弟
忠:大公至正
信:誠正信實
禮:節制規範
義:行事合宜
廉:高風亮節
恥:勇於改過

と、かなり違う。それぞれの徳の意味を考えれば、なるほどなーというのはわかるのだが、なぜ行天宮では孔子と孟子が定めた一般的な八徳とは異なる言葉を使っているのだろうか?誰か詳しい人は教えてほしい。

それと、孟子が定めた五倫は、ここでも守るべき事項だとして八徳と一緒に書かれている。五倫とは次の5つの家族倫理・社会倫理に基づく教えのこと。それぞれの関係をよく維持するためには何が必要かというのを説いたものだ。

・君臣有義(君臣の最も大事な心構えは状況に応じた正しい行動)
・父子有親(親子で最も大事な心構えは1つになろうとする親しみ)
・夫婦有別(夫婦で最も大事な心構えは各々の本分・職能を乱さない区別)
・長幼有序(年配者と若者で最も大事な心構えは順番)
・朋友有信(友達の間で最も大事な心が構えは偽りのない心)さて、こんなになぜ人が集まってきているのかというのはあとでわかった。どうやら毎年春・秋の二期において実施されている「祈安大法會」というイベントだったようだ。数日間行われるイベントで、このときには国家安定、健康安寧などを祈願するために参拝する人が多い。そして、行天宮の信者によるお清めを受けられるというのが理由だ。詳しいことはわからないが、様子を見ていると、参拝客各人が体のなかでどこか悪いところがあるのかとか、祈願したいことは何かを、青い服を着た信者に話して、信者は、火のついた線香の煙を該当する参拝者の関係する体の部分にそれを刷り込むよなことをする。1人あたり、まさしく3分程度。それを受けたいひとたちが長蛇の列を作っているのだ。なかなかおもしろい光景をみたのだが、浅草寺あたりの線香の煙を良くしたい部分に自分で掛けるというのとまったく同じだなと思った。

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