2007/04/11

台湾での化粧品戦争


台湾人が日本にやってきて観光をするがやっぱりお目当ては日本製品を買いあさっていくというのも観光の醍醐味だと聞いたことがある。ブランドの革製品や洋服は当然のことながら、意外にも人気なのは薬と化粧品である。海外の化粧品は当然台湾でも人気なのだが、日本の資生堂やコーセーやMax Factorなどのような化粧品ももちろん人気だ。最近では日本でもコンビニで売るようになったDHCも台湾ではコンビにで売られていたりするので、かなり知名度が高い。そんな日本の製品なら何でも大好き台湾という土壌で、日本を代表する2つの化粧品会社がその最高級品で競争を開始したという。

その2つの化粧品とは、言わずもがな、花王と資生堂であることは言うまでもない。じゃ、何の製品?と思いたくなるだろう。それは、いま日本でもバンバン宣伝している「ASIENCE」と「TSUBAKI」である。この両方とも、かなりCMには金をかけており、インパクトがあるから記憶に残っている人は多いと思う。アジエンスは、映画「SAYURI」ですっかり知名度が上がってしまったチャン・ツィーイーを起用しているし、TSUBAKIのほうは、広末などの有名女優をこれでもかーと言わんばかりの人数を起用していることで、双方とも記憶できることと思う。それも、どちらもほとんどがイメージ戦略としてCMを作っているため、効能云々よりも高級化粧品としてのブランドを確立しようとしたい努力はCMからも伺える事ができた。資生堂のTSUBAKIについては、資生堂史上50億円の広告費をかけての力の入れようだったために、かなり最初から話題になっていた。

台湾での販売については、資生堂も花王も、全製品を日本で生産し、台湾の現地法人子会社を通じて販売するということだ。それも台湾はアジア戦略として重要な拠点のようで、その売れ行き如何によって、今後の各アジア諸国(華僑圏)への戦略が変わってきようというもの。台湾を双方とも重要拠点にし、そのモデル拠点にしているのは、台湾がやはり日本および日本人・日本文化に対してかなり好意を持っている土地柄だということがいえよう。そして、台湾は一様に好みを分析できる場所であるということも大きい。中国のように国土が大きく、気質が南北・東西でまったく異なるような土地柄だとマーケティングが難しいからだ。

といっても、既に中国などのほかの諸国では、スキンケアの分野の製品は既に販売開始している。今回ヘアケアの製品を始めて売り出すということになったのは資生堂だ。この点は花王よりも一歩遅れてしまっているために、他の国の人たちからみて、新製品が「日本製である」ことを強調するために、台湾の場合ではCMでさえも、全面的に日本語で行うということだ。女優の顔ぶれは既に台湾では知られているために、十分通用することができる。価格についても、台湾価格というのを設けることはなく、スターバックスなどと同じように世界共通価格で発売するようだ。多少高くても日本の製品であれば飛びついて購入する台湾人のこと、ウケることは間違いないだろうが、購買層を分析してみたいところである。


資生堂 TSUBAKI
花王 ASIENCE

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