1850年ごろから始まったから続いている伝統的な儀式であるヌーン・デイ・ガン(Noon Day Gun)は、その始まりと今でも続いている歴史の理由が面白い。もともとジャーディン・マセソン商会が香港に入港した際に祝砲として撃ったのが始まりなのだが、その祝砲をイギリス海軍が見て、「軍人でもない人間が港に入っただけなのに、なぜ祝砲を撃つんだ?」という疑問から、裁判が始まり、その刑として永久に毎日12時に空砲を撃つという裁判結果が出る。
さて、そのヌーン・デイ・ガンを見るためには、地下鉄銅鑼湾駅から歩いていくのが良い。エクセルシオールホテルのほうに歩いていけばいいのだが、ヌーン・デイ・ガンが行われるのは、ヴィクトリアパークロードを挟んで、エクセルシオールホテルとは反対側の海に面しているところだ。しかし、この道を渡るというのが実は困難なのだ。というのも横断歩道が無いのである。しかし、広い幹線道路なので、車がびゅんびゅん通っている。じゃ、どのように行けばいいのかというと、ヌーン・デイ・ガンが行われるエリアに直通で繋がる地下道を通っていくのが良いのだ。しかし、この地下道の入り口が本当に分かりにくい。ガイドに「世界貿易センタのビルのエクセルシオール側にある入り口」と書いているのだが、これが探せない。結局、世界貿易センタのドアマンにどうやっていけばいいのかというのを聞いたら、世界貿易センタの地下駐車場の入り口から行くことになる。こんなの普通じゃわかんない。
地下駐車場経由の地下道を通って行くと、いかにも地下の秘密の道という感じのところに出くわす。緑の複数のパイプが通っている場所を通るのだが、これが下水なのか上水なのかは全然分からない。いずれにしろ、センタビルに関する水道管だろうというのは想像できる。
地下道から地上に出てくると、ボートがたくさん停まっている海に面したエリアに出てくる。背後は道になっており、ヌーン・デイ・ガンが行われる場所は、柵で覆われて、その出番をいまかいまかと待っている。
実際に空砲を撃つ係官というのがしきりに時計を気にして、出番を待っているようなのだが、撃つまでにはそれなりの儀式があるようで、なかなか前に進まない。毎日正午きっちりに行うという決まりがあるので、1秒ともずれることは許されないというルールにしばられているからなのだろう。空砲が撃つまでが本当のクライマックスで、撃つ前2分間が一番の見所だと思う。
2分くらい前になると、「いまから空砲を撃ちますよ」という合図の鐘を鳴らす。まるで火事場の鐘のような音がするものを鳴らすので、なかなか雰囲気がよい。そして、1分前になると、銃砲のすぐ傍にやってきて、しきりに時計を気にする。実際に空砲を撃つときは、あっというまに終わってしまうのだが、それが単なる空砲ではないくらいの強烈な音が響き渡るので、ビデオカメラを廻している人たちは、その音の大きさで手ぶれしてしまうかもしれない。一瞬のイベントのために柵越しに観客は見ており、空砲を撃ったあと、係員が後始末をしたあとは、自由に柵の中に入り、銃砲を間近にみたりすることは可能だ。
面白い習慣だとは思うが、毎日12時の1回きりしかしないので、香港に来たときには見逃さないほうが良い。
確かに中に入ったら、代官山あたりにあるカフェのような雰囲気ではある。店は2階立てになっており、1階に数席のテーブル席があり、もちろんディスプレイに並べられたケーキ類もあって、どれも美味そうである。2階のほうは、地元のがきんちょが占拠しているようであるが、二階のほうが雰囲気が良さそうである。
しかし、思ったのは地元のがきんちょに囲まれるように座っていた配置だったのだが、これが全然落ち着かない。たぶん彼らとしては普通の声の大きさで話をしているつもりなのだろうが、これがめちゃくちゃうるさい。広東語で話をしているから、ただでさえ、広東語で話す人たちの会話は声がでかくなるのだが、追い討ちをかけるように天井から声が反射してきて、かなり声がでかく聞こえる。自分たちも丸テーブルを囲むように座っているのに、これが周りの広東語の会話に声が消されて、自分たちの会話が全く聞こえないということがわかった。広東語で話をしている人たちは、耳が遠いのだろうか?





マカオは結構キリスト教徒が多い。やはりポルトガルの支配下にあったからなのだろう。このセナド広場の傍には結構教会があるのだ。一番大きい教会はたぶんセント・ドミンゴ教会だろうと思う。中にはミサじゃない時間帯であれば自由に入ることが出来る。これまでヨーロッパの教会をたくさん見たことがある自分にとっては、ここまでシンプルかつ何も無い殺風景の教会も素晴らしいと思った。やはり暑すぎるからか、扇風機ががんがんに教壇のところにあるのはちょっと笑える。

マカオの代名詞にもなっているセントポール寺院跡に続く道は、まるで台北の夜市のように賑やかで色々な店が道の両側を占拠している。しかし、不思議なのはなぜかビーフジャーキー類を売っている店が多かったことだろう。あれは何か意味があるのだろうか?
やっぱりセントポール寺院は、入り口しか残っていないのだが、ここは絶対訪れるべき場所だ。ほとんどのものが焼けてしまったので存在しないが、若干昔からの遺品が残っている小さな博物館も併設しているので、是非訪れたい。ここでは、歴史の授業でみたことしかない長崎のキリシタンのことがよく分かる。殉教したキリシタンの肖像画もあるので、遠いマカオの地なのになぜか日本に親近感が湧いてしまう場所である。
セントポール寺院からはマカオ博物館のほうに行ってみたい。途中に大砲がずらっと並ぶエリアに出てくるので、ここが「モンテの砦(Mount Fortress)」あることが分かる。全部で22本の大砲があり、いまでは展望台として利用されている場所である。しかし、本当に博物館に行こうとするのであれば、こちらのほうの階段から行くべきではなく、博物館直通のエスカレータを利用したほうがいい。絶対疲れる。しかし、展望台に来て見ると、心地よい風を感じることが出来るので、これを堪能したい人は辛い階段を上るべきだ

展望台と併設しているのが博物館である。香港の博物館とどこがどう違うかと言われるとなかなか答えるのが難しいところであるが、マカオの歴史を知るためには是非ここを訪れたほうがいい。しかし、中は思った以上に広いところなので、のんびり見て歩いていると、他のマカオの各所を見ることが出来ないので、適当に廻ったほうがいい。


夜のセナド広場もなかなか綺麗だ。夜の散策は日差しが無いので涼しいため、この時間帯に出歩くのも悪くない。

夜のマカオといえば、やっぱりカジノだろう。夜になると、何処からともなく集まってきた人たちがネオンが光るカジノ拠点に続々とやってくる。今回はカジノへ出かけることは無かったのだが、ひさしぶりにネオンきらびやかな新宿歌舞伎町のような雰囲気の場所に来たな-という気がした。










