2010/07/10

チャンギ空港の滑り台 (Singapore)

チャンギ空港の第3ターミナルに、鳴り物入り(?)で登場したアミューズメント施設が、いわゆる滑り台である。名前は「ザ・スライド@T3」で、シンガポール国内最大のチューブ型の滑り台である。なんでこんなものを空港施設に作ったのかはいまだに謎だ。

チャンギ空港の第3ターミナルは吹き抜けの4階建て相当の高さを持っているビルだし、空港利用者は飛行機でどこかに行く人ばかりではなく、単なるショッピングで来るひとも実は結構居る。そんな客を当て込んでだと思うのだが、ここに一階の到着ロビーから地下三階のショッピングセンタまで続くチューブを設置して遊んでもらおうというものだ。空港内で飲食や買い物をした人だけ、この滑り台を利用することができるのだが、30シンガポールごとに利用権2枚を受け取ることができる。身長1.3メートルのひとであれば誰でも利用できるので、本当なら一番子供が遊びたいのだとおもうのだが、身長制限があるので注意。
でも、絶対この滑り台は、ズボンの尻が破けると思う。すべる時には、お尻になにか敷いたほうがいいと思う。プールのウォータースライダーだって、たまにはケツが破けてしまうんだから。The Slide@T3
URL: http://www.changiairport.com/at-changi/events-and-promotions/the-slide-t3
Open : 12:00pm - 10:30pm

2010/07/05

独立記念日のリハーサル (Singapore)

松發肉骨茶でご飯を食べていたら、North Bridge Road を、バリバリっと大爆音と共に戦車隊が走り去っていった。それも1台だけではなく、数台も連隊を組んでの走行であったので、もしかしてシンガポールがとうとう戦争でも始めることになったのだろうかと一瞬不安をよぎってしまった。そんな中、空のほうでも、大爆音を立てて戦闘機が飛び去っていった。通常の旅客機が、シンガポール市内の上空を飛ぶことは無いため、こんな爆音が聞こえること自体が異様なのである。

陸と空とでひっきりなしに戦車や輸送車両が走り去っていった光景を間近で見られるというのはめったにないので、きっと戦闘開始なのだろうと、すこしわくわくしていたのだが、実際のところは、8月9日に実施されるシンガポールの独立記念日(National Day)に行われるパレードの予行演習であった。8月9日が本番なのだが、6月終わりごろから、毎週土曜日になるとこういう予行演習が行われることになっている毎年恒例の行事なのである。
毎年毎年実施しているのだから、そんな前もって演習のリハーサルを毎週しなくてもいいだろうとおもうのだろうが、ここは面子の国のシンガポールであることを忘れてはいけない。失敗ということは絶対に許されない国なのである。毎年行っているからといって手を抜けないところがシンガポールの生真面目さとは思うのだが、住民の生活をほうったらかしにして、軍事にも多額な費用を費やしてパレードを行うというのは、どこかの共産国と似たような傾向であるのはいうまでも無い。

松發肉骨茶で食べていた人たちも「あぁ、また始まったか」というような顔つきで、戦車の通る様子を無視するようにしてご飯を食べているひとたちが多かった。めったなものを見ることができない観光客にとっては興味ある出来事だろうとおもわれるため、沿道には走り去る戦車を写真に収めたりビデオにとったりしているひとがいるが、だいたいが観光客。地元住民は無視という二重の光景を両方見られたのはおもしろかった。

それにしても毎週土曜日に決まったようにリハーサルを朝から晩まで行うという軍人たちは、暇なのか、それとも嫌がらせなのか、趣味なのか。個々人ではどうしようもないイベントなのだろうと思うが、それよりも、シンガポール政府が独立記念日に対して軍事的パレードを何のために行うのかというのがとても気になるものだ。いちおう、シンガポールは表向き平和に見えているが、それでもやはりシンガポールにとっての仮想敵国は、常にマレーシアとインドネシアであるのは変わらないらしい。表向きは人種の融合を挙げているシンガポールだが、やっぱりリー・クラン・ユーを中心とした華人優位主義を取っている国である。かたやマレーシアとインドネシアは、マレー・インドネシア至上主義を掲げている国であるため、民族的・宗教的にも対立するところである。だが、互いの国は無くてはならない経済的なつながりができているため、いますぐに戦争が起こるような体勢ではないことは確かだが、そんな中でこの軍事パレードが誰に対してのアピールなのかというのがわからない。

とおもっていたが、なんとなく想像できた。この軍事パレードは、シンガポール国民に対する威圧なのである。院政を敷いているリー・クワン・ユーは、大統領でもまければ首相でもないのに、いまだにシンガポールでは一番うるさく影響力のある人だ。この人が裏で動かしている間は、住民はだれもリー・クワン・ユーの悪口は一切言えない。現在の軍のトップも実は、リー・クワン・ユーの意向で動いている人であるのは間違いないので、結局はこんな早い段階からリハーサルと称して、頻繁に街中に戦車を走らせるのは住民を威圧するためなのであるだろうと想像する。

日本では、軍事パレードというイベントすら存在しないので、とても違和感のあるイベントに見えて仕方が無い。独立記念日の当日、政府関係者以外の普通のシンガポール国民にとってはこの記念日をどう見ているのだろうか?イベントには参加することは無いにしても、当日打ち上げられる花火大会しか実は興味が無く、昼間から開催されているイベントには誰も見向きもしていないのではないだろうか。政府関係者と政府関係の企業に小判鮫のように引っ付いている人たちにとっては、大のお客様の主催イベントなので、やんややんやと持ち上げていることだろう。

毎年8月9日の前に土曜日を絡めてシンガポールにやって来る機会があるのであれば、North Bridge Road を18時ごろ居れば、戦車隊をたくさん見られることができるので、ミニタリーオタクの人たちはぜひ行ってみるといいだろう。

Singapore National Day 2010
URL : http://www.etour-singapore.com/singapore-national-day.html

The Prata Place (Singapore)

リトルインディアを後にして、どこでご飯を食べようかなと思ったのだが、シンガポールの友達がお勧めのカレー屋があるというので、連れて行ってもらった。いまリトルインディアに居るのだから、きっとこのエリアのどこかの知っているカレー屋にでも行くのかと思ったら、大間違いだった。

リトルインディアから#980のバスに乗って、Springleaf というエリアまで行くことになった。このエリアに行くには、バスでだいたい30分くらい乗っていた。シンガポールのバスでこんなに長く乗ったのは実は初めてで、バスに乗って最初のほうは、バスがどのあたりを走っているのかだいたいわかったのだが、すぐに行ったことも無いようなエリアに出くわしてしまい、そうなるともう見たこともないような景色が車窓から広がってきた。景色としてはなんとなく、ナイトサファリに行くようなエリアに行っているんじゃないのかなという気がした。というのも、道路の周辺の木々が鬱蒼として生えている様子が似ていたからである。あとで知ったのだが、バスを降りた通りは、Upper Thomson Road というところで、森かなとおもっていたところは、実はシンガポールの真ん中に位置するシンガポールの自然保護区に属している場所で、その中にあるゴルフ場の森だったことがわかった。

知っている人しか知らないようなところに来た時のわくわく感というのは、安心しきっているときには楽しみというものに感じるだろうが、誘拐されたような場合だと、自分の身がどのようになるのかというのか不安感でいっぱいになるだろう。今回の場合はもちろん前者である。

連れて行ってもらったカレー屋さんは「The Prata Place」という名前のところ。カレー屋は典型的なインド系のカレー屋かと思ったら、そうではなく、マレーとインドを融合したような料理を出すところだったので、純粋にカレーのみを提供するカレー屋というのではなかった。しかし、店員はほぼ見た目は全員インド系の人たちばかりであるが、ここは決してインド系の人たちが集まるような場所ではない。むしろ、店の中は近くに住んでいると思われる華人ばかりしか来ていなかった。インド系の人が中華料理を食べているのは良く見かけるが、逆に華人がカレーを食べているようなものは全く想像できなかったので、なんとなく新鮮な光景に見受けられた。ここで食べたものは以下の通り。

・Nasi Briyani
・Chicken Murtabak
・Pineapple Roti Prata
・Plain Roti Prata
・Teh Tarik

最初に出てきたナシ・ビリヤーニは、めちゃくちゃ辛かった。こちらは粘り気が全く無いタイ米を揚げたものに、鶏肉と辛いカレーがかかったものだった。四川料理みたいな辛さではなく、どちらかというと韓国料理のような唐辛子のみの辛さというのがズバリ口の中を刺激するようなもので、一緒に頼んでいた Teh Tarik がないと、一気に食べられなかった。でも、辛いだけではなく、ちょうどご飯を絡めて食べると、とても美味しい。ムルタバは、アラブストリートに行けば、普通に食べられるマレー系の料理であるために、以前食べたことがある。マレー風のお好み焼きという感じがして、そのときに入った店の印象がとてもよかったために、ムルタバ=大阪の味みたいな印象が頭の中で勝手に出来上がっていた。他の店でムルタバを食べたことが無かったのだが、やはりムルタバには鶏肉の粗挽き肉を使ったもので食べるのが一番美味いと思った。プラタと呼ばれるものは、インド風のクレープと考えたほうがいいだろう。薄く延ばした小麦を溶いたものを焼いて、その焼いた薄皮を何重にも重ねてやき、中には具材を入れて焼くものである。今回はなにも入っていないプレーンタイプと、パイナップルが入ったものを頼んでみた。いずれにしても、今回は注文をしすぎたと思ったのは、1つのプラタ事態がめちゃくちゃ大きく、こんなものをひとりで食べるには食べきれない。デザート感覚でパイナップルの入ったほうだけ選んでおけばよかったと思ったのだが、焼いた薄皮のところにパイナップルを埋め込んだプラタはとても美味かった。会計時にいくらかとレジに行ってみたら、最初「70ドル」といわれたように聞こえたが、実際には17ドルだった。一瞬17ドルというのを「ウソでしょ?」と思ったのはいうまでも無い。まぁ、逆にあの量で70ドルといわれた場合にはもっと怒るだろう。思わず、そんなもんでいいんですか?とお店の人に言ってしまいそうになったくらいだった。

店内にはひっきりなしに華人の客がやってきて、常に店の中は満員御礼状態。店の人も繁盛して忙しいといった感じだった。この店はとても清潔感たっぷりだし、料理も美味いのだが、あまり観光客には来て欲しくない場所だろうと思う。地元の人たちだけしか知らない場所というのは残してあげたいし、観光客が来たことで味が変わるのも嫌なのだろうと思う。

ATMの長蛇の列(Singapore)


リトルインディアに居ると、どこに行っても人がたくさんの人がいるということは、さっき記載した。一番顕著だったのは、銀行関係の施設への長蛇の列だろう。特に顕著だったのは、銀行のATMの前だ。他にもATMはシンガポールなら腐るほどたくさん街中にあるはずなのに、なぜかリトルインディアにいるインド系の人たちは、この狭いエリアから出ず、近くにあるATMへ長蛇になっても並んで自分の番を待っている光景だ。

ATMなので、自分の銀行口座から金を下ろすために並んでいるというのは分かる。でも、こんなに並ぶのであれば、もっと前もって金を下ろせばいいのになとは素直に思う。が、これは日本でも実は同じで、給料日あたりになると、ATMに並んでいる人たちが結構いるのと似ていなくも無い。このリトルインディアで、ATMに長蛇の列ができているのは、金の引き落としだけではなく、実は稼いだ金の送金をしているという人が多いからなのだそうだ。

出稼ぎ労働者として、スリランカやバングラディッシュあたりからやって来た人たちが本国の人たちに送金をしているための長蛇の列である。ちゃっちゃかATMでの振り込み処理ができるわけも無く、一人当たりのATMを占めている時間がめちゃくちゃ長いので、必然的に長蛇の列ができるのだ。毎日でもATMに行き、振込み処理をしているのであれば、慣れているから早いのだろうが、たまにしかしないような場合だと、たまにしかビデオ予約をしないばあさんが、あたふたしながら予約しているのと同じように時間がかかるのである。

何時になったらATMが使えなくなるとか、ATMの手数料が変わるというのはないので、のんびりしたインド系の人たちは、入金・出金・送金の手続きを長時間かかってでも並んで行うのだろうと思う。

インド系のひとの溜まり場 (Singapore)


リトルインディアをぶらぶらしていると、やっぱりここがインド人街なのだということが良くわかる。道を歩いているひと、ちょっとした広場で屯っているひとたちの99%がインド系の人たちばかりであり、肌が黄色い華人や日本人ぽいのはほとんど見られない。シンガポールは人種の坩堝だとはいうが、ここだけ見ると、坩堝じゃない。ここはまさにインドだ。チャイナタウンでさえ、観光地化されているからかもしれないが、華人だけではなく、インド系のひともご飯を食べにやってきたりしているのが目に付くのだが、ここでは逆は一切無い。金持ち華人お気に入りのブランド物のショッピングモールが無いというのが最大の欠点なのだろうと思う。

夕方だからなのか、そういえば、異様に道や広場や芝生になっているところにインド系の男の人があちこちと、これから祭りでもやるのかと思うくらい、人が居て、でも、誰もが統一的な動きをしているわけでもないような場面に出くわした。それも男ばかり。女性の姿はほとんど見かけず、全くというわけじゃないのだが、見かけたとしてもその女性はもちろんインド系ではあるが、ちょっと訳ありのような人だというのは良くわかった。

タミール語を主体とするインド系の人たちは、インド最南部の地方からイギリス人の植民地政策とともにやってきた人たちの子孫であることは明白であるが、最近は本国インドから知識を買われてやってきているというインド系の人たちもたくさん居る。もともとインド南部の人のコロニーがこのリトルインディアに作られたが、そのあと、インド全体および最近ではスリランカやバングラディッシュやパキスタンと、南アジアの人たち全体がここシンガポールにやってきて、タミール語やその派生言語で会話をしているということで徐々に広がりが出てきているのではないかと思う。でも、シンガポールの公用語の1つにタミル語は属されているので、いちおう英語のほかにこのあたりの人はタミル語を喋る人たちだ。

長くシンガポールに住んでいる子孫の人は別にして、だいたいの肌の赤黒いインド系の人たちは、肉体労働系を主とした就職として働いているのは、シンガポールを歩いているとすぐに分かる。豚や牛を運ぶように、トラックの荷台に乗って仕事場へ移動している姿を見ても、だいたいそれはインド系の人たちであり、決して華人ではない。さらにいうと建設現場のいわゆる3Kのところでは、インド系・バングラディッシュ系の人たちがメインで働いている。もっというと、カーストの流れがここまで残っているのか良くわからないのだが、掃除や洗濯そしてごみ収集を行っている職についているのも、だいたいインド系の人である。ただ、シンガポールにやってきているインド系の人の多くは、非カーストの子孫である。というのも、非カーストでなければ、奴隷のように宗主国のイギリス人とともに遠方シンガポールに連れてこられなかったからである。これは日本でも同じで、からゆきさんがシンガポールまで人身売買のような形で連れてこられて売春を強要されていたのと同じで、人身売買として売られてきた家庭は、だいたいが貧乏農民が口減らしのために子供を売ったか、もしくはえた・非人に属していた家庭である。解放同盟の人たちがいくら隠しても当人たちが自ら過去を各メディアに記載しているので、いまでは普通にみることができる。(詳しくは『からゆきさん・おキクの生涯』を参照)

普段は安月給として危険・汚い・辛い仕事に従事しているインド系の人たちにとっては、やはりこういうに仲間が集まる場所にやってきて、日ごろの鬱憤や本国インドやスリランカなどの地域の情報を交換するために、人が多く集まっているのである。その情報交換の場として話題になっているのは、良い仕事の紹介・斡旋、住居や習慣などの相談、本国との連絡というのが該当するのだろうと思う。

しかし、その数の多さには驚かされる。シンガポールに居るインド系の人たちの人口分布としては、約550万人が住んでいるといわれているシンガポールの中では8%くらいしか住んでいない。その8%の全体がここリトルインディアにいるのではないかというくらいの人たちが居た。ただし、男ばかり。女性はどこにいっているのかというと、だいたいがショッピングモールでの買い物である。だから、City Square Mall にいくと、インド系の女性が子供づれで買い物をしているのが良くわかる。男は一緒に買い物をするのがつまらないので、外で知り合いと喋っているという感じだ。

1人でも臭い体臭を持つインド系の人たちが、大勢集まると、やっぱり臭い。これもきっと馴れると気にならないのだろうと思うが、臭いものには敏感なので、まず馴れないだろう。

City Square Mall (Singapore)

これまでリトルインディアにはほとんど行くことは無かった。リトルインディアは、インド好きのひとにとっては魅力的であり、楽しいエキゾチックなところだという場所ではあるのだが、あのインド人の独特のにおいが嫌いな人にとっては、常に鼻を摘んでいないと耐えられないような場所でもあるからで、自分もその中の1人であった。シンガポール航空で隣の席がインド系のひとが座った場合は、もう機内にいる間「最悪」と思うくらい、あの体臭は嫌いである。カレーばっかり食べているせいかもしれないのだが、カレー臭が体全体からにおってくるのが耐えられない。

それなので随分前にリトルインディアに行ったきり、ほとんどリトルインディアに行くことは無かった。MRTがリトルインディアに駅を作ったあとも行った事があったが、すぐに退散した記憶がある。その記憶では、リトルインディアにはムスターファセンタ(Mustafa Centre)くらいしか大きなショッピングセンタしかなく、そのムスターファセンタには、もうインド系の人が、毎日大晦日近くのアメ横みたいにめちゃくちゃ人がたくさん居て、中もめちゃくちゃ広いショッピングセンタだったという記憶がある。確かにおもちゃ箱をひっくり返したようなおもしろさ満点なところではあったが、先述の通り、インド系の人の体臭が溜まっているようなところなので、長時間居るだけで頭が痛くなるのである。

そんな記憶しかなかったので、久しぶりにリトルインディアにまともに行ってみて驚いた。リトルインディアの隣の駅であるFarrer Parkの駅に直結したところに新しいショッピングモールができていたのである。名前はシティ・スクウェア・モール (City Square Mall) である。リトルインディアの雰囲気とは全く異なっており、ここだけなんだかオーチャード通りになったような華やかさがある。しかし、やっぱりここはシンガポール。箱物のショッピングモールを作ればなんとかなるみたいなところがあるようであり、外見は立派だが、中身の店舗はどこも似たり寄ったりで特徴なし。しかし、このショッピングモールは通称エコモールと言われており、随所でエコブームに乗っかるような対策がモール全体に使われてるらしい。しかし、どこがエコやねんと突っ込みたくなるようなものだったのはいうまでも無い。そして、忘れてならないのは、ここがリトルインディアに繋がる場所であるため、客層はもちろんインド系の人ばっかりである。見た目は新しくてもムスターファセンタと中身は変わらないのである。

City Square Mall
URL http://www.citysquaremall.com.sg/

Coffee shop - Wang (Singapore)

ハーバーフロントで休憩するために、コーヒーショップの「旺(Wang)」に行ってみた。

特徴の無い、普通のコーヒーショップであり、いかにもモールの中にある店だなという気はしたのだが、ひっきりなしに人が出入りするという点においては、ある意味人気のある店なのだといえよう。

そういえば、シンガポールに何度も来たことがあっても、まともにコーヒーショップには行った事が無いということに気づいた。スターバックスのようなチェーン店を含めて。いったい自分はいつもどこでも休憩をしていたのかなと考えてみると、だいたいの場合はホーカーズでフルーツジュースを飲んでいたことに気づいた。でも、ここではコーヒーショップなので、普通にコーヒーを注文しようとした。しかし、いつもコーヒーを飲む場合には、何もコーヒーに足さない形で飲む、いわゆるブラックでしか飲まない。しかし、このコーヒーショップでは、ブラックらしいものが見当たらない。すべてが「kopi」なんとかっという名前が付いている。メニュにあったコーヒーは、「Kopi-C」と「Kopi-O」というものだった。Kopi がコーヒーの意味のマレー語であることは知っていたのだが、「C」とか「O」っていったい何?

友達が教えてくれたところによると、Kopi-C は無糖練乳入りのコーヒーであり、Kppi-O というのが砂糖だけが加味されたコーヒーということだ。いずれにしろ、自分が注文したいコーヒーではないのは分かったが、ミルク入りのものよりも、まだ砂糖入りのほうがマシだったので、それを頼むことにした。
あとから、調べたところによると、マレー語と福建語のミックスで作られているコーヒーの種類は結構たくさんあって、知られているだけでも下記の通りくらいあるらしい。これは知っておいて損は無いと思う。

 ・Kopi-gau : 濃く煎ったコーヒー
 ・Kopi-po : 弱く煎ったコーヒー
 ・Kopi-C : 無糖練乳入りのコーヒー
 ・Kopi-C-kosong : 無糖練乳入りだが砂糖なしのコーヒー
 ・Kopi-O : 砂糖入りコーヒー
 ・Kopi-O-kosong : 砂糖もミルクもないコーヒー
 ・Kopi-O-kosong-gau : 砂糖もミルクもない濃いコーヒー 
・Kopi-ice : 砂糖とミルクと氷が入ったコーヒー
 ・Kopi-xiu-dai : ほとんど砂糖が入っていないコーヒー
 ・Kopi-gah-dai : 超激甘ミルク入りコーヒー
マレー語なので、後ろの修飾語がずらずら繋がるのを踏襲しているという点はおmそひろい。が、単語の意味がわからなければ、全く意味のない言葉の数珠繋ぎのように思える。
ついでに、ここでは砂糖とバターをたっぷり溶かしたトーストもいただくことにした。

Mount Faber Park (Sngapore)

マウントフェーバーはシンガポールで2番目に高い山であり、ここはシンガポール人にとって、とても人気の場所であるところだ。起伏に富んでいない小国シンガポールにとって、ほとんど手付かずの自然のままになっているマウントフェーバーは、土地開発に躍起になっている政府としては、当初、この山を全部切り開いて、大都市圏を形成しようとしていたらしい。場所はハーバー・フロントから近いところであるし、マウントフェーバーの裏側はすぐラッフルズプレイスのような商業地であるということを考えれば、まさしくシンガポール政府がやりたかった開発は判るような気がする。
このマウントフェーバーに行くには、地下鉄ハーバーフロント(Harbour Front)駅に直結しているバスターミナルから409番系統のバスに乗れば、直行でいける。バスのどこで下りれば良いのかは運転手に聞けばいいと思うのだが、一番分かりやすいのは、セントーサと繋がっているゴンドラ乗り場のところでバスを降りれば良いと思う。
マウントフェーバからの景色は、ちょっと大げさな言い方をすると、香港のヴィクトリア島にある展望台からの風景にちょっと似ていると思った。ハーバーフロント側だろうが、海が見えるし、海側にはあまり高い建物が無いのも、景色がよく見えて良いと思う。陸側はどうかというと、これもセントラルのほうの高い建物がたくさん見ることができる。しばらく山道を歩いていくと、表面だけではあるが木造でできている Henderson Waves という橋に出くわす。ここの橋は、構造的にもちょっと変わっていて、まず橋なのに、右に曲がっている。そして、書いたとおりに表面がコンクリートやアスファルトで舗装しているのではなく、木目が見える木を組んで作っているのが面白い。ただし、全面的に木を使っているわけじゃないので、木目の間から地上が見えてしまうというわけではない。ちなみに、この橋は一種の歩道橋の意味を存在しているのであり、Henderson Road の上を架かるようになっているのが特徴である。ぜひ、この不思議な形をした橋だけは渡ってみて欲しいと思う。高所恐怖症の人は、橋から眼下に、猛スピードで車が走っている道路が見えるので、これを見ているだけですくんでしまう人もいるのではないかと思う。なお、この橋は、夜の7時から深夜2時までの間はLEDを使って赤く光っているらしい。さらにずんずん道なりに進んでいくと、Forest Walk といわれるステンレス製でできた長い渡り廊下のようなものが続いている場所に出くわす。ここは、たくさんの樹木を傷つけないように配慮されて作られた遊歩道になっていて、それがものすごく長く作られている。起伏に富んでいるので、途中で嫌になるかもしれないくらい長いのだが、途中でリタイアできるように、そういう人用に階段も用意されている。なお、この遊歩道は車椅子の人でももちろん問題なく通れるようになっているし、乳母車を押している家族連れの人も問題なく通れる場所であり、ジャングル地帯の上を歩くような仕組みになっているので、結構地元のシンガポール人にとっては人気の場所だ。だが、ジャングル地帯を通るといっても、虫も獣もいないので実はつまらない。木が生い茂っているだけの場所なのである。偶然にも栗鼠を1匹見つけることができたが、それくらいだった。風光明媚な場所だとは思うのだが、炎天下で歩くのは結構辛い。なお、途中でコンビニもないし、自動販売機も無いので、ここを歩く前には、絶対にミネラルウォータ類を事前に持参するべきである。そうしないと、脱水症状になって死んじゃうと思う。

マウント・フェーバー公園 (Mount Faber Park)
URL : http://www.nparks.gov.sg/cms/index.php?option=com_visitorsguide&task=parks&id=23&Itemid=73

iluma shopping centre(Singapore)

ブギスには西友も入っているモールが昔から存在したが、2009年にイルマ・ショッピングセンタ (iluma shopping centre) として新しくショッピングモールが開店していたのに、今回まで全然気づかなかった。というより、もう、シンガポールには同じようなショッピングモールがたくさんありすぎて、どこも特徴が全く無いから、新しいショッピングモールができたからといって、特に気にしていなかったからということが原因かもしれない。MRTのブギス駅を中心に、道路を挟んで2つの巨大なショッピングモールができたというのは、互いにライバル関係になるという意味では競争心があっていいとおもうが、所詮、売られているものは似たようなものなので、値段が安くなるわけでもないから、あまり期待はできない。しかし、さすが新しくできたモールだけあって、店内の建物のつくりやデザインは斬新的な感じがした。建物の詳しいコンセプトは良くわからないのだが、かつての売春街だったブギスのイメージを全く払拭するために、近代的なものをなんでも作ってしまえというのが先に行われているような気がする。4階にあるフロアは、ちょっと特徴的だ。というのも、ここはフードコートになっているところであるが、このフロアにあるのはすべて日本食に関係するものばかりであり、傍にあるアルバート・センターのような地元の中国人たちが普段から食べるようなものがここには一切無い。ここの食べ物エリアは「恵比寿星商店街」という名前で、各種日本のジャンクフードの出店をマネージメントしている。なぜ、こんなところで「恵比寿」なのかは甚だ疑問なのだが、恵比寿という名前に、少し東京の人気エリアの威光を預かりたいという気持ちがプランナーの中にあったのだろう。決して「北千住星商店街」という名前にしなかったのは、やっぱり理由があるに違いない。ちなみに、「星」はシンガポールの略称である。

他のフロアは、ほとんどファッション関係の商品を売っている店ばかりである。一流のブランドの店が店舗として出店しているかというと、それはNOである。出店しているのはたぶん地元の人間の店だとは思うのだが、20歳代や30歳代で店舗を持ちたいと思って出店しているひとたちが出している店ばかりのような気がした。だから、一見的なものの見方ができないで評価するのは、この建物の中に入っている店には申し訳が無いと思うのだが、全く店舗に対して魅力が無いのである。店のほうから「買って欲しい」というオーラを全く感じないのである。

見た目重視でこの建物を作ったのは良いと思うのだが、どれだけの人が普段、このショッピングモールにやってきて、ここで金を落とそうとしているのか、実はとても興味が有る。ほとんど金が落ちていないのではないのかというのが個人的な感想だ。道路を挟んで西友の入っているほうがよっぽど人が来ていると思う。

ダメとなったら、すぐにでもテナントの店の総入れ替えをするシンガポールだけあって、次にシンガポールに行った場合には、すべての店舗がなくなっているということもありえる。しばらくは様子を見守って行きたいと思う。

iluma Shopping Centre
URL : http://www.iluma.com.sg/

恵比寿星商店街
URL: http://www.ebisboshishotengai.com/

アルバートセンター (Singapore)

ブギスにあるブギスストリートの奥にもフードコートが存在するのは、ずっと以前にブギスをふらふらしていたときには気づいていたが、結構地元民にも人気な店が詰まっているフードコートだとは知らなかった。フードコートの名前は「アルバート・センター (Albert Centre, 雅柏中心)」である。

結構このフードコートはたくさんの店から形成されており、ブギスにはシンガポールでも有名な関帝廟が存在するために、そこにお参りをした帰りの人たちが立ち寄ることでも有名なために、昼間からたくさんの人がここでご飯を食べている。

その中でも今回選んだのが次の通りである。もちろん、この量と品数では、昼ごはんのつもりだったに決まっている。

・宏昇鶏飯 (白斬、焼鶏飯、それぞれ 2.50 SGD)
・水粿(4個 1.00SGD)
・新新豆花水 (豆花水 1杯 0.80SGD)

まずは、チキンライスであるが、2種類のチキンがあったので、両方とも頼んでみた。ひとつは一般的なチキンライスに使われる蒸した鶏の肉を使ったもの。もう1つは表面をカリっと焼いた、まるで北京ダックにでもなるような皮のやけ具合になっている鶏肉だ。それぞれの良さが凝縮されているものであったので、どちらも美味かった。個人的な感想でいえば、やっぱりチキンライスの肉としては蒸しただけのほうがすき。なんといっても、チキンライスの一番美味いのは、鶏肉ということはもちろんだが、鶏のスープで炊いたご飯である。これに鶏肉の美味いところが全部凝縮されているのではないかとおもう。今回初めて食べたものが、水粿という名前のおやつ感覚で食べるものだ。潮州語が起源となっていて、発音としては「チュークエ (Chwee Kueh)」という。見た目は、なんだか大根に刻んだ野沢菜でも乗せたようなものに見えるのだが、全然違う。大根のように見えているのが、実は上新粉とタピオカの粉を併せて水で溶いて、固めたものである。だから、食感がとてもモチモチしているし、さらに単なるもち米とは違うので、味付けを好きに付けられるというところが良い。上にトッピングされているのは、これも店によっては全然違うと思うのだが、だいたい葱を刻んだものとニンニクは定番のようだ。あとは、これに野沢菜みたいなものを付けたり、煮干の刻んだものを入れたりするものが使われたりするのだろう。いずれにしろ、おやつよりはちょっと重い食べ物だ。豆花水というのは、いわゆる豆乳のこと。一時期日本でも豆乳ブームがあったのだが、昔ほどは全然巷では騒がれなくなった。シンガポールだけではなく、台湾や香港のようなところでも朝ごはんの定番として、豆乳を牛乳の代わりに飲むという習慣が華人社会には存在する。個人的にも牛乳よりも豆乳のほうが飲みやすいと思う。しかし、豆乳の大豆臭い味が嫌な人は、いつまで経っても好きにはなれないだろう。

両替所クランテ (Singapore)

以前、チャイナタウンで両替をするのであれば、ピープルズパーク・コンプレックス1Fの両替所『CRANTE MONEY CHANGER』に行くのが一番レートが良くて絶対お勧めだというのを All About に記載されているのを発見したのだが、ピープルズパーク・コンプレックス自体が、もともと屋台の寄せ集め見たいなもので作ったところであり、その屋台がそのまま建物化したあとでも、ほとんどアメ横の高架下みたいな状態で営業を続けたために、どこになんの店があるのか全く分からず、いったいどこだよー!とほとんどぶち切れてしまい、とうとう、そのときには両替は怪しいインド系のおっさんがやっている両替場で、関西人も吃驚な両替のレートの値段交渉をした覚えがある。一度は交渉不成立だったので、立ち去ったあとに、「マスター、マスター」と通常は「ミスター」というところをこんな風にインド人に呼ばれて、引き返したときに、向こうが泣く泣くこのレートで良いと妥協してくれた値段で両替をした記憶がある。そのあとに、目的のクランテという両替所が、めちゃくちゃ近いところに存在したと知ったときに、愕然としたのである。

そのクランテであるが、MRTの出口を出て、すぐ傍にある。ほとんどNorth Bridge Road 沿いにあると思っていい。噂通り、この両替所の前だけ、人種は関係なく長蛇の列になっていた。レート表は店舗の中に記載されていて、他の両替所に比べると、確かにレートが良い。ただ、この店、ひっきりなしに客がやってくるので、レートを確認するだけのことは行為として禁止している。要は、そんなことをする暇があったら、両替をしたいのじゃーということらしい。シンガポールドルに替えたいひとも、シンガポールドルから各国通貨に両替したいひとも、混ざって並んでいるのだ。じゃぁ、手数料(コミッション)が別途掛かるのかというと、全くなし。かなり良心的な両替所なのである。もちろん、空港ターミナルに入っている正規銀行の両替なんかより断然レートが良い。チャイナタウンに来る人、またはチャイナタウンに泊まる人は、このクランテに来て、両替をするべきだ。

もちろん、両替の前に、事前に銀行間正規為替レートがいま現在いくらなのかを確認したうえで、両替所が提供している価格が妥当的なのかは判断するべきだ。

いずれにしろ、成田でシンガポールドルに替えるなんていうバカな行為だけはやめたほうがいい。

Crante Money Changer
Address : 1 Park Road, #01-28 People's Park Complex S059108
Phone : 65325008
Opening Hours : Mon - Sun: 9am - 9pm

味香園 (Singapore)

せっかくチャイナタウンに来たので、チャイナタウンならではの食べ物も食べたいと思った。しかし、その前に肉骨茶でお腹が満腹になってしまったので、ここではデザート類を食べてみたいと思った。

チャイナタウンでは実は、デザートのみを提供する甘味処も、もちろん存在する。その代表的な店が「Mei Heong Yuen (味香園)」というところだ。ここではかなりたくさんのデザート類が提供されていて、それも冷たいものと、温かいものと、なかなかバリエーションが豊富だ。

店内は入り口に、門番のような会計をしているおばさんがいて、奥はチャイナタウンにある伝統的で昔ながらに影響しているような室内になっているここでは、湯圓(SGD 2.50)と呼ばれるデザート注文してみた。英語名では「Glutinous Rice Ball in Ginger Soup - Sesame and Peanuts」という。漢字名だけではわけがわからないが、英語名を見れば、このデザートがどんなものなのかというのは想像できるだろう。
生姜の温かい汁の中に、胡麻かピーナッツのペーストを練りこんだ、もち米でできた団子が中に入っている。モチモチとした団子をかじると、中から、温かい胡麻またはピーナッツがじわーっと口の中に広がってくるのが美味い。よく、中華料理で、胡麻団子というのがデザートとして提供されているのを見たことがあるが、あれと似ているが、その胡麻が中にペーストになっているという点で全然違う。団子をかじったときには、もちろん熱いので、はふはふしながら団子を食べるところが、まるでデザートは思えないような食感だ。団子自体も、おめでたい紅白二種類でできていて、どちらの色が胡麻なのかというような機械的な定義ができないようになっているところがおもしろい。

風邪をひいたときに、生姜のスープ類を飲むのは体に良いというのは聞いたことがあるが、今回食したようなデザートであれば、別に体が悪くなくても普段から食べても健康的にいられるような気がした。

ちなみに、オーチャードにあるIONの地下食品フロアでも、この店は出店しているので、オーチャードで買い物に疲れたら行くのも良いと思う。

味香園(Mei Hoeng Yuen)
Address : 66 Temple Street
Phone : 6221 1156
Open : 平日 10:30~20:00
土・ 日・ 祝日 10:30~22:00

Lucky Chinatown (Singapore)

シンガポールのゲイシーンとして、チャイナタウンは外せない。しかし、日本の新宿二丁目みたいに、いかにもゲイの人たちばかりが集まるエリアがあるかというと、それは無い。新宿二丁目が異様な街の空間を形成しているのである。エリアとしては存在しないが、チャイナタウンをピンポイントで考えてみると、あちこちにいわゆるハッテン場と呼ばれる場所があるものだ。ゲイバーで言えば、以前記載したTantricなんかはシンガポールのゲイの御用達ではあるのだが、ゲイバーではなく、そして、トイレのような汚い場所ではない場所で、ゲイのひとが屯っているところは無いのかと、地元の人に聞いてみたところ、North Bridge Road に面して、伝統的な中国式建築様式を呈しているビルの Lucky Chinatown(幸運牛車水)が全体的にゲイの溜まり場なんだそうだ。

そういえば、建物はいかにも中華街にありそうなデザインになっているのに、テナントとなっている店といえば、1階のマクドナルドを除いて、エロ系ばっかりの店だらけだった。シンガポールでは珍しく、ディルドや電動こけしを売っているいわゆるセックスショップの店が道路沿いに面している。日本だとこういう店は、ちょっと裏道にあるようなものだが、堂々とそれもカーテン無しに、誰もがウェルカムと言わんばかりの開放感になっているのが、なんでも禁止しているシンガポールでは異様な風景に見えた。他のテナントはどうなっているのかと、ビルの中に入ってみる。ビルは地下3階、地上6階の建物になっているのだが、以外に各階は広い。といっても、モールほど広いわけではないのだが、テナントして入っている店が、マッサージ屋かカラオケ屋ばかり。たまにバーみたいなのもある。でも、だいたいこれがゲイ専用の店だという。確かにこのビルに入ってくるひとたちの様子を見ると、全員男。ただ、客層を眺めていると、いい年をしたおっさんから若い人まで、幅が広い。そして、新宿二丁目の道路でも立ちん棒がいるように、ビルの前およびエスカレータ付近には、入出館する客を狙っている人、誘っている人、チェックをしている人と、さまざまなゲイの人たちが、その眼光鋭く品定めをしているようだった。多くに人が、個人個人に、ある程度他人とは距離を置いてチェックをしているようである。これは新宿二丁目の光景と似ている。ただ、チェックをしている人たちの様子を見ていると、誰もお前なんか誘わないし、誘われても絶対嫌だというような人たちばっかりだったことは付け加えておこう。

きっとこのビルの中に入ってくる人は、テナントとして入っている各店舗で楽しみたい人たちが入っているのだと思う。でも、やっぱり客層が良くわからない。深夜帯であったら、もっと楽しそうな様子が見られたかもしれないが、実際に今回行った時間帯が21時ごろだったので、少し早かったのだと思う。

松發肉骨茶 (Singapore)

クラークキーでご飯は食べたことがあっても、クラークキーの傍でご飯を食べたことは全くなかった。それも New Bridge Road に面しているところには、いくつかご飯屋があることは知っていたのだが、実際に行ったことが無かったので、今回初めて行ってみたのは、「松發肉骨茶 (Song Fa Bak Kut Teh)」である。
店内は既にほぼ満員のお客さんであったが、なんとか席を確保できて、座って食べることができたのはうれしい。ちゃんとしたお店なので、屋外で食べるわけじゃないから、これもよかった。というのも、この日、シンガポール滞在では珍しく雨に当たってしまい、これが野外だったら雨の中で食べていなければならないからだ。肉骨茶なので、だいたい味はどこも似たようなものだろうとは思っていたが、今回のシンガポール滞在ではまだ肉骨茶を食べていなかったので、これを食べようというのはグッドチョイスだったとおもう。
ここで食べたのは次の通り。

・肉骨茶 (Bak Kut Teh (Pork Ribs)) : $5.50
・菜心 (Cai Xin) : $3.00
・油條 (Dough Fritters) : $1.00
・落花生 (Groundnuts) : $2.00

味は少し濃いと思った。この店が潮州の流れを持つものらしいが、まるで東北地方の人がなんでも醤油をぶっ掛けて食べるみたいな味の濃さがあったので、のどが渇く。それを野菜の炒め物である菜心などで口をごまかさないと、ちょっときついなとは思ったが、味は不味いわけじゃないので、ご心配なく。

これで分かったのは、各店舗で、その店独特の味付けというのがあるんだなということが分かった。今までは味付けではなく、「不味い」「美味い」というのがはっきりした店の違いはわかったのだが、美味い店の中には味を変えることで特徴化しているのだろう。それによって、他店との差異化を目指しているのだろうと思う。

ちなみに、すぐ傍に姉妹店が営業していた。そういえば、ここでご飯を食べているときに、8月9日に実施されるシンガポールの独立記念日用パレードの練習をしている戦車部隊が、North Bridge Road を南下している様子に出くわした。これについては別途記載したいと思う。

松發肉骨茶 (Song Fa Bak Kut Teh)
URL : http://www.songfa.com.sg/
Adress : 11 New Brige Rd #01-01
Phone : (65)6533-6128

Marina Bay Sands (Singapore)

マカオやプサンに観光客が取られるのを、指をくわえて待っているだけの度量の大きさはシンガポールにはあるわけがなく、最後まで迷っていた国内へのギャンブル設備の建設について決めたのは2005年ごろだったとおもう。もともとイギリス統治時代に設立した競馬を除いて、中華系のひとはギャンブルを許可すると絶対にギャンブルばっかりやって仕事を疎かにし、国家は反映しないことを危惧していたリー・クワン・ユーも他国に客が流れることだけは絶対に許さなかったようだ。

セントーサとマリーナ地区にギャンブルができるカジノを建設しているのは知っていたが、そのカジノの場所はいったいどこにあるのだろうというのは、あまりカジノ自体には興味が無かったが、箱モノつくりの点から考えると興味があった。それでどの建物かなとおもったら、なんと以前変な建物があるなーと思っていた建物が、まさしくカジノを兼用しているホテル&ショッピングモールだということだったことがわかった。名前は Marina Bay Sands。屋上に船が乗っているような形をした2棟式のビルから構成されている。

Marina Bay Sands へは最寄の地下鉄の駅からバスが運行されているが、これが建設ラッシュの中途半端な地区の表れなのか、駅の案内には「駅前から直行バスが出ている」と書かれていても、いったいどこにそのバス停があるのか全く不親切極まりない。地元の友達も、政府はいつも適当に案内する。でも、案内していないわけじゃないから、口先八寸でいつも政治をしているとバカにしていた。まさしくそのとおりだ。ただ、バス停の場所は分からなくても、Marina Bay Sands は、いま地元シンガポーリアンでは一番人気のスポットなので、ここに行こうとおもっている人たちがバスを待っている場所が嫌でも分かる。政府の不親切な案内も、実は「人が集まればそこが該当の場所だと人民はわかるだろう」と鷹を括っているように見受けられる。

バスでしばらく乗ると、Marina Bay Sands にいくことができる。バスを降りると、まるで最新のホテルの大きな会議室のような奇麗な場所が見えてくる。さすが最新の設備を誇っている場所だとおもう。しばらく進むと、吹き抜け4階建てのモールが見えてくる。実際にはまだこの建物は建設と中であるために、モールといっても、見た目重視のシンガポールでは、一番のメインの場所に面している店だけは
開店をしていて、ちょっと奥まった場所へ行くと、建設している最中という状況だ。ただ、眼下には、まるでベネチアにいるかのような人工運河が流れており、そこにゴンドラが、ベネチアのゴンドラと同じように船頭が歌いながらゴンドラを漕いでいるのが見られる。お客としてここに来た人は、金を払えば、そのゴンドラに乗ることができるが、乗っている時間は賞味10分くらいだけだとおもう。両端が円形になっているゴンドラ乗り場まで乗ることができるという仕組みになっている。価格は忘れた。一番下の階にいくと、簡易的な喫茶エリアにやってくるが、本格的なレストランが、この訪問時には全く開店されていないために、ここにやってきている人たちが、どこでも同じショッピングモールを一通り見て廻ったあとには、この喫茶エリアに全員がやって来る。ところが、このエリアにある店というのが、本当にショボすぎて、全員にサービスを提供できるほどのキャパシティが全く無い。開店させることが最大の目的で、中身の充実さを全く無視した金儲け主義の典型的なやり方を、この眼ではっきりと感じることができた。日本だったら、まずこんな営業開始の方式をとらないだろう。すべての店舗が充分に開店準備ができて初めて開始するというものだ。だから、さすがのシンガポール人たちも、口々に「なんだよー、全然場所がないじゃないかー」と、特に親子連れの人たちが文句を言っていたのが聞こえた。こういう言葉だけはなぜか最近中国語を理解できるようになってしまっている。

一度、建物の外に出てみよう。ちょうど、マーライオンが口から水を噴出している場所の対面にあたる場所に属し、右手を見れば、ドリアン型の建物も見ることができる場所だ。だから、クラークキーから出発しているリバークルーズでしか、昔は見ることができなかった、シンガポールの摩天楼について、これを Marina Bay Sands からみることができるという状態になっているのはおもしろいだろう。でも、一度見れば、飽きる。
さて、また建物の中に戻ってみる。ショッピングモールのほうの建物にいくと、先述したとおり、この建物の存在意義を示すための施設であるカジノが見られる。昼間からひと儲けしたいと企んでいる大陸からの金持ち観光客がひっきりなしに店内に入っていく光景が見られた。ちなみに、このカジノは、入店するだけなら外国人は無料である。ただし、シンガポール政府はシンガポール国民がギャンブル狂にならないようにするために、入場自体に制限を設けた。入店するためには、1人あたり100SGDを払わせるような仕組みにしている。これなら、一般のシンガポール人が、好き勝手にこのカジノへひっきりなしに通ってくることは無いだろう。日本の競馬場みたいに、入場券が100円ですっていうことになったら、どんな貧乏人がやってくるかわからないし、国民全体がギャンブルにはまって、経済発展ができなくなるという危険性をリー・クワン・ユーが一番よく知っているからなのだろうと思う。ただ、無料だからと昼間からギャンブルに興じる中国大陸からの観光客の様子を見ていると、雪駄に半ズボンというような格好で入店するようなひともいるので、金さえ持っていればこのカジノは何でもいいというポリシーなのだろうというのが良くわかった。店内および入り口での写真撮影は禁止なのだそうだ。でも、撮ってしまった。てへっ♪ホテル側の建物に行ってみる。こちらの建物はほぼ全部宿泊施設になっている。宿泊施設のほうがかなり完成されていて、ここに泊まろうとしている客がたくさんチェックインカウンターに集まっている光景が見えた。1泊380SGD以上のホテルに属しているので、当然これは最高ランクに属するだろうが、このホテルは話題騒然のために、いまはとても人気が高い。だから、シンガポールにやって来るビジネスマンはどうかわからないが、デートで使ったり、金持ちの大陸中国人が、すぐにカジノへいけるためなのか、ロビーのチェックインはほとんど中国語の客で騒然となっていた。
さらにその先にはホテル棟の屋上展望台エリアへいける展望ツアーの受付がある。これがまた舐め腐った値段で、展望台にいくためには、一人当たり20SGDも支払わなければならない。ある程度人気があるために、結構チケットを買うためには並ばなければならないのだが、実は外国人だけでこの展望台に行くときには、パスポートの提示が必要になってくる。しかし、地元のシンガポール人が一緒にいると、外国人が含まれていても、基本的には切符を買う人しか提示が求められないので、全く素通りで切符を買うことができるという仕組みになっている。なぜ外国人にパスポートの提示を求めているのかが不明だ。それに、これが全く意味が分からないのだが、屋上展望台でどうやら外部の景色の説明をしてくれるポータブルガイダンスを貸してくれる。これが実は全く役に立たなかった。どのひともそうらしいが、屋上に行くと、番号表示が書いている場所に立てば自動的にガイダンスが流れるというものだったのに、全くそのガイダンスの音声が無い。自分たちだけのガイダンスが壊れているのかと思ってよく見ると、全員のガイダンスが同じ様子だった。故障よりいかに金を客から集めて展望台に揚げさせようという魂胆なのだろうというのが良くわかった。さて、屋上直行便のエレベータに乗ると、約40秒後くらいには到着できる。屋上は、フェンスで囲まれているが、外部の空気を感じることができるつくりになっている。雨が降っていると最悪だ。ただし、景色はなかなか良い。Marina Barrage の方向を見ると、各種建設途中の建物が見ることができるし、Marina Bay のほうを見ると、Ritz Carlton などのホテル群やドリアン型の建物もみることができる。高層ビル群の隙間から、遠く、クラークキーあたりのレンガ屋根も見ることができるのもおもしろい。ただし、この展望台には、いちおうレストランらしき建物だけは見られるが、建物だけがあるだけで営業はしていない。まだ建設途中らしい。だから、飲み物を持たずにここにやってくると、炎天下で展望台に来てしまったら、日干しになってしまう可能性があるから、注意である。

さて、この屋上展望台と壁1枚で仕切られているホテルの屋上のほうにも行くことができるのだが、この際には、展望台にやってきたときに使ったチケットを絶対に無くしてはいけない。帰りに展望台からエレベータで下りる際に、またこのチケットが必要になるからだ。さらにいうと、ホテルの屋上と行き来をする際に、チケットの提示を求められるからでもある。

ホテルの屋上は、これはもう話題騒然になっている、屋上巨大プールの場所に出くわすのである。横長の広いプールは、プールから見ると、まるで地平線の先が断崖絶壁になっているようなつくりになっており、プールサイドから見ると、プールの端の人は、そのまま眼下に地上を見下ろすことができるのではないかというとても興味深いつくりになっているのである。天気がよければ最高の見晴らしになっていることは間違いないだろう。そして、この奇怪な風景は、シンガポールのいま一番の自慢になっている場所であるために、ホテルの宿泊者だけではなく、一般にエレベータを使って上ってきた観光客にも、この素晴らしい設計を世間に知ってもらいたいことがまずは重要であったために、誰でもここに入り込むことができるようになっている。ただし、宿泊者またはエレベータの料金を払った人しか入れないようになっていること自体は、ここでも金儲けの手法を使っていることが抜け目ないとおもう。ただ、この断崖絶壁のプールを作ったこと自体は、絶対一度見るべき場所だろうとは思う。プールに入ることができないので、端はどうのような光景になっているのかは見ることができないが、まさか本当に眼下の地上が見えるようなつくりになっているのであれば、プールから地上にいる嫌な奴に水攻めをしてしまえということができるかもしれないし、病んでいる日本人だったら、もしかしてプールから飛び込み自殺が可能かもしれない・・・なんて考えてしまった。もう少し批判的なことを言うとすれば、先に運行開始をしている東洋最大の観覧車である」シンガポールフライヤー(Singapore Flyer)よりも高い位置に展望台があるために、全くシンガポールフライヤーの存在意義がなくなってしまったような気がする。見える景色も全く同じで、さらに高さが上となると。だいたい、頻繁に故障で営業停止をしているような観覧車に、いまどきのシンガポールの人も興味はなくなってしまっているのではないだろうか?とは思う。Marina Bay Sands
URL : http://www.marinabaysands.com/