シンガポールのゲイシーンとして、チャイナタウンは外せない。しかし、日本の新宿二丁目みたいに、いかにもゲイの人たちばかりが集まるエリアがあるかというと、それは無い。新宿二丁目が異様な街の空間を形成しているのである。エリアとしては存在しないが、チャイナタウンをピンポイントで考えてみると、あちこちにいわゆるハッテン場と呼ばれる場所があるものだ。ゲイバーで言えば、以前記載したTantricなんかはシンガポールのゲイの御用達ではあるのだが、ゲイバーではなく、そして、トイレのような汚い場所ではない場所で、ゲイのひとが屯っているところは無いのかと、地元の人に聞いてみたところ、North Bridge Road に面して、伝統的な中国式建築様式を呈しているビルの Lucky Chinatown(幸運牛車水)が全体的にゲイの溜まり場なんだそうだ。
そういえば、建物はいかにも中華街にありそうなデザインになっているのに、テナントとなっている店といえば、1階のマクドナルドを除いて、エロ系ばっかりの店だらけだった。シンガポールでは珍しく、ディルドや電動こけしを売っているいわゆるセックスショップの店が道路沿いに面している。日本だとこういう店は、ちょっと裏道にあるようなものだが、堂々とそれもカーテン無しに、誰もがウェルカムと言わんばかりの開放感になっているのが、なんでも禁止しているシンガポールでは異様な風景に見えた。他のテナントはどうなっているのかと、ビルの中に入ってみる。ビルは地下3階、地上6階の建物になっているのだが、以外に各階は広い。といっても、モールほど広いわけではないのだが、テナントして入っている店が、マッサージ屋かカラオケ屋ばかり。たまにバーみたいなのもある。でも、だいたいこれがゲイ専用の店だという。確かにこのビルに入ってくるひとたちの様子を見ると、全員男。ただ、客層を眺めていると、いい年をしたおっさんから若い人まで、幅が広い。そして、新宿二丁目の道路でも立ちん棒がいるように、ビルの前およびエスカレータ付近には、入出館する客を狙っている人、誘っている人、チェックをしている人と、さまざまなゲイの人たちが、その眼光鋭く品定めをしているようだった。多くに人が、個人個人に、ある程度他人とは距離を置いてチェックをしているようである。これは新宿二丁目の光景と似ている。ただ、チェックをしている人たちの様子を見ていると、誰もお前なんか誘わないし、誘われても絶対嫌だというような人たちばっかりだったことは付け加えておこう。
きっとこのビルの中に入ってくる人は、テナントとして入っている各店舗で楽しみたい人たちが入っているのだと思う。でも、やっぱり客層が良くわからない。深夜帯であったら、もっと楽しそうな様子が見られたかもしれないが、実際に今回行った時間帯が21時ごろだったので、少し早かったのだと思う。
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