リトルインディアを後にして、どこでご飯を食べようかなと思ったのだが、シンガポールの友達がお勧めのカレー屋があるというので、連れて行ってもらった。いまリトルインディアに居るのだから、きっとこのエリアのどこかの知っているカレー屋にでも行くのかと思ったら、大間違いだった。
リトルインディアから#980のバスに乗って、Springleaf というエリアまで行くことになった。このエリアに行くには、バスでだいたい30分くらい乗っていた。シンガポールのバスでこんなに長く乗ったのは実は初めてで、バスに乗って最初のほうは、バスがどのあたりを走っているのかだいたいわかったのだが、すぐに行ったことも無いようなエリアに出くわしてしまい、そうなるともう見たこともないような景色が車窓から広がってきた。景色としてはなんとなく、ナイトサファリに行くようなエリアに行っているんじゃないのかなという気がした。というのも、道路の周辺の木々が鬱蒼として生えている様子が似ていたからである。あとで知ったのだが、バスを降りた通りは、Upper Thomson Road というところで、森かなとおもっていたところは、実はシンガポールの真ん中に位置するシンガポールの自然保護区に属している場所で、その中にあるゴルフ場の森だったことがわかった。
知っている人しか知らないようなところに来た時のわくわく感というのは、安心しきっているときには楽しみというものに感じるだろうが、誘拐されたような場合だと、自分の身がどのようになるのかというのか不安感でいっぱいになるだろう。今回の場合はもちろん前者である。
連れて行ってもらったカレー屋さんは「The Prata Place」という名前のところ。カレー屋は典型的なインド系のカレー屋かと思ったら、そうではなく、マレーとインドを融合したような料理を出すところだったので、純粋にカレーのみを提供するカレー屋というのではなかった。しかし、店員はほぼ見た目は全員インド系の人たちばかりであるが、ここは決してインド系の人たちが集まるような場所ではない。むしろ、店の中は近くに住んでいると思われる華人ばかりしか来ていなかった。インド系の人が中華料理を食べているのは良く見かけるが、逆に華人がカレーを食べているようなものは全く想像できなかったので、なんとなく新鮮な光景に見受けられた。ここで食べたものは以下の通り。
・Nasi Briyani
・Chicken Murtabak
・Pineapple Roti Prata
・Plain Roti Prata
・Teh Tarik
最初に出てきたナシ・ビリヤーニは、めちゃくちゃ辛かった。こちらは粘り気が全く無いタイ米を揚げたものに、鶏肉と辛いカレーがかかったものだった。四川料理みたいな辛さではなく、どちらかというと韓国料理のような唐辛子のみの辛さというのがズバリ口の中を刺激するようなもので、一緒に頼んでいた Teh Tarik がないと、一気に食べられなかった。でも、辛いだけではなく、ちょうどご飯を絡めて食べると、とても美味しい。ムルタバは、アラブストリートに行けば、普通に食べられるマレー系の料理であるために、以前食べたことがある。マレー風のお好み焼きという感じがして、そのときに入った店の印象がとてもよかったために、ムルタバ=大阪の味みたいな印象が頭の中で勝手に出来上がっていた。他の店でムルタバを食べたことが無かったのだが、やはりムルタバには鶏肉の粗挽き肉を使ったもので食べるのが一番美味いと思った。プラタと呼ばれるものは、インド風のクレープと考えたほうがいいだろう。薄く延ばした小麦を溶いたものを焼いて、その焼いた薄皮を何重にも重ねてやき、中には具材を入れて焼くものである。今回はなにも入っていないプレーンタイプと、パイナップルが入ったものを頼んでみた。いずれにしても、今回は注文をしすぎたと思ったのは、1つのプラタ事態がめちゃくちゃ大きく、こんなものをひとりで食べるには食べきれない。デザート感覚でパイナップルの入ったほうだけ選んでおけばよかったと思ったのだが、焼いた薄皮のところにパイナップルを埋め込んだプラタはとても美味かった。会計時にいくらかとレジに行ってみたら、最初「70ドル」といわれたように聞こえたが、実際には17ドルだった。一瞬17ドルというのを「ウソでしょ?」と思ったのはいうまでも無い。まぁ、逆にあの量で70ドルといわれた場合にはもっと怒るだろう。思わず、そんなもんでいいんですか?とお店の人に言ってしまいそうになったくらいだった。
店内にはひっきりなしに華人の客がやってきて、常に店の中は満員御礼状態。店の人も繁盛して忙しいといった感じだった。この店はとても清潔感たっぷりだし、料理も美味いのだが、あまり観光客には来て欲しくない場所だろうと思う。地元の人たちだけしか知らない場所というのは残してあげたいし、観光客が来たことで味が変わるのも嫌なのだろうと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿