2008/03/31

函館の夜景

函館は本当に坂道の多い町である。しかし、その坂道が良い味を出していると気付くのは、昼間にも思うが、どちらかというと夜のほうが一層思うだろうと思う。真っ直ぐに伸びた坂道が海にそのまま向かっており、このまま転がっていったら海に入っちゃうんじゃないか?と勘違いをさせてくれる風景なのだから。それもその坂道が、高いところになればなるほど急になってくるので、まるでスキーのジャンプ選手にでもなったような感覚だ。しかし、これらの坂道は、雪が降ったときに、車はちゃんと登ることができるのだろうか?
函館の町の夜はとても静かだ。昼間だとたくさんの車が走っているところも、夜になるとその喧噪がまったくなくなり、道路の真ん中に立っても全く平気である。道路の真ん中に路面電車の線路があり、その両側に車のとおりがあり、そして歩道があり、建物があるというのは、あたりまえの光景かもしれないが、夜になると幻想的な景色に思えてくる。特に東京では見ることができない路面電車の線路が良いアクセントになっている。
開国後の函館には西洋風の建物がたくさん建っている。東京の三越本店や日本銀行でもわかるように、明治時代に作られた建物はどれも荘厳で重厚な感じがする建物が多い。ここ函館も同じで、現代の薄っぺらで味気の無い建物とは全然異なる。いま同じような建物を作ろうとすると、その石材の費用が馬鹿にならないと思うのでなかなか実現することが出来ないだろう。だから、なおさら、近代に入って作られたこれらの史跡的価値のある建物は残しておいて欲しいものである。

教会の多い函館は、西洋人が多く住んでいたこともあり、またキリスト教の布教が開国後も盛んになってきたこともあり、山の手地区にはライトアップされた教会も多く存在する。昼間にいくよりもこれらの教会は夜に行くほうが絶対良い。どうせ、中に入れないで外からみるだけなら、デコレートされた夜のライトアップが一段とロマンチックにさせてくれる。

函館の迎賓館であった旧公会堂もライトアップすると、昼間と違って怪しさを醸し出してくるから不思議だ。昼間だと建物が下品な金色と水色のカラーリングが目立って仕方ないのだが、夜になるとその色のトーンが抑えられるので、いかにも西洋館という雰囲気がでてくる。

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