2012/02/12

豪雪

今年の冬は日本海側を中心に本当によく雪が降っている。普段は乾燥し、あんまり天気がよくないだけという冬の東京でさえも、今年はそこそこ雪が積もってしまい、電車には大混乱は起こらなかったけど、それなりに東京人にとってはちょっとしたイベントになったことだろうと思う。しかし、実際に雪国に住んでいる人たちにとっては、そんな悠長なことを言っておられず、毎日が雪との戦いが繰り広げられているのはいうまでもなく、このいつ止むのか解らないような雪を、毎日、それも朝と晩には雪かきをしないといけないというのには、体力も気力もへとへとになるのは言うまでも無い。

以前、金沢に住んでいたときにも、確かに雪が結構降ったときはあったのだが、それでも現地の人が言う「38豪雪」とか「56豪雪」というものは、そのときに体験した毎日の雪かきなんか及びも付かないくらい大量に雪が降っていたらしく、雪かきをしてもしても全然役に立たず、あちこちで、年寄りしか住んでいない家では、屋根に雪が積もりすぎて、その雪下ろしを全くできていないからという理由で、家が潰れてしまったというのは良くあったようだ。すんでいたときにはそんなに豪雪ではなかったにしろ、それでも、父親の車を出すために、車の屋根の雪下ろしは当然だけど、道の上を走らせないといけないわけだから、雪に埋もれた車を、発車できるように周りの雪を掻きだすというのがしんどかった。幹線道路に行くと、道路の真ん中からスプリンクラーのように水が出ているので、その水で雪が融けて、そんなに雪がたまらない。しかし、反対に歩道の場合はだれも雪かきなんかしないので、道路より1メートルくらい高いところを歩くようになる。さらに気をつけないと、用水路が歩道の横に流れていたりするわけで、その用水路に落ちたら、上には絶対上がれなくなってしまうという恐怖も隣り合わせである。

雪かきが大変なのは体力的なことだけではなく、雪下ろしと雪かきで邪魔になった雪の扱いである。広場みたいなところがあって、そこに雪を集められるのであればいいのだが、そうではない住宅地の真ん中の場合には、本当にその雪をどうしたらいいのか迷う。大体の場合は、用水路に捨てることが一般的だったのだが、その用水路にもキャパシティがあるわけでそれを埋まってしまった場合にはもうどうしようもない。それでも雪は後から後から降ってくる。もうそうなったらなすすべがないのだ。

まさしく今年の日本海を中心とした全国規模での大豪雪は、30年ぶりくらいの豪雪だったんじゃないのだろうか?一晩で1メートルも積もるという景色を体験したことが無い東京の人たちにとっては全然想像が付かないと思うのだが、それくらい降ってしまった倍には、もう1階から出られなくなり、2階が玄関になるというすごいことにもなる。

ただ、一度雪国に住んで辛い日々を送ったことがあるのでわかるのだが、決して「雪が降った=スキーができる」という短絡的なことの出来事とは思っていない。雪が降ったと雪国のニュースを見るたびに、「毎日雪かき大変そうだな」ということがまずは脳裏に浮かんでくる。彼らは現地に住んでいて、そこで生活を営んでいるわけだから、そこから抜け出すことは出来ない。旅行者として雪が降っているところにいき、その光景を「綺麗」といっている間は、彼らの雪との戦いについては全く知る由も無いだろう。

雪国のひとたちは春になって、雪解けの時期になるまではじっと耐え忍んでいかなければならない。長くて寒くて辛い時期だとは思うのだが、雪国の人たちには春になって笑っていただけたら良いと思う。

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