2012/02/10

仏像の楽しみ方完全ガイド(書籍)

どこのお寺に行っても、似たような仏像が鎮座しているのであるが、毎回それがなんの仏像なのかというのがちっともわからない。仏像の顔を見れば即座になんの仏像かと理解できれば、すごい楽しいだろうなーと思うのだが、全然わからないので、説明書きを見ないと理解できないなんて、全く寺の仏像を見ても感動は得られないだろう。たぶん、それは仏像の基本的な知識が全く無いからなのであって、仏像の特徴を解っていたら、これはなんの仏像だというのを即時判断ができるんだろうなーとおもう。

別に日本のお寺だけじゃなく、仏教があるところ、それも日本と同じ仏教系統になっているところである、中国や台湾や韓国であれば、同じような仏像が存在するわけなので、おそれらの国にいったときに寺を訪問したら鎮座している仏像をみれば理解できるだろう。
前からなにか参考になる仏像に関する情報がまとまった本は無いのだろうか?と探していたのだが、どれもこれも小難しいことばかり書かれている仏教上級者のような本ばかりか、またはあまりにも簡単なものしかないものだったりして、いまいちこれといったものが存在しなかったので、何かいいものが無いのかなと探していたところ、素人でもわかりやすいものを発見した。その名もズバリ「仏像の楽しみ方完全ガイド」である。

この本の中では、「仏像鑑賞の20のツボ」と称して、各種の仏像を見る際にその仏像が存在する背景を知るところから始める。要は仏像の基礎知識から始めるのである。仏像がみんな拝めるようになるのには、それなりに理由があるわけで、仏像各種の1つ1つの理由をここでは述べているわけではない。それは別の章で紹介している。例えば「16 仏像の体の中に納められているもの」というところなんかは、これを読むまで全く気づかなかった。だいたい仏像は仏像であって、それ以外なにもないとおもっていたのに、実は仏像は単なる「外面」であって、本当に拝めるべきものは、仏像の内部にあるものなのであるということは、ほとんどの人が知っているのだろうか?!などだ。

別の章では、有名な仏像を紹介して、それぞれがどういう仏像なのかというのを説明している。しかし、それは有名だからというので紹介されているわけではなく、仏像の種類はたくさんあるのだが、それぞれの仏像の1種類の中でも特に有名なものを選んでいるというわけである。つまり、大日如来像だったら、大日如来の中で一番有名なものを紹介しているのであり、他にもこんな大日如来があるというようなことは紹介していない。そして、大日如来なら、どこの像をみても、こういう特徴があるものであるのだというのを説明しているわけである。だから、あんまりマイナーな種類の像であれば、ここでは割愛している。だいたいメジャーなものだけ抑えておけば、日本中、または仏教国の主の仏像は理解できるのではないだろうか?ただ、羅漢のような細かいものについては、もっと違う本で勉強したほうがいいと思う。そこまでは載せていない。

世の中が不景気で、なにをやってもうまくいかないような行き詰ったような世の中になったときには、概して宗教にすがりたいような人が出てくるものである。まさに今がそのときなのだろうと思うのだが、その証拠に、神社仏閣にいったり、意味不明にパワースポットに出くわそうとしているひとたちが結構いまは多く居る。そういう人たちは、訪れるのはいいのだが、その訪問先で、己の欲望だけを満たせてくれるための祈願しかしていないし、気晴らしでしか神社仏閣を訪問しているわけにしかないので、本当に迷惑だ。だか、神社仏閣側からすると興味を持ってくれる人がどんな目的であれ多く訪問してくれるのであれば、それだけお布施や拝観料を徴収できるからというようになっているので嬉しいのだろう。まさに宗教という名前を使ったビジネスになっている。なんだかそういうのを考えると寂しい限りだ。

そんな余計なことはどうでも良いとして、もうちょっと仏教の寺を訪問したときに見るべきものを見ることの重要さと、その見ている対象物がなんなのかくらいはおさえておくべきだと思うし、その際の参考書に使うのがいいだろう。

仏像の楽しみ方完全ガイド
筆者:副島弘道 (監修)
出版社: 池田書店
発売日: 2008/10/15

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