2012/04/11

会社のPCがぶっこわれた

事の発端は、会社のPCのCドライブの空き容量が少なくなってきて、長年使っているような古いPCだから、どうせゴミファイルがたくさん溜まっているのだろうというところから始まった。削除したファイルを完全に消すツールなんかを使ったり、デフラグを使ってみたのだが、あまり効果が無かった。もうちょっと消せないのだろうか?試行していたところ、Cドライブ直下に「System Volume Information」フォルダがあり、普通ではアクセスできないフォルダになっている。ここには、システムが破壊されたときに復旧する際の必要なデータファイルがあったようなのだが、このデータ容量が複数のフォルダで数GBも存在していた。フォルダのタイムスタンプを観ると、ずいぶん昔の日付になっているので、こんなもん要らないだろうとあっさり削除した。

Cドライブの容量はかなり増えたのだが、なぜか動きが変。なんだろうなーとおもったら、Cドライブ直下のWindowsディレクトリの中身が全くなくなっているようになってしまった。直接Windowsディレクトリにアクセスして、中身を消した覚えは無いのだが、どうやってもWindowsディレクトリの中身は見えないのである。Windowsディレクトリの配下にはOSに必要なDLLファイルや、OSに関連するソフトのファイルも入っていたりするために、ここが全くなくなってしまうということは、WindowsとしてのOSが使えないことと同じだと思っていた。

ところが、Officeファイルは普通に開くこともできるし、書き込みもできる。そしてブラウザを使ってネットへの接続もできる。ファイルシェアされたサーバへのアクセスも可能だ。自分の知識ではこのあたりのファイル操作にはWindows配下の関係ファイルが必要だと思っていたのだが、実はそうじゃないのか?もしかしてとおもい、コマンドラインから、Windowsディレクトリ配下にあるSystem32フォルダへアクセスしてみた。当然、「そんなものは存在しない」というメッセージが出てくるかと思っていたら、出てきた。見える。ということは、単純にWindowsディレクトリが壊れてしまっているのだが、その配下にある関係ファイルは生きているように見えるということだ。

Windows自体が持っているシステム復元のツールを使ってみるのだが、System Volume Information のデータを消してしまったので、復元するための情報を保有していないから復元できない。それならばと、ディスク診断ツールを使ってみてHDD的に壊れているかどうかを調べてみることにしたのだが、Windowsが持っているツールだと「RAWデバイスには使えません」というのが出てきた。RAWデバイス?!?なんじゃ、それ?

調べてみると、どうやらこれは本来各パーティションがどういうファイルシステムかというのを情報として持っているはずなのに、その情報が消えてしまったため、パーティションは分けられていて、いくつかのファイルが生きているとはいえ、ファイルシステム自体がご死亡されている状態と同じ。それも起動に必要なマスターのパーティションがこの状態では、再起動した場合には絶対に復活しないのは目に見えている。幸いにもDドライブのほうにはデータのほとんどが残していたし、さらにバックアップとして、ファイルサーバのほうに必要なファイルはメールも含めて保存していたので、一層のことHDDのフォーマットをしても平気だと楽観視していた。ファイルシステムがぶっ壊れたときに、まだネットが使えたことが幸いだったのだが、このときにバックアップをできていたのは大変助かった。

その前に、HDD自体がもしかしてぶっ壊れていたとしたら、いくらフォーマットしようとしてもそれはできない結果になってしまう。そうなるとマシンを交換しなければならないという、社内では面倒くさい手続きを取らないといけないことになるので、それだけはどうしても避けたかった。その面倒くさい手続きに付いては、後に記載したいと思う。まだマシンが生きている間に、HDDにセクタを含めた診断をすることで死んでいないということを確認したかったし、あわよくば、ファイルシステムを復活してだめになったマスターパーティションを復活させたいと思って、ネットで調べて見たところ、まずはTest Diskというツールがあることを発見する。

Test Diskに関する詳しい説明は、別のサイトで丁寧に説明がされているので、そちらを参考にして欲しいのだが、これを使うと消えてしまったパーティション情報を復活することができるということなのだ。もしファイルシステムを元々持っていたNTFSに復活することができるのであれば、Windowsの持っているディスク診断ツール等でHDDの診断ができると考えた。説明書きを読み進めていくと、「二度と立ち上がらなくなるかもしれないが、それは個人の使用におまかせする」なんていう他責とも思われるような記載があって、最初は使用をするのをどうしようかと迷った。でも、もう壊れていてどうしようもないのだとおもったので、ここは潔くツールを使ってみる。Test Diskによって、一応問題はないような結果が現れ、再起動を促すようなメッセージが出てきた。

この再起動によってファイルシステムが復活するだろうと期待したところ、再起動後は「System Diskが見つかりません」というのが出てきた。は?どういうこと?そこで、PCをBIOSレベルで確認する画面で起動の設定を確認してみた。プライオリティでは、1番目にHDD,2番目にCD,3番目にFDDというような設定になっていたのだが、よくよく見てみると、HDDはラベル情報は持っているのだが、容量が0KBになっているではないか。ど、どういうことだ、これ!?と思ってしまう。言い換えれば、このPCのBIOSから観ると、ハードディスクらしいものは存在するが、その容量は何もないということである。なにかの間違いだろうと思い、何度もBIOS設定画面でPCが立ち上がるようにやってみたのだが、状況は変わらない。もしかしたら、リカバリディスクがあれば復活ができるかもとおもい、ちょっと前のPCだから、HDDに組み込まれたリカバリメディアではなく、CDで供給されているリカバリディスクを使って立ち上げてみる。CDは問題なく読み込めることができたので、そのなかの設定で「リカバリ」というのがあったから、それを選択してみる。ところが、リカバリをしようにも、リカバリするべきハードディスクが見つからないというようなことを言ってきた。リカバリディスクでも復活できないということになると、困ったことになった。別にツールをCD起動をしてみて、HDDに故障があるかどうかを診断してみることにした。このツールを使うことで、HDDがまずは生きているかということ、容量はどうなっているかということ、パーティションがどうなっているのかという情報が観ることができた。当初正常時に使っているときの通り、CとDの2つのドライブにして、それぞれの容量はもともと使っていたのと同じ容量であるように見えることが分かった。つまり、この時点でハードディスクは死んでいるわけではないということが判断できた。ただ、セクターレベルで見たときに、もしかしたら不良セクタがあるかもしれないので、その診断もこのツールを使ってみることにしたところ、特に問題なく正常であることが分かった。このツールでは、ここまでしか判断することができず、特定パーティションのフォーマットをすることができない。

そこで、生きている別のPCに、外付けのHDDとして故障したHDDを接続することで、故障したと思われるCドライブに相当するパーティションをフォーマットをしてみようかと思ったのだ。これまでデスクトップを使っていたのだが、異動してきてからずっと使っていたPCで、これまでPCの蓋なんか開けたことが無いのだが、絶対内部は埃だらけになっているだろうと思われること。自宅のPCだって、かなり埃を吸っているのは分かっているので、会社のPCなんかはもっと酷いことになっているだろうと思っていたからだ。案の定蓋を開けてみると埃がかなり溜まっていたのだが、意外にも内部にはあまり埃がないようだ。密閉したようなつくりになっているからなのだと思う。

別のPCに外部装置として接続をしてみた。いちおうディスクは生きているし、確かにCドライブに相当するところはWindowsディレクトリの中身は見えないのだが、そのほかは全くファイルとしてみることができる。この状態からでもデスクトップにあるファイルやユーザプロファイルは取り残されているので使えるとは思っていたのだが、もう別に要らないので、おもいっきりこのパーティションをフォーマットすることにした。ただし、Dドライブに相当するところはデータとして生きているので、これは残したまま。その状態でもう一度リカバリディスクから復活させたときに、復活できないのであれば、完璧にディスクを全部フォーマットしてみてしまえば良いかと思ったのである。

Cドライブに相当するところだけをNTFSに再度フォーマットをして、元のPCに戻し、リカバリディスクを使って復活をーっとおもって起動してみると、同じように「ハードディスクが見つかりません」という同じエラーになる。あぁ・・もうだめだ・・・と思っていた。しかし、ふと、もしかしたら、HDDが繋がっているIDEのケーブルがちゃんと刺さっていないかもと思い、もう一度ケーブルを確認してみると、実は半挿しの状態になっていることが分かったので、きちんと挿し込んだ状態にして、再起動をしてみる。リカバリディスクが進んでいくと、今度は「リカバリディスクを使ってWindowsを復活しようとしています」というのが出てきた。ということは、ハードディスクが認識したということだー。うれしいー。

あとは、ディスクを使ってWindowsを復活するだけのことなのだが、ここからがまた面倒くさいことの始まりである。わが社は、Active Directory によりリソース管理をしているため、PC単体の設定のほかにドメイン参加もしないといけないということだけに終わらない。業務に必要な各種ソフト、それから会社でPC管理をされている下記の各種ソフトをインストールしないといけないのだ。

・不正接続端末検地ツール
・ファイル共有防止ツール
・IE7/IE8インストール防止ツール
・外部メディア書き込み防止ツール
・アンチウィルスソフト
・メール誤送信防止ツール
・Microsoft Office と Office Update
・社内システム接続関連ツール
・プリンタ接続
・メールソフト

このほかに、Windows 自体のアップデートをしなければならない。Windows XPを使っているので、SP1からSP3およびその他の定期的にアップデートされる更新ファイルを入れる。このWindows Updateのファイルだけで100個もあったときには、倒れそうなくらいの時間がかかった。なおかつ、Office もSP1からSP3までのパッチを当てないといけないのが面倒くさい。本当に面倒くさい。

それよりも、社内限定の各種のファイルをいれなければならないのが本当に面倒くさい。これらのソフトが、起動と終了にめちゃくちゃ時間がかかる要因だったことをこのときに知るのだが、これまで使っていた環境では、まともにPCが使える状態になるのは、PCのスイッチを入れてから、30分くらいは掛かっていたのである。もうこんなへっぽこPCの利用では、ユーザからの業務開始と同時に掛かってきた電話に対して即効で対応することなんかできない。どうでも良いような仕事をしている企画担当なんかは頻繁にPCを取り替えているというのに、なぜか末端で仕事をしているようなところは蔑ろにされているため、全然新しいPCなんか買ってくれないのだ。なおかつ、夏から全PCがシンクライアントになるということなので、そのために壊れても新PCは購入することができなくなっているのだ。もう一層のこと、シンクライアントの環境ができるまで、PCなしの生活にしてやろうかと思っていたのだが、そうは許されなかったらしい。

結局復活するのに2日は要した。もちろん、その間には通常の打ち合わせやら、外出やらなんやらとやらないといけないので、片手間で手直しをしていたということだ。こういうのを率先してやる総務がいればいいのだが、なぜかわが社はそういうことができる担当者が居ないのか作らないのか、暇なひとたちは結構居るのに、効率悪い組織作りになっている。へっぽこPCのままで復活したのは良いのだが、やっぱり動きは、家のPCのほうが断然早いので遅くて仕方ないと感じる。どうせ何も仕事をしていないでいつもネットで遊んでいるような幹部のPCなんか、古いPCで良いと思うのだが、偉そうな奴に限って新しいPCじゃないと嫌なのだそうだ。無駄なところには投資するなーとおもうのだが、それも取り巻きたちが偉いひとにおべっかをつかって、自分のポイントを挙げるために必死になっているからなのである。末端で働いているような虫けらは「死ぬまでボロでも働け」という指示。バカすぎる、この会社。

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