2012/08/19

京王線の地下化完了

東京西部を走っている鉄道路線は、都心に近づけば近づくほど、線路と交差する道路は踏み切りがあるとそれだけで渋滞の原因になる。都心部のほうは最後まで西武線との交差は酷いことになっていたが、もうそれも解消した。そうなると、今度はどんどん東京郊外のほうに同じように渋滞地域になる道路と交差する場所が問題になるのだ。京王線の調布を中心とする東西2km圏内くらいの道路についても同じように、朝晩および土日は渋滞が酷いことになっている。それは電車がひっきりなしに走っていて、ほとんど遮断機が下りている状態だからなのだ。これは一般乗用車が身動き取れなくなるのは全然問題ないとしても、緊急車輌の通行にも影響してくる。緊急搬送が必要な患者を乗せている救急車が遮断機のせいで全く動けず、搬送に時間がかかって問題なるということは多々あることだろう。

ようやく京王線も調布市と東京都と組んで、問題の縦系の道路と交差するところで、渋滞がひどい道路と絡んでいる地域を地下化することにした。結構長い間この工事は行われていたが、とうとう先日完全地下化することになり、それまで地上を走っていた線路から、地下に敷設した線路を通るように電車の運行が変わった。地下化するのは京王線の柴崎駅と国領駅の間から、調布駅と西調布間、および調布駅と京王多摩川間のところの区間である。最終的にどこまで地下化するのか?と本当に完成するまでよくわからなかったのだが、意外と短距離区間が地下化したことになる。これによって、この路線と交差する、狛江通りと鶴川街道が渋滞から緩和されて、スムーズに進むことができるようになったのは、ドライバーから観れば嬉しいことだろう。

しかし、この地下化によって、駅構造がそれぞれかなり変わった。一番大きいのはホームに新幹線や最近の地下鉄のホームのように、線路に飛び込まないようにするための扉が付いたことだろう。普段は落下防止のためにドアは全面的に閉まっているが、電車がきたときにだけ、乗降口のところだけが開くというスタイルである。トンネル区間になっているので、その間で落下されたのでは、もし人が轢かれたときその処理がかなり大変だからだ。これまでなら途中で轢かれたとしても、いろいろな場所から警察車輌が入り込んで現場検証や死体処理をすることができた。今度はそれができない。だったら、線路に下りないようにさせなければならないということなのだ。国領駅や調布駅は腰の高さくらいまでの壁ができているのだが、布田駅だけはなぜか天井まで全部越えられないようなタイプになっている。なんで布田駅だけなのだろうか?だったら、全部の地下駅になっているところを、このように天井までの壁にしちゃえば良いのにと思う。特に新宿駅なんかいつも混雑しているんだから、さっさと作れば良いのにと思うのだ。

それから柴崎駅から国領駅に入るときに、途中の野川を懸かる橋が残っているので、そこまでは地上を走っている。そこから急に地下に潜るような形で駅構内に入っていく。濃く両駅は1つの島の両側がホームになっているので、乗り降りする人は同じ島になっているところを利用する。

調布駅はここから橋本方面にいく路線が分岐する場所なので、どのように地下化したのだろうとおもった。今までの通り、八王子のほうにいく列車と橋本のほうに行く列車があるため、4つのホームが必要なのは変わらないだろうが、地上にあったとおりの構造をそのまま地下に持ち込んだのでは、平面的に大工事になるため、なかなか難しい工事になると思っていた。出来上がった駅構造を見ると、新宿方面に迎かう路線と、八王子・橋本方面にいく路線が段違いの状態になっているのだ。つまり立体的に工事を進めることにして、深い溝をまずは作り、その中をビルのような構造にしたつくりをしているのである。八王子のほうにいく電車と橋本に行く電車を、大宮の駅のように路線が違うから違う島にしちゃえだとすると、乗り換えをする客にとってはとても使いづらい構造になる。そこで京王線としては移動する方向を東西にわけて東に行く方向と西に行く方向を、それぞれで一緒に擂るという方針にしたわけだ。八王子・橋本方面に行くほうが上の階にある。新宿方面に行くほうがさらに下の階になるので、調布駅から新宿のほうに向かう人は、随分下までもぐらないといけなくなるのだ。

乗客目線で言うと以上のことだが、これが運行上の目線から見ると、京王多摩川のほうから調布に向かう場合、京王多摩川自体が高架になっており、高さとしてはビルの3階以上のところにホームがある。そこから調布駅は最地下のホームにいっきに途中から下がらないといけないため、見た目はジェットコースターの最初のスタートの部分に匹敵するくらいの落下を感じるのだ。なにしろ、改札口が地下1階、八王子・橋本方面が地下2階、そして新宿方面が地下3階だから、いっきに6階分を駆け下りることになるのだ。これは列車を運転している側からすると結構楽しいのではないだろうか?感覚としては、笹塚から新宿に行く方面に地下に潜るがあれのもっと落下角度が激しいものだとおもえばいい。

それから地下になっても携帯電話の通話が問題なく使えることがわかった。駅に到着しているだけではなく、地下走行中でも電波が拾えているようで、これは新宿から笹塚間の地下でも同じように携帯電話が使えるようにしてほしいとおもっていたのを実現できるという実証実験でもあるだろう。ただし、無線LANは使えないのが残念だ。

さて、線路の路線としては完全地下化が終わったのだが、地上の駅舎については、最終的にどうなるのか完成予想図がよくわからない。調布も南北で平面的に移動することができるようになったのは嬉しいことで、それまでは南北でなんだか違う街のようになっていたのが一気に変わることになるだろう。国領・布田駅のところは、細い道で鬱陶しい感じがしたが、駅前がだいぶかわることになるので、今後の発展がどうなるのかは見ものだ。

調布駅付近連続立体交差事業(京王グループ)
URL : http://www.keio.co.jp/train/chofu/index.html

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