2015/08/11

クルタ・ゴサ(バリ島)

 
ウブドから少し東のほうに行ったところは、以前は「クルンクン」と呼ばれる町であり、いまは「スマラプラ」と呼ばれているところがある。ここには、実はバリ島にあった8つの王国である「クルンクン王朝」の王宮があったところである。バリ島の観光地としては「クルタ・ゴサ(Kertha Gosa)」と呼ばれる遺跡がある場所としても知られている。しかし正確に言うと、クルタ・ゴサは、タマン・ギリ(Taman Gili)と呼ばれる旧王宮庭園の一部の建物のことを指している。本当なら、タマン・ギリが観光地として旅行者に紹介されていればいいのだが、なぜ敷地内の建物の一部だけが紹介されているのか、実際に現場に行ってみて謎だなと思った。
ガイドで紹介されているクルタ・ゴサは、天井にバリの民話やジャワの民話、そしてバリ庶民の生活やバリの暦に関することを、全部絵画として描かれていて、その絵の見事な描きっぷりは圧倒されることこの上ないものである。無形文化財として舞踊や演奏というようなものばかりがバリ文化として紹介されるのだが、こういう建物に描かれた絵画についてもぜひバリらしいものを感じられるので、絶対訪問して生で絵の様子を見てみるのが絶対良い。

そのクルタ・ゴザというのは、実は王宮内にあった裁判所のようなものであり、ここで民衆のいろいろな裁判を実施していたというところなのである。公開裁判所みたいな感じでそれは面白い。悪いことをすると、地獄に落ちるよーとか、良いことをすると褒められるなどの、民衆に風習についても絵画としてわかりやすく教えを描いていたりするのは、そこが裁判所だからなのだろうか?と思ってしまう。道教のお寺なんかに行くと、地獄と天国の図が描かれているのを良く見るが、あれと似ているところがある題材がいたるところにも描かれている。

でも、実際に裁判はどのようにやっていたんだろうか?ガイドのひとはそこまでは説明しない。どうも建物で行われていたことよりも、ここに描かれている絵のことのほうが、観光客ウケすると思われているようで、過去の観光客もバリの文化なんか基礎から知らないんで、珍しいものを見せておけば感動するだろから、そういうところだけ見せていればいいやと思ったんだろう。ところが、今回はいろいろ知りたがりの自分を担当してしまって、おそらくババを引いたとガイドは思ったに違いない。なんでこれはこうなのか、裁判所というのであれば、どのような手続きでここで裁かれるのか、描かれている絵の下にバリ文字で書かれた言葉があるが、あれはなんと書かれているのだ?と色々質問をしてしまった。ガイドはバリ文字を読めないらしい。どうも年寄りしかもうバリ文字を読めないんだそうだ。バリ語は話せても文字が読めないとなると、本当のところのバリ文化は守られるのかというと謎になる。それと、ここで行われた王朝時代のことは、実はあまり知らないらしい。もうちょっと勉強してほしいところだ。でも、そんなのはこちらが余計なことを質問してしまったから、ガイドが困惑しただけなので、実は気にしない。
 
 
 
 
 
 
 
話はクルタ・ゴサに戻そう。クルタ・ゴサの建物は、実は建物の周りが水の張った堀で囲まれており、建物自体はレンガで詰まれた敷地に、バリ風の屋根を用いた建物が建っている。そして、建物は敷地内の中で高いところに位置するため、堀の一部が建物への入り口になっており、渡し橋を通っていくと建物に到着する。橋や建物の入り口にはシーサーみたいな石像が立っていて、なにかの魔物から守るようになっている。赤レンガと大理石の組み合わせで出来ている壁が、もっと新しい状態で残っていたら、本当にきれいだったんだろうなというのは想像できる。
 
 
水が張ってあるエリアから少し足を伸ばしてみると、博物館がある。博物館には、このあたりを支配していたクルンクン王国時代の王族が身に着けていたものや日用品、そして祭りのときに使っていたような装飾具なんかが展示されている。よく観ると、マレーシア・インドネシア全域で見られるのだが、クリスと呼ばれる短剣がすごいたくさん展示されているのがわかるが、これは武器ではなく、普段王族が身に着けていた守護道具といったらいいだろう。そして、壁には王族の写真が展示されているので、クルンクン王国の末期のひとたちはこういうひとたちが治めていたんだというのがよくわかる。