この言葉だけを聞いていると、バリ島のことを猛烈批判しているような表現にしか聞こえない。それは何の知識もなく、日本語の語彙だけで物事を見るからである。実は、これ、「好き、好き、バリ」というバリ語の表現なのである。要はバリ島大好きということなのだ。この表現はどっから出てきたかというと、実は、バリ島を基盤とする旅行会社の名前である。そう、スカスカ・バリという会社なのである。
この旅行会社を使うことにしたのは、実は、バリ島をいろいろ観光する際に、タクシーかなにかをチャーターしないと移動するのが大変だなーというのはわかっていたので、それなら車をチャーターしておこうと思っていたのである。しかし、どうやってバリ島の車をチャーターしたらいいのかわからないし、たぶんポジティブ思考だったら、ホテルのコンシェルジェに頼めばいいんじゃないの?というくらいで思っていたことだろうが、何があるのかわからないので、念入りに事前準備をしておいたほうがいいということと、今回は自分だけが行くわけじゃなく、年寄りを連れて行くわけなので、無駄に歩かせたりすると、体力を消耗して現地でぶっ倒れてもらっても困るからである。それでいろいろ調べてみると、結構バリ島で同じような行動をする人たちがいるのか、旅行会社とその需要にこたえるようないろいろなメニュがそろっていることがわかった。そして、調べているとだいたいの相場感がわかってくることもいい勉強になった。
結局その中で選んだのがスカスカ・バリという会社のところなのであるが、そのときに選んだポイントはなんだったのかと後で考えてみると、やはり旅行会社を使ったひとたちの評判ということなのだろうと思われる。それと、支払い方法と、誰が経営しているのかという点だろうと思った。
まず、スカスカ・バリを使ったことがあるひとの評判から見ると、どれもこれも悪いことは書いていない。それはその会社のサイトで記載されているようなのであれば、良い事しか書いていないのは当然だろうが、一般的なサイトを見ても似たような評価だったので、それでまずは選んだといえよう。次に支払いのことだが、支払いのやり方としては、
①事前にカード支払いか、銀行振り込みをする。
②現地に行ったときにドライバに支払うが、そのときUSドルで払う
③②と似ているがインドネシアルピアで払う
というのが一般的だ。①の場合は、その振込み、またはカードの決済が終わったら予約がようやく確定するというものになる。これって、実際に利用する日が間近だった場合にはまず無理である。②の場合、インドネシアではまだまだUSドルで換算されて、それで支払いされるほうが嬉しいとされているところがある。それはインドネシアルピアの貨幣価値が低いからなんだろう。しかし、それは渡航者からみると、インドネシアルピアも用意しないといけないし、ぜんぜん関係ないUSドルも用意しないといけないし、そんな換金するのが面倒くさいことをしないといけないのは嫌だと思う。それも、ちょうど円安になっている時期にドルも用意しないといけないのは面倒だ。それに、ドライバに直接払うというのも出納という意味ではわかりやすいシステムだと思うが、大体の場合、チャーターが始まったときに最初に支払うのが一般的だと思う。③も同じようなものだが、インドネシアルピアで支払うというところもまた少し抵抗がある。というのも、例えば、インドネシアルピアは、1万円を換金すると108万ルピアになる。札束満載でドライバに渡すのもなんだか嫌なものだ。
スカスカ・バリのシステムはどうなっているかというと、実は、現地で払うことになるのは②や③と似ている。それはドライバに渡すのではなく、ドライバと一緒に完全ガイドがつきっきりになるのだが、その人に支払うということ。そして、チャーターが終わったあとに支払うということになるため、金だけ払ったのにどこにも連れて行ってくれなかったり、持ち逃げされて放置されるということもない。そして、一番びっくりしたのは、バリ島なのに日本円で支払うという点なのである。これにはびっくりした。日本円はインドネシアだと毎日レートが変わってくるとは思うのだが、それでもいつでも同じ日本円でサービス提供しているというところが素晴らしい。なぜ日本円で支払いがOKなのか、その理由は後でわかる。
そして、なんといっても、一番良いとおもったのは、なんといってもフレキシブルに予定を変えられること。車をチャーターする場合、時間制で予約するのは良いとしても、事前にどこを廻りたいかという希望を旅行会社に言わないといけないということが結構ある。しかし、地理感がないし、そのときの気分でいろいろ行きたいところは変わると思うので、事前に行き先方面を決めているのは面倒くさいところだ。ところが、スカスカ・バリの場合、事前予定を伝える必要はないし、当日専属ガイドに対してどこに行きたいかということをリクエストを伝えれば良いだけ。あとはガイドのほうがドライバと協議をして、こういうスケジュールで廻るのはどうなのかということを、提案してくるので、それに承諾するというようなものだ。だから、これしたい、あれがしたいというのを、いくらでも臨機応変に対応してくれるのである。そして、アバウトなことに対しても大抵叶えてくれる。今回の場合も、リゾート地として楽しんでいるわけじゃなく、実はジェゴグを聞くことと、バリの舞踊についても、ガムランがメインで聞ける舞踊があったら見たいということを伝えたら、それに見合うようなイベントを探してくれて、イベントの時間に合わせて連れて行ってくれた。
そして、本当はあまりこういうブログに記載してはいけないのだとは思うのだが、今回本当なら10時間のチャーターを頼んでいたのだが、ジェゴグの演奏を聴きにいった時点で契約時間が来てしまった。しかし、その演奏の場所からホテルまで戻ってくる場合、それなりに距離があるため、ここで「はい、時間が来ましたから終わりです」といわれたら、それだけで途方にくれる。なんでも臨機応変に対応することがモットーとなっているこの会社の社員の人は、そういうつまらない対応はすることはなく、ちゃんとイベントが終わったあとでもホテルまで送ってくれた。時間として1時間半オーバーである。会社の規定としては本当ならオーバーしたら1時間当たりいくら支払うということになっているのだが、そこはガイドの臨機応変な対応で、追加料金はドライバへの謝礼料金だけで良いということにしてくれた。会社に対してどういう報告をしたのかは心配になってきたのだが、そういう対応で客を納得させて、気持ちよくしてくれる対応をしてくれるのは、素晴らしい社員教育をしている会社だと改めて感じた。
島全体に対して、社員のひとたちが本当によく知っている。道についてもよく知っているし、各地について知り合いがたくさんいるようで、顔パスでじゃんじゃん奥まで入っていける権利をもっているようなので、そこまで行っていいんですか!?と心配になってくることもあった。そして、ドライバのひとはあまり日本語が話せないのだが、ガイドのひとは全員日本語が堪能である。日本語の理解度というのはそれなりに良くできるほうだと思う。結構たまに「日本語ができる」といっても、挨拶くらいしかできなくて、複雑な会話になるとぜんぜん理解不能になるような人も居るのだが、この人たちはまじめなのかわからないことはわからないというし、大抵のことは答えてくれる。わからないという言葉は、すぐにメモをして、バリ語かインドネシア語としてメモをするようである。勉強家だ。だから、英語かインドネシア語がわからないと困るだろうなというような心配は、スカスカ・バリに車を手配した場合には絶対無い。
スカスカ・バリのひとと、ホテルで待ち合わせにしていたのだが、だいたいこちらは顔がわからないし、看板を持って待っててくれているわけじゃないので、どこにいるんだろう?とおもっていたのだが、最初からTシャツの存在を知っていたら、迷うことは無かった。最初の鉢合わせの際に、お互いに客と提供者がわからない状態だったのだ。もしかして、あの人たちか?と思って、こちらから声をかけたらそうだった。なんだよー!そしたら、実は向こうも、申し込みをしたのは女性だと思っていたらしく、まさか男が声をかけてくるとは思わなかったので、どこに居るんだろうと探していたらしい。持っていた申し込み関連書類をみていたら、自分の名前の前に Ms.になっていて、「そりゃ、わからんですな」と大笑いをしてしまった。実はスカスカ・バリの人は、緑の蛙のTシャツを着ているので、それを着ているひとたちだという事前情報を教えてくれれば、迷うことは無かった。しかし、なんで蛙がマスコットになっているんだろう?と思って聞いてみたところ、蛙にインドネシアとしても、バリ島にも意味が無いと。日本語として「帰る」に掛けているとのこと。ん?それはどういうこと?とおもっていたところ、実はスカスカ・バリは、日本人しか相手に商売をしていないらしい。つまり、日本人観光客がまたバリ島に「帰ってきてほしい」という気持ちから、「蛙=帰る」と言葉を掛けているようだ。
そして、スカスカ・バリの社長は、実は日本人女性。したがって、日本人観光客をどのようにもてなそうかということをよく知っているようで、最初の挨拶のときに、社長自らのメッセージつきの手紙をもらった。高級ホテルでは、よくホテルマネージャからのメッセージが部屋に置かれていたりするが、あれと同じようなものである。そして、チャーターが終わったあとに、アンケートをとって、社員の品質向上に努めている徹底ぶりだ。それが社員に伝わっているのか、バリ島に関することはバリ島の人間に任せてくれと言わんばかりで、社員全員がバリ島の人たちばかり。そして、自由な時間があったら、自分たちでもバリ島の色々な場所にいって、情報を収集しているという勉強を常に怠らないということをしているようだ。たまたま、ある寺院にこちらからリクエストしたときに、あまり日本人観光客が行かないような寺院だったらしいこともあるが、その寺院のことを今回のガイドはあまりよく知らなかったようで、たまたまその寺院にいた僧侶にいろいろ話を聞いていたようだ。その間、自分たちは待っているしかなかった。何を言っているのかバリ語で話をしているからである。放置プレイの状態だったのだが、どうも本人にとってはとても勉強になったと言っていた。
ちなみに、今回のスカスカ・バリで頼んだ10時間を車でチャーターした場合なのだが、8500円でいける。しかし、これには、昼ごはん代とか、イベント参加代とか、各地の観光地で必要になってくる拝観料や、そのときに必要な駐車場料金というのは入っていない。その都度、インドネシアルピアを用意しておく必要はある。ガソリン代は不要なのだが、駐車場料金まで取られるとは知らなかった。だけど、だいたい1つの場所で5000ルピアなので、日本円で50円。安いといえば安い。ただ、現地に居ると、1万ルピアでも高いわーと思うようになるときがあるから、貨幣価値って慣れると怖いなと思った。
全般的にスカスカ・バリを使うのは絶対お勧め。移動するのに公共の交通機関がほとんど無いバリ島では便利だし、そしてリーズナブルな価格帯だと思っている。最高14時間メニュはあるようなのだが、いろいろそれは臨機応変に対応してくれそうである。もちろん、決まったメニュも事前に用意されているので、一度はスカスカ・バリのページを観て、自分のプランと合うかを確認し、なければ、現地で調整すればいいのではないかと思う。
最後に忘れていたが、この会社、車のチャーターを頼んだだけなのに、旅行傷害保険に自動加入される。それも含んだ価格というのが素晴らしい。つまり、万が一、チャーターで頼んで移動している間に事故に出会ったりした場合は、保険適用になってしまうということで、それなりの対応ができるという強い味方。こういう保険に自動的に入るようなところは数が少ないし、たいていの場合は、旅行者が各自入っている保険でしか事故適用ができないのが普通だからだ。
バリ島現地旅行会社 スカスカ・バリ
URL : http://www.suka2-bali.com/
0 件のコメント:
コメントを投稿