2015/08/04

父親と一緒にバリ島へ

 
毎年両親と1度は海外旅行にいくことにして、もうどのくらいの年月が経つのだろうか。昨年は何かに取り憑かれたようにいろいろな場所に行った気がする。でも、それは何かの暗示かのように、年末には母が死んだ。この事実があったからこそ、いつ次は父が死ぬかわからないということもあり、まだ動ける間に色々なところに行ったほうが良いと、さらに思うようになったことと、自分が知らないところで、母親の友達や親戚類に、いろいろ連れて行ってもらってありがたいということを言っていたことを後から知らされて、自分のやっていたことは間違ってなかったなとは思った。

同時に、毎年のように、マイレージの有効期限がやってくるため、この溜まっているマイレージのマイルを何に使うかはいつも悩むところである。悩むというのは、これまで親に「どこに行きたいか?」ということを聞くと、「どこでもいい」ということしか言わず、テレビで旅番組やら海外情報などを放映しているのを観ている機会はあるんだから、それでここに行きたいというのがあってもいいのに、それを言わないので、いつもイライラしていた。ただし、去年は初めて母から「台湾に行きたい」ということを言われて、台湾に行き、短期間でありながらも大変喜んでいたのを見た時には、この選択は良かったのだろうとは思ったが、その時には、他に行った事がない場所がいくらでもあるにもかかわらず、何度か行った事がある台湾に行きたいと思ったのだろうか?という不思議な気持ちではいたのだが、これは本人も気づいていないと思うが、自分の最期がわかっていたから、もう一度行きたいと思ったこともあって選んだのだろうと思う。

今回、片親が居なくなったことで、いつ体が思うように動かなくなって旅行を楽しめるのかわからなくなる前に、本人が行きたいところに行かせようと思ったから、母が亡くなったすぐとはいえ、マイレージの有効期限が2月末だったこともあり、父に「どこに行きたいのか?」と聞いたところ、意外にも「バリ島」という答えが返ってきたのだ。バリ島というとリゾート地として有名なところなので、リゾート地に行きたいという父親の選択に、一瞬「???」とは思ったのだが、よくよく聞いてみると、バリ島でジェゴグを生で聴きたいのだということから、バリ島を選んだようだ。

ジェゴグとは、竹だけでできた楽器で、ソプラノからベース、そしてもっとベースよりも低い音が出る楽器もあったりするものだ。打楽器としての竹楽器というのは、たくさんの人間で奏でて、あの蒸し暑いバリ島で聴いていると、ナチュラルにトランス状態に入ることができるのはよく知られている。どうやら、一度、東京のどこかでジェゴグの生演奏を聴いたときに、はじめてジェゴグというものの存在を知って、1枚だけジェゴグのCDを買ったようで、そのあと、ジェゴグのすばらしさを知り、もう一度、生演奏が聴ける機会があったら絶対聴いてみたいということを長年思っていたようなのだ。じゃ、その思いを叶えてやろうとおもい、ちょうどマイレージのポイントとしても、自分を含めて2人分はあったので、今年の渡航はバリ島にすることにしたのである。

今回のマイレージはJALのマイルで行くことにした。以前JALはバリ島への直行便はあったのだが、一度JAL全体が倒産したに等しい状態になったため、採算が取れない路線を全部廃止されてしまったため、バリ島路線もなくなってしまった。現在、バリ島への直行便はガルーダインドネシア航空が飛んでいるのだが、残念ながらガルーダインドネシア航空とJALはマイレージでは提携していない。そこでバリ島へ行くには、どうしても他の航空会社で行くしかなくなるのだが、JALが加盟しているワンワールドの航空会社だと、一番手っ取り早いのがキャセイパシフィック航空での路線。香港経由にはなるのだが、バリ島へ行くことは可能だ。だから、キャセイパシフィック航空で行くものと思ってJALへ連絡したところ、「香港ドラゴン航空になります」と言われてしまった。香港ドラゴン航空!?なんじゃ、そりゃ?と思っていたら、どうやら香港ドラゴン航空もワンワールドに属しており、キャセイパシフィック航空の子会社でもあり、キャセイパシフィック航空の中距離路線を香港ドラゴン航空のブランドに置き換えるように最近はおこなっている。そのため、コードシェアとして香港ドラゴン航空のフライトも、キャセイパシフィック航空名で運行をしているわけである。ただ、一度も利用したことが無い香港ドラゴン航空で行くこと自体は正直ためらった。機内サービスやフライトの正確性などについても、何の経験もないし、情報も無かったからである。結果から言うと、もう二度と香港ドラゴン航空なんか絶対利用したくないと思ったし、所詮、中国の航空会社だなという感じはしたわけである。

そして、いつ渡航するかということを決める必要があるのだが、2014年10月に異動してから、好きなスケジュールで渡航計画を立てることがまったくできない職場になってしまったため、長いスパンで考えたときに、いつなら渡航しても大丈夫「そう」かを判断せねばならなくなった。たとえ大丈夫だと思っていても、いろいろな勝手な障害が入ってきて、休みを取らせてくれないこともしばしば。そんな職場に居ながらにして、渡航計画を立てなければいけないとなると、本当に苦戦した。最初、考えたのは5月末から6月の第1週にかけての1週間を、早めの夏休みと称してとろうかと思っていたのだが、あろうことか、5月の最終日曜日にどうしても会社行事に出席、それも自分がリーダとなって先導しなければいけないということをさせられることになってしまった。この期間に渡航を計画していたとしても、このように会社都合で自分の予定は全部狂ってしまうし、会社優先主義のような職場なので、「都合が悪いので無理です」ということは絶対言えない職場であるため、最初に立てた予定は泣く泣くキャンセルをせねばならなくなった。幸いにも、JALのマイレージでフライト予約をした場合、同じ路線であれば延期することはペナルティなしで変更することができる。この制度を利用して、次にいけそうな日程を考えたときに、2015年の7月23日から27日という短期間での渡航だった。本当なら土日を2回使って9日間の渡航にしたいところだったのだが、マイルでいける場合には「枠」というのがあるため、残念ながら希望する日程は取れなかった。あえて、いける日程として考えたときにこの日程しかなかったというのが正直のところである。

次にどこに泊まるかということなのだが、リゾート地として有名なバリ島では、本当なら海岸沿いのところのホテルに泊まるのが一般的なのだろうとは思われる。しかし、今回の主の目的はジェゴグを聴きに行くというものであり、だいたいバリの伝統芸能を見る場合には、バリ島中部にあるリゾート地であるウブドと相場が決まっている。したがって、場所としてはウブド地域にホテルを取りたいということは最初から決まっていた。でも、ウブドには大小さまざまなホテルが存在するため、その中でどれにしたらいいのかは本当に困る。芸能舞台が存在するのがウブド王宮なので、ここに歩いていける範囲のホテルにしようということで考えたときに、どこのガイドブックを見たときでもそれなりにいい評価を得ていたのが、アラヤ・リゾート・ウブドというところであった。本当ならカップルで行くような場所だったと思われるが、別に親子でも家族連れでいくのもぜんぜんおかしくない場所である。ただし、ガイドブックでは、どれもこれもカップルでいくのがお勧めなんていうことを書かれていたりするのだが、実際に泊まってみると、結構家族連れの西洋人がたくさん泊まっていることがわかった。東洋人の宿泊は少なかったのである。

一度行った事があるバリ島ではあるが、そのときには海沿いに泊まっていたことがあるので、ウブドで生活をするということについてはどういうものか全く想像が付かなかった。それに初めて利用する航空会社でもあるのも不安であった。全体的には滞在中は楽しく遊べたとは思っている。

最後に言い忘れていたのだが、バリ島では一般的に公共交通機関が乏しいに等しい。しかし、観光するための拠点はバリ島全体に広がっているため、効率よく観光をするためにはどうしてもタクシーをチャーターするしかない。タクシーなんて、そんな簡単に街中を走っているかというとそうでもないし、ホテルにコンシェルジェがちゃんとあるのかどうかも謎である。そこで今回事前に予約をしていたのは、滞在期間中に自由に動き回ることができるよう、バリ島の観光旅行会社に、毎日10時間の車とガイドのチャーターを行った。スカスカ・バリというなめたような名前のバリの観光会社にお願いして予約をしていたが、これがまたかなり好評で、絶対バリ島観光をする場合には必要なアイテムだとは思った。これについては別途記載したいと思っている。

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