2015/08/05

香港ドラゴン航空

キャセイパシフィック航空の完全子会社である香港ドラゴン航空は、キャセイパシフィック航空が作ったLCCの航空会社ではない。もともと、全然関係ない資本で始まり、香港ベースの路線を持っていた会社なのだが、中国国際航空の資本とキャセイパシフィック航空の資本が入ってきてからなんとなくキナ臭くなる。最終的にはキャセイパシフィックの資本に統一されることになり、キャセイにとっては中国路線を手に入ることができて、一挙に片付いてしまった。

マイレージプログラムも、キャセイパシフィックが行っているアジアマイルに参加しているので、キャセイパシフィックのメンバであれば、キャセイに乗っても香港ドラゴン航空に乗ってもマイルがつく。また、キャセイの子会社になったからといっても、いちおう別会社なので、ワンワールドのアライアンスに加盟していることになる。したがって、ワンワールドのマイレージプログラムに参加している人であれば、香港ドラゴン航空に乗ってもマイルが溜まる。自分もJALのマイレージバンクのメンバでもあるので、マイル交換として香港ドラゴン航空の路線と替えることができた。

就航都市は、キャセイパシフィック航空とかぶるところが結構多いのだが、中距離路線に関しては香港ドラゴン航空の冠で香港ドラゴン航空の機材で運航しているが、少し遠いところやドル箱路線のようなところは、キャセイパシフィックの機材で飛ぶがコードシェアの形になる。したがって、例えば、香港=台中間のような路線は香港ドラゴン航空で飛ぶのだが、ヨーロッパ路線になると、それはもうキャセイパシフィックの機材になるというものだ。

香港ドラゴン航空は、いちおう羽田からも出発路線を持っている。しかし、発着枠としては、あまりにも旅行者にとってはよろしくないような時間帯に確保している。夜中の1時45分に香港向けに出発する便があるのだ。会社帰りにそのまま羽田に行って、夜中のフライトで寝ていて、その間に早朝に香港に到着して、遊ぶというようなことは可能である。また、羽田到着便については、香港を夕方の5時55分に出発し、羽田に23時15分に到着する予定のフライトが組まれている。この路線のこのスケジュールで行くと、1泊2日の香港旅行というのが堪能でき、可能な限り、めいいっぱい香港で遊べるということができる。体力があればという条件付ではある。ただ、ここで注意したい点が1つある。シンガポール航空は出発時間がかなり正確であることで有名な航空会社であるが、これとは全く正反対だと考えたほうがいい。遅延は当たり前。飛ぶのかどうかさえもぎりぎりにならないとわからないという、もうミステリ満載の航空会社だからである。行きは羽田から出発する際に、いくら遅くなっても、そりゃ、香港に到着するときには人間が活動できる時間帯に徐々になるだけなので、むしろありがたいかもしれない。しかし、悪いのは帰国便である。予定としても23時15分に到着だから、ちょっとでも遅れると、空港から家に帰ることができなくなるという危険性があるのである。この危険性にどっぷりつかまってしまったときには、空港で避難民のように一晩暮らさねばならないということに陥るわけである。

この危険性はなんとなく考えていたのだが、まさかそんなに遅れないだろうと、よくも知らない航空会社で予約した。これがあまりにも想像以上の結果になったので、がっかりした。何しろ、日本から出発する場合もそうだが、帰国便についても1時間以上遅延に陥った。出発予定時間が遅れたというだけじゃなく、実際に空港の滑走路から飛び立ったのは、さらにそれから40分も遅延してからなので、もうこれだけでほぼ2時間の遅れである。もちろん、羽田に到着したときには、すっかり日が変わってしまったし、荷物がターンテーブルから出てきたときには、もうすでに時計は夜中の1時近くになっていた。これでは、都内に戻ることもできない。公共交通機関がすべて終わってしまっているからだ。だから、香港ドラゴン航空を利用して帰国する場合には、ぜひマイカーで空港に来ることをお勧めしたい。なにしろ、ほとんど定時に到着することもないし、当地を出発することもない航空会社であるからだ。

また、羽田出発に関しても、夜中の1時45分というのは、ほとんど羽田の最終便に近い。空港ターミナルでは、夜中に工事を始めてしまうような時間帯でもある。そんな時間帯に出発する飛行機の乗るためには、羽田までももちろん京急線やリムジンバスでは行くことが可能だ。ただし、遅い時間になればなるほど、一般的な電車だと酔っ払いの連中たちと一緒になるため、そこにトランクを持って乗り込んできた場合は、本当にトランクを持っている人間が邪魔扱いされることになるだろう。会社帰りに気軽に行けるという反面、空港までの移動が面倒くさいという悪い面はある。

発着の遅れについては前に述べたとおりだが、サービスはどうなっているのかについて言及したい。夜中の路線で移動する羽田発の便は、機材が3-3シートになっているため、狭苦しく見える。
こんな遅い時間に移動をしようと考えているひとは少ないからということなのかもしれない。が、平日の便で行った割には、9割くらいの人が乗っているような便だった。幸いにも自分の隣は空いていたので、3人がけのところを2人で座ることはできたのだが、これはこれでよかった。というのも、前の人が椅子を下げるを、後ろに居る人間にとってはほとんどプレスされているのと同じくらいでとても狭い。昔ながらの機材というものを使っているために、足元がめちゃくちゃ狭いのだ。そして、座席の背中を利用した個人画面というものは、羽田発着便には搭載されていない。単なるトレーが椅子に刺さっているだけである。おそらく、飛行機に乗っている間は寝ていろという暗示なのだろう。ところが、香港からバリのデンパサールに行く便については、3-4-3の大型機材を使っており、さらにパーソナルディスプレイもちゃんとついているし、足元も比較的広い(といっても、狭いと思うが)。
機内サービスとしてまず目に付くところで言うと、ご飯のことがある。羽田発着便、および香港からデンパサール間の4路線において、どこも2種類のメインメニュから選ぶことができる。しかし、これは客室乗務員の乗客に対するサービスの態度の違いだろうとおもわれるのだが、いちおう乗客用に配るメニュリストは存在する。行きの羽田から香港までの路線は、乗務員が持っていた使い古しのメニュリストを一時期乗客に見せて「どちらがいいですか?」というような聞き方をしていた。帰りの便は、事前に乗客にリストを配っているため特に配膳するときには特に問題なかった。あと、なぜか絶対どの時間に乗ってもアイスクリームが出てくる。それもがちがちに凍ったアイスだ。夏ならいいが、これが冬だった場合も似たようなメニュなのだろうか?!ハーゲンダッツだったからまだ許す。

■羽田→香港


■香港→デンパサール
■デンパサール→香港

 
■香港→羽田

そして、どの路線もそうなのだが、まずブランケットが各席に事前に用意されていないので注意である。機内は比較的寒いので、ブランケットをかけていたいひとは多いと思うが、事前に用意はされていないので、客室乗務員に「くれ」といわないといけない。が、香港ベースの航空会社だから、乗客の多くは中国人。モラルも減った暮れもないようなひとたちがたくさん乗っているので、客室乗務員に頼まず、直接ブランケット保管庫から勝手に大量にもっていくやつもいれば、客室乗務員もアホなのか、数枚だけ持って通路を歩いてすぐ両脇から乗客が奪うようにブランケットを取られると、そのまままた戻って、新しくブランケットを持ってくるようなことをすればいいのに、面倒くさいという顔をしながら、取りに行くようなことは極力避けようとする。だから、乗客がなおさら自分勝手に扱おうとするし、もっとひどいのは、全員分の用意がもともとあるのかと思ったらそうでもないようである。どういう航空会社なんだろうか、これは。

発着のところで1つ書くのを忘れたことがある。羽田から香港で乗り換えてデンパサールに行く際に、ただでさえ乗り換え時間が7時間くらいあって、早朝に到着してもなにもすることがないから、仕方ないので香港の空港内でぽかーんとしているしかなかった。早く次の便に乗ることだけが唯一ガマンできるところのことだったのだが、なんと乗り換えるあとの飛行機について、いつまで経っても、どこの搭乗ゲートになるのか発表が無い。遅くても出発1時間くらい前になったら、搭乗ゲートの案内は出てきてもおかしくないのだが、それでもでない。ところが空港の案内の人に聞いてみたところ、香港ドラゴン航空は結構頻繁にどこのゲートから出発するのか決まらないんだそうだ。というのも、香港自体がもうすでに発着枠がぎりぎりくらい満杯になっているため、キャセイのようなナショナルフラッグは別にしても、同じ香港ベースの航空会社である香港ドラゴン航空と香港エキスプレスは、他の航空会社にゲートの優先枠を与えざるを得ないことになっているようで、そのためにぎりぎりになっても決まらないし、出発時間も定時にはまず出発しないんだそうだ。結局本来の出発時間の30分前にゲート情報がいきなり発表されて、搭乗ゲート前に移動するのだが、出発時間はこのときには1時間遅れた。デンパサールの空港でホテルの出迎えが来ていることは知っているので、その人たちを結果的に待たせることになったわけだが、自分たちが悪いわけじゃなく、航空会社のせいで遅れたんだから、怒るんだったら航空会社に文句を言ってくれと思った。

しかし、香港でいつまで経っても搭乗ゲートが決まらないというときに、気になったのは、もしかしたら乗るべき飛行機が香港に来てないのではないか?ということをまずは考えてしまった。機材がなければ飛ぶことはできない。そこでちょっとニュースサイトをみていたところ、なんと前日は、パリ島の隣の島であるジャワ島の火山が大噴火したことと、風向きが運悪くバリ島方向に吹いてしまったため、一時期デンパサールの空港は発着ができない空港閉鎖状態になったということだ。もしかして、それがいまだに続いているのかと思ったのだが、デンパサールの航空サイトを見ると、どうやらデンパサールは普通に発着はできているらしい。デンパサールから世界各地に路線は出ているので、結構飛行機の発着量は実は多い。事前情報でデンパサールが死んでいるわけじゃないことがわかったので、単なる香港ドラゴン航空の怠慢かというのは後でわかったことだ。

時間に正確ではなく、サービスもそうでもない航空会社は安心感が無い。もう二度とたぶんこの香港ドラゴン航空は乗らないと思うのだが、それでも10年くらい前に乗った、中国当方航空よりは数倍も機材もサービスもまだ良いと思っている。自分の中でいままでで一番最悪な航空会社は上海に行くときに乗った、この中国東方航空だと今でも思っている。安くても絶対乗らない。そういえば、香港ドラゴン航空で、たぶん荷物が無くなるかもしれないと思ったのだが、意外にそれは普通だった。たぶん扱われ方は、放り投げられるような扱いをするんだろうから、それは仕方ない。所詮、香港の空港を通ったことが運のつきだからだ。
そういえば、帰国便のとき、香港の空港で待っているとき、相変わらず、いつまで経っても搭乗ゲートが決まらなかったのだが、遅延が決まって、本来の出発時間になったときに、ようやくゲートが決まったため、そちらに移動して搭乗時間を待っていた。そうしたら、中国人の10人くらいの客が、ゲートの係員に向かってなにか文句を言い始めていた。どうも香港ドラゴン航空の同じ便で羽田に到着するのだが、その後、交通機関が無い時間に到着した場合、どうしたらいいんだ?ということをケチつけているらしい。そんなの空港係員に言っても仕方なく、本来なら香港ドラゴン航空の社員を捕まえて怒鳴り散らせばいいのだが、彼らは声を大きく出して文句を言えば、自分の主張は何でも通ると思っている人たちみたいで、周りにもギャーギャー言っていることがまる聞こえの大騒ぎをしていた。最終的には、乗客予定の1人が、係員に殴りかかろうとしたため、他の人に羽交い絞めされて制止されていたが、どうも腹の虫が収まらないらしく、いつまでも文句を言っていた。あぁいう醜い態度のひとを見ているとイライラする。

香港ドラゴン航空
URL : http://www.dragonair.com/ka/ja_JP.html

0 件のコメント: