2007/05/25

マルタのメーデー

日本ではメーデーだと、なんだか労働組合の貧乏人が半分共産的な匂いをしながら集まって、わーわー騒いでいる嫌なものというイメージがあり、実際に、日比谷公園で互いの傷を舐めあって、自分達の生活改善のためには常に闘争だ!という意味不明なことを言っていたりするし、昔と違って、大規模なパレードのような自己主張をする場所でもなくなってきている。ところが、一般的に世界では、5月1日はだいたい休日で、このメーデーは大規模な祭りになっていたりする。共産国の場合はどうなのか知らないが、ヨーロッパではこの日だけはほとんどの交通機関は動かず、イベントにいって騒ごうというようなノリがある。

マルタのメーデーについて、出発前は全く頭の中になかったが、たぶん交通機関がお休みになるだろう程度のものしか考えていなかった。ところが実際には全然違った。唯一の交通機関であるバスはちゃんと動いていたのはびっくりなのだが、それよりも、昼間からヴァレッタの街中は、なぜか赤を貴重とした垂れ幕や旗などが、店や通りに数多く飾っていた。これを見たときに、「祭り?」と思ったのは言うまでも無い。

極めつけは、昼間から準備を行って、夜の日暮れ頃から始まった野外コンサートだろう。

たぶんヨーロッパまたはマルタではとても有名な人たちが引っ切り無しに数十組出演して、ヴァレッタの一番目抜き広場のところに仮説で作られたステージで演奏していた。ちなみに、このコンサートを見るのはなんと無料。どこかで入場制限をするためのチェックを行っているわけでもなんでもない。見たい人は見てくれーといわんばかりだ。そのためか、このコンサートを見るために、マルタ中から人が集まってきたみたいで、ヴァレッタのこの広場には、ぎゅ-ぎゅ-詰めで人がいっぱい居た。たぶん昼間のうちから前のほうを陣取っている人も居ることだと思う。こう言う人は、トイレに行きたくなった場合にはどうするのだろうか?謎だ。

マルタの歌手がマルタ語で歌っている場合には、もう観客も含めて大合唱。なんだかヨーロッパらしいな-と思った。このコンサートは、なんと18時ごろから、その後夜中の1時くらいまで続いていた。ホテルがちょうどバスターミナルのすぐ傍にあったため、その広場もバスターミナルをはさんでホテルの逆がわにあるから、コンサート会場の音楽が全部聞こえてくるのだ。窓なんか開けていたら、完璧に観客の声まで聞こえてくる。

しかし疑問だったのは、この会場に集まってきた人たち、どうやって帰るんだろう?バスはさすがに深夜運転はしていないのになー。マルタ人の不眠さをここで知った気がする。さらに、やっぱりヨーロッパ人は文化・芸術に対して元来寛容的で、よく文化を知っている人たちなのだと思う。マルタもそのヨーロッパの構成国の一つだとよくわかるイベントだった。

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