2007/10/24

日本人の安・近・短旅行先

日本人が「安・近・短」として行く旅行地としての場所がどんどん変わってきているようなきがする。まだまだ詰まらないのに続いている韓流ドラマのせいで、結婚に行きそびれた妄想驀進中の30歳過ぎた女性と、結婚したのだが、結婚生活にばら色の生活を見出せなかった主婦層に人気なのが韓国である。その韓国への旅行者増加は今に始まったわけじゃないが、その中でやっぱり近いところへの旅行地として、再度台湾への旅行が注目を浴びているようだ。

トラベルビジョンニュースの記事によると、日本から近いところで親日的な国として知られている台湾への日本人観光客の数は、9月だけで例年の0.7%減だが、2007年度を通してみると、昨年よりも約2%の増加になっており、台湾を訪れる全外国人のなんと32%が日本人であるという状態らしい。台湾観光教会によると、2007年全体として270万人ほどの日本人が訪れるという計算を想定している。この数は結構多いと思う。台湾行きの飛行機は、東京・大阪はもちろんのこと、現在では札幌・仙台・福岡・名古屋というところからも飛んでいる。こういう地方都市からの訪問もあるのだと思われる。

台湾のドラマがいまBS各局で放映されるようになり、台湾に対して芸能面から密かに注目を浴びているというのも原因の1つなのだろう。といっても、まだまだ韓流俳優・歌手に比べると大して知名度もない。飛輪海のアーロンが名古屋の町を紹介するというのを「C-POPチャイナ」で放映されていたが、名古屋の女子高生に道を聞いたときに、知られていなくて、通訳の人に「台湾のアイドルなんですよ」と言われて初めて「えーっ!かわいい!!!」という反応があったのは、その顕著な表れだろう。顔では全然負けている韓国のリュ・シオンのほうが知られているのが解せない。

近場の旅行先として、やはり人気が高くなっているのは、ANAの後押しなのかもしれないが、やっぱり中国なのだろう。しかし、所詮、中国。1度行った人なら2度行きたいと思った人は実は、ビジネスマン以外に聞いた事がない。歴史的価値の遺産がたくさんある国なので、それを観に行く人は多いのだろう。しかし、1度見ればその文化的価値を知ることはできても、そのあとの感動がない。さらに住んでいる人間のモラルがないから嫌気が差すのだろうと思う。

東南アジアの中でもひときわ、その日本人観光客から魅力のない場所として思われているところがシンガポールだろう。シンガポールは何もない場所なので、現在、香港を真似して金融都市を目指しているのだが、観光するべき場所がないために、そのリピーターを確保できず結局、1度行けば別にもういいやという場所になってしまっているのだろう。中国系の人間にとっては、中国語が通じる場所なので、中華文化の延長にある国として訪問する目的がある人はいるのだろうと思うが、特に中華文化的な要素も、無理やり削除して、人工的建物ばかりを建てて「近代的」と言っている幼稚な文化至高の国には、金銭より精神的なものに魅力を感じている日本人には、どうでもいい場所に映るのだろうと思う。それを表すように、シンガポール政府観光局が発表している日本人観光客の数が、8月だけでも例年の7.4%減の5.8万人だそうだ。たったの6万人しか行っていないのである。そして通年では3.5%減の見込みだそうで、他のアジア諸国に比べると断然その訪問者数は少ない。ちなみに、台湾の場合は1ヶ月に12万人を下ることはまずない。

シンガポールに魅力を感じない理由は実は観光物産がないというだけではない。シンガポールドルが異様にここ1,2年のうち高くなっているのだ。現在約1シンガポールドルで80円。この間まで65円だったことを考えると、この高さは異状だ。値段が安く、観光客にとって過ごしやすいという利点が昔はあったのだが、現在ではその恩恵を日本人は得ることができないため、たとえ、免税で安い!と謳っても、実質の価格はシンガポールで買うより日本で買うのと変わらない場合があったり、もっと近い香港で買ったほうが安い場合がかなり多い。シンガポールは単なる中継地点で、シンガポールで滞在して金を落とす場所ではなくなったといえるだろう。

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