2008/03/29

クマ牧場(登別)

登別グランドホテルから、徒歩で5分くらい坂道を上ると、クマ牧場に行くためのゴンドラ乗り場・・・ではなく、ゴンドラ乗場へ行くためのリフト乗場がある。もちろん、併走している道を歩いて上ることも可能であるが、結構この道が坂道になっているために、どうせならリフトに乗るというのも乙なものだ。スキー場ではないのに、リフトを乗るというのはなんだか不思議なのだが、やる気の無さそうなおっさんがいるブースで往復のリフト券300円を払うと、面倒くさそうにリフトへ乗せてくれる。この日は、雨は降っていないのだが、少し寒かったため、外の空気をそのまま触れるリフトはちょっと寒い。リフトを下りる時にも係員のおじさんは居らず、ブースの中でなにやら新聞でも読んでいるものだった。これ、スキー場だったら、危ないからと必ず係員がいるはずなのに、結構ルーズなものだと諦める。リフトはのんびりと1人乗りではあるが、それほど地上から高いところを走っているわけではないので、高所恐怖症の人でもたぶんあの程度の高さなら問題ないだろうと思う。

リフトを下りると、閑古鳥が鳴いているくらい広々とした駐車場に出てくる。ここはゴンドラ乗場の入り口になっているところだ。たぶん、団体客などのバスが泊まるように出来ているのだと思う。しかし、その乗り場のお土産屋といえども、ほとんど客が居ないのがちょっと気になる。
もしかして目的地のクマ牧場は閉鎖しているのか?と勘ぐってしまう。しかしゴンドラ乗り場にいくと、ちゃんと運営しているということは書いている。ちなみに、ゴンドラ乗り場で買うゴンドラチケットは、クマ牧場の入場券も兼ねている。というのも、クマ牧場へは車では行くことが出来ず、かならず入場客はこのゴンドラを使わないといけないのである。従って、入場券を兼用したチケットを売ることで問題ないのだ。それにしても、このゴンドラ、スキー場のゴンドラと同じシステムになっているので、スキー場に馴れている人は、スキーやスノボを履いていないことがとても違和感を感じるかもしれないが、ちゃんと整備しているゴンドラなので安心して乗れる。そして、山頂にあるクマ牧場のある場所まで、だいたい5分くらいなのだが、その景色が絶景なので是非堪能して欲しい。登別の街がだんだん小さくなっていき、それも狭い範囲でぐちゃぐちゃーと建物が立っているのを、遠目で見ていると、なんと人間はちっぽけなところで生活しているんだろうと感慨深くなる。ゴンドラもほとんど待つことなく、自分専用のブースとして乗り込むことは、なんとなく優越感のような気がする。スキー場では、さすがにこんな贅沢な乗り方は出来ない。ゴンドラを降りると、そこはすぐにクマ牧場だ。思ったよりもクマ牧場というのは小さい。動物園くらいの大きさのところに、クマがわんさか飼われているものかと勝手に想像していたのだが、実際にはそうでもない。だけど、クマをこれだけたくさん同時に今までは見ることが無かったので、やっぱり来ただけの甲斐はあったとおもう。子供のクマばかりが集まっているブースと大人の大きなクマがいるブースと、大きく2つに分かれている。どちらも、クマと同じ目線で見るという、普通の動物園のような見かたではなく、上から覗き込むようにクマを見るという方式である。安全面を考えれば、これが一番安全な見かたなのだと思うが、ちょっとクマとの間が遠く感じる。それでも、クマのほうももう慣れっこのようで、餌をくれる人間に対して、上を向いて「えさ、頂戴」という仕草をするのは可愛い。それも、誰が教えたのか知らないが、「餌をこっちにくださーい」と、まるで大勢居る場所で店員を呼ぶように、クマも自己アピールする姿は愛らしい。

小さいクマのいるほうがたくさん居るので、是非そこでのんびりとクマを眺めるのが良いと思う。大きなクマのほうは、なんとなく怖い。もちろん人間との距離はとても離れているので、直接襲われるということはまず無いのだが、それでも遠いのにその大きさに圧倒感を感じる。しかし、屋外でこれだけでのクマを見れるのは絶対ここだけだと思う。餌もクマブースのすぐ傍で100円で売られているので、是非買ってみて、それをクマにあげて欲しい。

他に見せ物としては、アヒルのレースというのが見られる。一人200円の掛け金をかけると、馬券ならぬ「アヒル券」が買えて、買ったアヒル券を持っている人はあとで商品をくれるというもの。このアヒルのレースは、本当に一瞬のうちに終わってしまうので、瞬きしていると終わってしまうものだ。そして、このレースに使われるアヒル、飼育係りのおじさんにとても懐いているため、おじさんの言う事はなんでも聞く。例えば、観光客がアヒルの写真を撮りたいな-と思っているところ、アヒルは止まってくれないのでイライラしていると「こらっ、アヒルたち!お客さんのために止まりなさい」というと、本当に微動だにせず止まる。鳥のくせに、そんな芸達者なのにはまいった。

その他、クマ牧場の名前のとおり、クマに関するあらゆる情報を展示している博物館が並列で並んでいる。こちらは見るのは無料。ただ、クマの生態に本当に興味が無いひとは、それを見てもちっとも面白くないと思う。クマといっても、ここに居るのはツキノワグマなのだが、他のクマの種類についても結構詳しく書かれているので、興味がある人はここを覗くといい。できれば、ここの解説をしている内容を本にして欲しかったと思う。それがあれば絶対買いたかったのだが、そこまでの予算を持ち合わせていないのか、無いのだ。これは残念。

そして、「アイヌコタン」と呼ばれるアイヌ民族の昔の家をそのまま展示しているところが一番端にある。北海道といえば、やはりアイヌとは切っても切れない関係になっているのは常識だが、でも冬の間にここに来てしまったので、展示しているアイヌの家の中は見られないし、道は泥道でぐちゃぐちゃだったし、なんだかお粗末な気がした。

そういえば、レストランの屋上から見るクッタラ湖の様子は、なんとも神秘的な気がした。というのも、冬だからなのだろうが、湖一面が凍っていて、スケート靴でも持っていたらそこを滑ってみたいと思ったほどだ。夏になると、周りの緑が湖に映えてとても綺麗な湖なのだろうなということが想像できる。

長居しても3時間も居れば十分すぎるほどのこのクマ牧場だが、いやはや、やっぱりここに来て本当に良かったと思う。帰りはゴンドラとリフトを使って下界に下りた。

のぼりべつ クマ牧場 http://www.bearpark.jp
営業時間 4/21~5/31 7:30am - 18:00
6/1~8/31 7:30am - 18:30
9/1~10/20 7:30am - 18:00
10/21- 4/20 8:30am - 16:30
入園券 2,520円(ロープウェイ運賃含む)

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