2010/03/09

台北の忍者レストラン


芸能人が副業で飲食店を開業するというのは、日本では同じみなことだが、台湾でもどうやら同じのようである。日本人と台湾人のハーフであるmakiyoは、現在台湾で活躍している日系タレントである。よく芸能番組などにも出演しており、娯楽番組を台湾でみたことがある人であれば、必ず1度は滞在中に顔を見るだろうタレントであるが、そのmakiyoも副業で飲食店を開業した。
開業したのが、本人の半分アイデンティティを持っている日本をモチーフとしたものからの発想なのだろうと思うのだが、その名は「火爆台北」で、忍者をテーマにしたレストランである。名前も名前だが、なかなか斬新なコンセプトのレストランを作りやがったと他人ながらほめてあげたくなった。赤坂にある「NINJA AKASAKA」とほぼ同じだ。というか、パクリだろう。開業には1500万台湾元の費用がかかり、月額400万元の売上を目標としている模様。しかし、こんなのに1500万台湾元かけたのか?という仕掛けが笑える。実際にこのレストランにまだ行ったことがないのでわからないが、報道全般から察するところによると、忍者の屋敷の様子を再現し、店員の服装は全員忍者。手裏剣はもつは、短剣は持つわという格好をしているので、日本大好き台湾人にからすると、やんややんやの喝采があることなのだろう。しかし、月額400万元を目標としているとくのは、すごい金額だと思う。内部の仕掛けとしては、入り口が滝になっていて、そのまま進んだのでは、全員がずぶぬれじゃないかーと思われるところ、客が傍を通ると、その滝が真っ二つに分かれて、店内に入れるという仕掛けになっている。これは、東京では結構な店舗をもつ青龍門の入り口の感じと似ている。青龍門の場合は、扉を開けるときに、「青」「龍」「門」のボタンを押さないと中に入れないという仕掛けになっているが、入り口から仕掛けを作っているのはまるで同じだ。
それからメニュが、普通の下敷きみたいなものやノートタイプのものになっているのではなく、巻物になっている。巻物に秘伝の忍法が書かれているような様式になっているのも面白い。さらにその巻物は、客が注文をすると、その場で店員が焼き払ってしまうという演出にもなっている。秘伝の文書は持ち去られないようにするというのが忍者のおきてなので、それに倣った演出なのだろう。
肝心の料理はどうなのかというと、これがいたって普通の中華料理である。全然和食ではない。それも忍者のような精進料理でもない。なんでここまで外見的なところを忍者にしたのに、食べ物本体は忍者にしなかったのかは、見た目重視の台湾人らしさなのだろうと感じた。所詮、日本人の食べている素食を提供したところで、満腹=満足と考えている一般台湾人には馴染みを得ないだろう。単なるスモールアミューズメントパークとしての魅力はあるが、それ以外のものはないということになりかねないからだろう。実益から考えれば、普段自分たちが食している料理を提供することで、目からも胃からも満足してもらおうという意図が表れている。

忍者レストラン
住所:台北市松山區市民大道四段129號

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