2012/01/17

弁護士放送(Podcast)

インターネットの使い方というのは、年々発展していって、使用者によってインターネットとはどういうものかというのは違っているのではないだろうか?生活基盤になっている場合もあるし、商業基盤になっていることもあるし、学習基盤になっているかもしれない。利用途に千差万別、取捨選択が出てきているということはとてもいいことだと思う。随分昔に、まだブログと呼ばれるより、単純に詰まんない個人サイトが乱立していたときに、自分も個人サイトとして、そのときに感じたことなどを記載していたのが、その中で偉そうにも、ネットに関して書いていた記事を再発見した。もうこのサイトは全然使ってないのだが・・・。

そこでも言及していたのだが、ネットの一番いい所は、情報の集積箱として利用できるところだろう。ウソかホントか情報提供者の能力次第ではなく、情報取得者の能力次第であることは言うまでも無いのだが、一度アップロードされた情報は、サービス提供者が破産宣告を受けてサービス停止をしない限りにおいては、ネット上に永久に蓄積される。検索して引っ掛かかるか、引っ掛からないかも、検索をしている人の能力次第だが、それでも情報が削除されることはない。つまり、容易にアクセスできる膨大な量の情報集積装置がインターネットであるという利用方法はこれからもずっと変わらないだろう。

前書きが長くなったのだが、ポッドキャストの「弁護士放送」は誰もが気になっている法律全般のことや、弁護士って一体なにをしているひとなのか、気になる事件や犯罪に関して本当のところはどうなっているか、裁判ってなんなのかなー?と、普通に生活しているとあまり気にしないが、いざとなったときには絶対お世話になってしまうだろうという、一般市民にとっては結構未知の部分だと思われるところを、誰もがやらなかった方法で解りやすく番組提供しているポッドキャストである。番組の企画をしたのは、トリカゴ放送のヤマモトさん。この人の脳みそ、企画だらけでどうなっているんだろうと、頭の中を見てみたいと思う。そして、何と言っても、この番組では弁護士のヨシカワさんがメインだ。この方抜きでは法曹界および一般市民と法との間を取り持つ翻訳家は居ないと思っている。

冒頭のインターネットアーカイブ論というのと、この弁護士放送の役割というのは、非常に大きく関わっていると思っている。日本に住んでいて、日本政府が転覆されたり、他国に侵略されて、あるときから他国の法律が適用とならない限りにおいては、現憲法・法律が日本国民には適用されることになる。日本に住んでいるのであれば、これが絶対的規範になって行動しなければならないことになる。ただし、法律とは言っても、新しい解釈が有効になったり、新しい法律が成立されたりしているのは当然なのだが、それを一般市民が常にウォッチできているかというと、そんなのは無理だ。そして、百科事典のように分厚い量になるすべての法律を一般市民が全部把握するのも無理だ。だから弁護士や検事や裁判官が居るのである。しかし、弁護士や検事や裁判官というのは、一般市民にとっては知り合いが居ない限りにおいて、取っ付きにくい人たちの分類に入るものだと思う。情報の膨大さと、従事している人たちへの接近の敷居の高さを、一気に身近にしてくれている役割がこの弁護士放送の役割なのだと思っている。

ヨシカワさんの言葉を通して語られる法律に関する話は、現在の法曹界で解釈されれいる法律の話題から、法曹界の裏話まで幅広い。もっとも、これは一般市民目線で「これって、どうなの?」というのを根掘り葉掘りと聞いているヤマモトさんの役割が大きいところだとは思うが。そして、ポッドキャストにしてアーカイブ化するということは、それがいつ聞いても内容が通用するものであることになるわけだし、文字で見るよりは大量の情報量を音声には含まれているので、聞いているだけで勉強になる。ヤマモトさんがすごいなとおもったのは、この情報を参考書のようにできるネタを見つけてきて、それをエンターテイメント性に換えてしまったところだろう。もちろん、お二人のパーソナリティとしての可笑しさが番組を盛り上げているところの1つであるのは言うまでも無い。

ヨシカワさんは、ヤマモトさんの過激な質問に対して、実は結構淡々と説明をしているし、考え方に全くブレが無い。弁護士という人たちは、すべての起こっている事象を冷静に分析して、それが法律に則ったときに、どう解釈すればいいのだろうかというのを常に考えている人たちなんだろうなというのはとてもよくわかった。まったく心情や思想というのを、解釈の中に入れることをしてはいけない人たちなのだということ。だから、そう考えると、最近一般市民が法廷に参加する裁判員制度は、どうしても一般人の心情が入ってしまうような気がして、本当に法を裁くということが出来るのかどうかが、この弁護士放送を聴けば聞くほど怪しいものだというように個人的は思うようになってきた。

ヤマモトさんの下劣な質問には、賛否両論があるとは思うのだが、実は誰もが思っている弁護士に関すること、法律に関することを、代理として法曹界にいるヨシカワさんに鋭い質問をしているのではないだろうか。下劣と思ったのは、「弁護士って儲けているんでしょ?」という金に絡んだことで聞いていることだ。これが悪いと言っているわけじゃない。むしろ聞いて欲しいところの1つの話題である。しかし、ヨシカワさんはズバリいくらですというような断定はしない。一般的解釈的なことを返答する。煽られてもそれに答えない。そのやり取りが楽しいのだが、ヤマモトさんのツッコミが過激になってくるところが結構下劣や下品になっていくところも聞いていて面白い。そこまで言わなくてもいいんじゃない?とおもわれるところを、もっと踏み込んで聞いてくれるところがいい。

たぶん、これからはいろいろな判例をネタにして、こうなったらどうなるか?という点が増えてくるのではないかと思う。判例というのは、人間が生活、いや、動いているのあれば様々な事象が出てくるわけで、それについて法律的解釈をいろいろ照らし合わせることができる。この番組、エンドレスでネタは転がっていることになるのだが、どこまでそのネタをオールジャンルで提供できるのか、今後に期待したい。すごく知識になる番組の1つだ。

弁護士放送
http://bengoshihoso.com/

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