2012/01/17

ヴォイニッチの科学書(Podcast)

ポッドキャストのヴォイニッチの科学書は、難しいなと思うような科学分野を解説してくれる科学バラエティ番組である。毎週更新されているし、1回あたりの内容の時間が8分以内という短いものであるので、「科学と聞いたら、俺、文系だから、だんだん嫌気がさしてくる」という人でも、さすがに8分くらいだったら聞いていられる範囲だと思う。内容としては、科学全般なので、化学・宇宙・医療・生物などなど特定の分野ばかりを取り上げているということは無い。毎回、その幅広い分野のなかから1個だけ話題を取り上げて、その内容を説明するというスタイルである。

このときに説明をするのが科学技術コミュニケーターの「オビオ」こと中西貴之さんとアシスタントBJさん。BJさんってどこを見ても名前が載っていないので、結局誰なんだろう?といまだにわからないのが悔しい。さて、ここでメインで説明するのはオビオさんなのだが、この人がとうとうと解説をしていく内容に対して、「これって、こういうものだよね?」と素人目線で相打ちを入れてくれるのがBJさん。だから、2人の言葉の掛け合いで説明内容についてを解説されるというものである。

取り上げられる内容は幅広いのだが、これがまた奥が深いものばかり。薄っぺらな、ちょっと物知りなひとなら知っている内容をしゃべっているというものではない。最先端科学をここでは取り上げられているから、昔研究した内容を発表しているというのではないことだけが注意だ。やっぱり最先端の内容が聞けるというのはワクワクする。そして、それを説明しているオビオさんはすげえ学者さんなのかなーとおもったら、実は専門は有機化学の専門家。だけど、個人的には結構宇宙と医療のことについて取り上げていることが多いんじゃないのかな?という感じがするので、そういう意味ではぜんぜん専門的分野じゃない。しかしながら、オビオさんから語られる内容を聞いているうちに、自然としゃべっている内容が「解った気になる」というところが不思議だ。聞き終わったあと、いったい内容はなんだったのかと自問すると、正直、全然頭に残っていない。たぶん、興味が無い範囲だったからかもしれない。が、聞いている間は、「それで?それで?」とのめり込むような感覚に陥る。あのしゃべり方は洗脳なのか?いや、たぶん途中でBJさんが入れる相打ちによって、自分と同じ目線でわかり難いようなところを補ってくれているのが、ハッと内容に関して意識を戻してくれているのだと錯覚しているだけだと思う。

別のポッドキャストの番組「中学生さくらのインターネットらじお『さくらじお』」との共同公開収録が行われたときに出てきた質問の中で「どうして、そんなに詳しいんですか?」ということを、さくらじおのメインパーソナリティの「さくらちゃん」がオビオさんに聞いていた。その回答として「NewtonやNatureのような雑誌をよく読んでいるから」というものだった。なるほど。これらの雑誌なら最先端科学のことはよく掲載されている。しかし、基礎知識がないと書かれている内容については理解できないと思われるのだが、それについては「ネットで補完して調べている」とのこと。要は、オビオさんの興味はとても広く、自分の専門外のところについても「知りたがり」のひとなのであり、人に説明できるくらいの内容は理解されているという方のようである。

定期的に講演会も開いているようなので、生のオビオさんとBJさんをご覧になりたいひとはそちらまで。あと、オビオさんは結構執筆もされているようなので、どういう内容のことを記載しているのか興味があるかたは、著書をお読みになるのも良いだろう。

いずれにしろ、科学の世界というのは常に進歩しており、常に新しい発見が発表されている分野だ。だから、なかなか一般庶民にまで内容が伝わらなかったりすることもあるのだろうが、こういうポッドキャストを通して、最先端科学がどういう傾向になっているのかと素人でも知ることができるというのはありがたい。結構聞いていると「えーっ?そうなの?」というような内容が放映されてたりする。

ちなみにポッドキャストの題名になっている「ヴォイニッチの科学書」のヴォイニッチとは、イタリアで発見された何語で書かれているのかも解らず、何が書かれているのかもわからないが、挿絵がすごい見事なことと、暗号っぽい内容が230頁も書かれており、いまだにその内容が解明されていないという「ヴォイニッチ手稿」からの引用であるのだろう、と勝手に解釈。

ヴォイニッチの科学書
URL : http://obio.c-studio.net/science/
Twitter : @bot_obio
@cradiobio

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