2012/04/03

中国なんて二度と行くか!ボケ!!(書籍)

さくら剛さんの「インドなんて二度と行くか!ボケ!!」に引き続いて、「中国なんて二度と行くか!ボケ!!」を読んでみた。タイトルに惹かれたというわけじゃなく、「インド・・・」と「感じる科学」の2冊を通して、どういう書風の文章を書くかというのが分かったので、きっと「中国なんて・・・」の本も面白いのだろうと期待してみたのがきっかけだ。

期待通り、この本も一気に読めるスタイルになっているし、内容が腹を抱えて笑える!というものばっかりである。そして、臨場感と嫌悪感が文章を通して本当に漂ってきそうなものだった。インドのほうは、観光客に擦り寄ってくるインド人は全員悪人であるというのが主張の柱になっているのだが、中国の場合は初めから終わりまで「中国のトイレは絶対変である」を中心に物語が書かれており、スカトロマニアだったらよだれモノの文章だろう。不幸にも自分はスカトロマニアではないので、実際の体験記で書かれている中国のトイレなんか、絶対行きたいとは思わないと断言したいと思った。

一度も中国に行った事がない人だったら、想像にもできないのだが、中国は、これだけ経済的に発展したというのに、なぜかトイレ文化だけは全く発展しない不思議な国である。いわゆる「ニーハオトイレ」というのが存在することで有名だが、北京オリンピックを期に、北京市内のあらゆるトイレ(公衆トイレや共同トイレを含む)は、ニーハオトイレではなく、個室トイレもしくは西洋式便座タイプのトイレに一新された。さすがに中国政府もニーハオトイレが世界で馬鹿にされることには我慢ならなかったのだろう。見栄だけで生きている中国人および中国にとっては、「中国っていつまで経っても汚いところだよね」と世界中に言われること自体を非常に嫌う結果である。面子をつぶされることが、死よりも恐れている民族ゆえんなのだ。

とは言いつつも、まだまだ大量の観光客がやってこないような場所では、このニーハオトイレが存在する。本書は北京オリンピック前のことなので、北京や上海のような大きな都市でもいまだにこのニーハオトイレのことが通用するとは思えないが、地方都市のようなところに行った時には、おそらくさくら剛さんと同じようなビックリドッキリ体験をすることが出来るだろう。

だいたい、人の脱糞行為が丸見え状態になっているのをよくも数千年の中国の歴史の中でOKにしていた中国人の感覚は本当に理解できない。脱糞行為を持って、どこのどいつがどんな良いものを食っていたかというのを実は相互監視していたんじゃないのか?という気もするし、脱糞行為は特に恥ずかしいこととは思わず、誰もがすることだから、別に平気とおもっていた民族性なのかもしれないが、その辺はよくわからない。さくら剛さんも、旅行を通してこの中国人のトイレに関する習慣だけはどうしても理解できず、帰国後でもポッドキャストを通して毎回「トイレだけは絶対イヤだ」とおっしゃっているくらいのものだ。1つの個室に隣のひとの脱糞行為が丸見え状態でもOKという感覚なんて、清潔第一の日本人には到底考えられないものだろう。

あと、やっぱり中国では公共の場はゴミ捨て場と同じだと認識しているようで、道路での痰や唾をペッ、ペッ!と捨てる行為だけはどうやらいまだに治っていないようだ。あれは習慣というより習性なのだろう。さくらさんもこの行為にはほとほと困っているようで、床に荷物を置くこと自体がもうばい菌の塊に荷物を置いているようなものだから、絶対やりたくないと思っていたようだ。金にならないものは全く金をかけるつもりがないというのが中国の政府や金持ちのやりかたなので仕方ないのだが、いつまで経っても公共的なところに金をかけて整備をすると言うこと自体をしない中国の根底はここにあるのだろうと思う。

旅行先で偶然一緒に渡航することになる外国人の遭遇は旅の醍醐味だとは思うのだが、さくらさんが出会ったイスラエル人の話はすごい面白い。どこに行っても現地の人が生活しているようなスタイルを体験したり食べるのが鉄則だと思うのだが、それをまるっきり無視して、今までの生活スタイルを保有しながら旅行するという愚かさ。こういう面倒くさいひとがよくもまぁ中国の奥地へ行こうと思ったことが感心するのだが、だいたいこういう馬鹿は帰国後「俺って、こういう凄いところを旅行したちょっとした旅人における常連なんだ」と自慢しているひとに違いない。中国に行ってまでピザとコーラしか飲まないような人って、ホント死ねばいいのにとおもう。まぁ、これは人のことが笑えず、どこに行っても現地のご飯を食べずにマックで済ませているようなバックパッカーがたまにいるようなのだが、こういう連中も死んじゃえば良いのにと思う。

まだ制度として存在しているのか分からないが、さくらさんも中国の宿探しには苦労したようだ。外国人が泊まれない宿というのは前には存在していたという話を聞いたことがあるが、本の中でもそれは紹介されている。中国語のカタカナ発音のままで記載しているので、現場でのやりとりの怒号については、この文脈からかなり想像できるのだが、やっぱり中国語はカタカナ標記しちゃうと、全く訳のわからない言語になってしまうようだ。おばさんとさくらさんのやりとりが、互いに理解不能のまま会話をしているところなんか面白くて仕方ないが、中国語を知らない人にとっては意味不明な文章が連続して記載されている様に見えるだろう。

本書では随所で中国人のいい加減さを知ることが出来る。これは今も変わらないと思う。たぶんこのいい加減さのまま、世界各地に今度は旅行者として旅行し始めた中国人が多く増えてきたので、さらに世界中から中国人は嫌われることになるだろう。間違いやダメだと指摘されないと、自分の思ったとおりのことが正しいと思っている民族が中国人である。サービス提供者も享受者も考えは同じだ。これが本当に面倒くさい。そして、中国人同士でもその注意や文句の言い合いについては、大声で怒鳴りあっているので、他民族からみるとやつらはいつも喧嘩しているように見えるのは当然だろう。そういう細かい描写についても筆者の体験を通して垣間見ることが出来る。

中国国内を旅行する人、または中国旅行をしたことがある人は是非一読を。納得することばかりだと思う。

中国なんて二度と行くかボケ!! ・・でもまた行きたいかも。
著者:さくら剛
出版社: 幻冬舎
発売日: 2011/7/7

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