いつかは高野山に行ってみたいなと思っていたのだが、高野山というと、寺もそうなのだが、寺に泊まるということも行く楽しみの1つになっていたりするということを聞いた。寺に泊まるって、どういうこと?と実はあんまりよくわかっていなかったのだが、どうやら高野山の本山を拝むだけじゃなく、山全体が霊験あらたかな場所だから、朝から晩まで高野山の霊験を受けたいという人が結構いるみたいで、暫定的な僧侶のような生活をして、下界とは一切連絡を遮断し、精進料理を食べ、起きたらお経を上げ、座禅をして身を清め、中には滝行にいったりということも行うことで、少しでも高野山に寺を持ってきた空海の思いを知ろうとする人が多いという。
寺に暫定的ながら僧侶と同じような修行を行うことによって、身を鎮めるという意味では良い体験ができるこのような施設を宿坊という。宿坊ってどういうところにあるんだろう?という素朴な疑問がわいてくるのは当然なのだが、これが調べてみると、実はいろいろなところに宿坊というのは存在していることが分かった。
簡単ながら宿坊ごとの特徴と、カラー写真が掲載されていることで分かりやすいのは、その名もズバリ「宿坊に泊まる」という名前の単行本だ。
宿坊は日本全国あらゆる場所に存在することが分かる。そして、精進料理と座禅や写経を行うということも結構一般的にあることがわかる。中にはちょっとした日本旅館のようにすばらしい庭園を持っているところもあるので、それを見るために宿として開放しているところもあれば、一緒に精進料理を作るというクッキングツアーみたいなものもあったりするので、泊まるところに特徴があるというのもわかる。いずれにしても、宿坊に泊まっている間に、あらゆる手段を通して、仏の教えや禅の有効性などのことを知る機会と体験をするということを意味しているようだ。
高野山にも30軒くらいの宿坊があることは知られているのだが、その中で数軒だけこの本では紹介がある。ただ、この本が発行されたのがもう10年も前のことなので、できれば最新版が発刊してほしいところだ。なにしろ、高野山を初め、各種古寺への参拝というのはここ数年流行傾向になっているので、寺もかなり趣向が変わってきて、いろいろ観光客に合わせて寺自体が変わってきているのもあるから、女性観光客も注目しているところといえよう。
紹介されているのは宿坊研究会という宿坊ばっかりに泊まっている人たちがまとめている本なので、どこどこの宿坊ではこんな楽しいことがあるというのを、泊まっている立場から教えてくれるので便利だ。意外に宿坊本体がウェブサイトとして紹介しているところは少ないので、こういう特殊のファンによる参考本は面白く読むことができるので是非読んでみていただきたいと思う。
この本をみて、ますます高野山の宿坊に一度は泊まってみたいと思った。
<宿坊に泊まる>
著者:宿坊研究会
出版社: 小学館
発売日: 2003/11
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