2006/10/03

談志・陳平の言いたい放題


東京MXテレビの土曜日朝11時から「談志・陳平の言いたい放題」という番組が放映されている。(再放送は、日曜日の朝6時から。)だいたい週末は遅く起きるのが定番になってしまっているのだが、ちょうど起きた後くらいに始まる番組なので、ついつい見てしまった。結構昔から放映されていたみたいだけど、なにせMXテレビなので、通常のテレビ欄のところまで真剣に見ないと、こういう番組が放送していることを全く逃してしまう。たまたま、父が探して見つけたから、うちでは見るようになったが、もしかしたら未だにこの番組の存在を知らずにいたかもしれない。

さて、他の民放ではすっかりテレビ画面から遠ざかってしまった立川談志だが、まとものことを言い過ぎてしまっているために、大手の民放では嫌がられてしまったというのが本当に分かった。小さい頃は、変な屁理屈を言うおっさんがいるとしか思っていなかったのだが、最近、談志はやっぱりその教養と芸に対する情熱というのはずば抜けていると思った。番組自体は、タイトルとおりに、立川談志と野末陳平がメインキャストなのだが、だいたいそれにプラスしてもう1人、曲者が出てくる。最近はパターンが決まっていて、毒蝮三太夫か、吉村作治か、西部邁のうちのどれか。どの人が出てきても、番組はめちゃめちゃ盛り上がる。それもマニアックな話題から、世相を本音ずばずばで言ってくれるから、気持ちがいい。東京の民放の場合、色々な圧力団体からの妨害があるために、言いたいことも言えない状況を作り出してしまっているが、そこは東京ローカルのテレビ局なので、大阪のテレビ局の芸能番組なみに、隠し事無しに全部話してくれるのは良い。それもかなり的を得ている。政治ネタは、野末陳平が中心となって話を膨らまし、かつて議員もやっていた談志もそれに上乗せしてくる。芸のネタに関しては、もう談志の一人舞台に近い。落語の世界は当然だが、映画、テレビ、音楽の世界もよく知っているようだ。

「笑点」は立川談志が作った番組として有名だが、その最初の頃は、今ではすっかり有名になっている歌丸を含めたパネラーは、大喜利の回答はすべて談志が事前に作っており、演者はうまく演技するだけだったという話を聞いて、へーっとおもった。野末陳平も放送作家だったときに、すべてのテレビドラマは生放送だったため、女優や俳優のわがままで、放送寸前になって台本を書き換えたり、徐々に自分がテレビに出てしまった歴史などのことを、惜しげもなく話をしているのは、時代を生きた人たちの生の声として聞けて楽しい。

彼らがそれらを自慢にしているわけではなく、後輩芸人および自分達の弟子たちにも教育として教えていきたいという情熱を感じることが出来る。毒蝮三太夫が出てくる回の場合は、もうほとんどおっさんたちの飲み屋の会話と同じである。昼間から放送するようなテンションの高さではないと思ってしまう場合があるが、勢いがある。最近は、なぜか、軍歌を改めて聞こうという趣旨の内容が番組の間に挟むようになっているが、聞いたことが無いような曲ばかりで、今聴いても楽しいなと思うものもたくさんある。いかにも軍歌という歌詞のものもあれば、歌謡曲として今売り出してもいけるものも実は存在したりしたことがわかった。そういうのを、談志が1曲1曲解説していくのがすごい。

録画しても絶対毎週見逃したくない番組の1つだ。

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