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中身はというと、偉そうなおじさんがボソボソとつぶやいているものかと思っていたら、ぜんぜん違った。精神世界とはまったく関係なさそうな声の持ち主である、主催者である沖田民行さんというかたと、そのひとの言葉に、聴講者の代表者のような形でアシスタントをしているPistachioさんの2人でやっている、おもしろ漫才風のような内容だ。そして、むやみやたらに精神世界についてを述べているのではなく、ちゃんと題材はある。それは、20世紀の名著とでも言うべき書物であるフロイトの「精神分析入門」をわかりやすく説明しているのである。
もともと、この「精神分析入門」自体が、フロイトが大学で教えていたときの授業の内容をそのまま文章化したものなので、難しい内容をすでに本にした段階でわかりやすい内容になっているものである。たまにフロイトが授業をしながら、話を脱線していく様子も、この本の中で述べられているのだが、普通に読んでいくと、その瞑想振りについてはわからなくても、このポッドキャストの番組を聴くと、沖田さんが「フロイトのおっさん、ここでエロ話をし始めます」とか「もう、ここで1章は終わろうと思っていますが、なぜか話が盛り上がったのか、それとも時間があまったのか、余計なことを話し始めます」という解説をしてくれるので、本を読まなくても、本の内容と、フロイトが授業をしているときの様子がなんとなく目に見えてきそうになる。
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暴走しかけの沖田さんをたまに横から突っ込みと、ほっほーという相槌で進行に深みと修正を加えているピスタチオさんの役割も大きいと思う。この方、女性なのだが、声だけから判断すると、あんまり明るそうなかたじゃないように見える。まじめそうなめがねをかけている大学の助手なのではないかと想像してしまった。あと、沖田さんにしても、声だけから判断すると、その辺の本好きなおにいちゃんが話をしているのかなとおもっていたのだが、番組の中で「でぶっとしているんで」と言っていた事から、もしかしたら伊集院光みたいな体型なのでは?と思ってしまった。だから、やたら声がでかい。
これまで精神世界については、かじりたいとはおもいつつも、なぜか自制心が働いてなかなかとっつきにくいものだとおもっていたのだが、この番組を聴いて、ちょっとおもしろそうだなと思えた。人間観察や対人関係として、この学問を使うと面白いのではないかと思う。かといって、心理学者の誰もが人間的につきあいやすいひとたちかというと、疑問視だ。
番組自体は70回にわけて解説してくれるという。2月の中旬において、ようやく第1章を終えたところなので、これから先、どのような展開になるのかどうか気になるところが。
そういえば、番組最初に入るジングルと終わりにかかる歌がどうしても気になる。初めのほうは「猫に小判」というフレーズを、ラップ調にそれもめちゃくちゃ早い口調で言っているので、最初は「ねこねこバーン!」と頭のイカれた子供が騒いでいるものかとおもっていたが、実は違った。そして、終わりにかかる歌も、沖田さん本人が友達に作らせたという本人が歌っている歌は、聴いていて苦しい。ジングルは良しとしても、歌はやめてくれー!
猫に精神分析入門
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