2010/04/13

バンコクの暴動

タイのバンコクがまた酷いことになっている。現政権への不満をためた都市出身者を中心とする、タクシン元首相派の集まりによる暴動が過激になってきている。ただ、その暴動というのが、住民による何らかの理由があるのであれば、納得もいくような気がするのだが、根本的にこの暴動の原因がいまいちわからない。わからないというのは、いったいどうしたいのかというのが見えにくいからだ。

中途半端な言い方をしてしまったが、これはどうもタクシン本人が裏で糸を引いているんじゃないのかというのが、だんだん感じるようになってきた。とうとう、日本人のカメラマンが暴動の中で死亡したから、日本でも報道されるようにはなってきたのだろうが、それまではデモや暴動はちょこちょこ起こっていたのに、全く日本で報道していなかったというのも笑える。なにかマズイことでもあるのだろうか。

もし、この暴動を収めるのであれば、タクシン本人がメディアに出てきて、暴動しないように呼びかければいいのだが、基本的に国家転覆、政権強奪を目指すことが目的であるため、タクシン本人がメディアに出てくるということはない。なぜなら、タクシン自体が今の政権に首相の座を奪われて、国外に逃亡しているようなものだからだ。

これって、何かに似ているなとおもっていたら、毛沢東が経済失敗の責任を問われて国家主席の座を奪われ、劉少奇に譲ったのだが、どうしても毛沢東は国家を自分の手で動かしたいという野望は捨てられなかったために、結局毛沢東は、学生を使って文化大革命を動かした事実があるが、それと似ている気がする。文化大革命の嵐が吹き荒れた6年間の間、中国は荒廃しきってしまったが、そんな中でも日本のいわゆる「進歩的文化人」と呼ばれていた馬鹿な人たちは、「毛沢東、がんばれ」と応援していたのは不思議だ。今回の暴動は、ほとんどバンコクだけで起こっていることであり、文化大革命と違うのは、農村のほうは全く我関せずと貫いていることだろう。農村部は現政権を支持しているからだ。これがタクシンが、今度は都市だけではなく農村部にまで金をばら撒いて、全国規模にまで暴動を広めたら、完璧に第二次文化大革命の始まりだと思う。

現政権を転落させようとしているのは、現政権が農村部を優遇し、都市部の人間から取れるだけ税金を取ってしまおうとしていることも、タクシン派に都市部の人間が流れている証拠だろう。以前から農村出身者と都市出身者の抗争というのは激しさをまっていたのだが、タクシンが政権から転落したとたんに、タクシンが後ろで糸を引いているために、落ち着く様子が全くない。

いまではすっかりバンコクの目抜き通りは商売上がったり状態になっているため、まったく観光客が寄り付かなくなっているのは事実。これでさらに都市部で働いている人たちが文句を言い始めている。これは現政権が悪いというのではなく、自業自得なのではないだろうか。

タクシンが何かしらのコメントをしない限りにおいては、この暴動はなにも変わらないと思う。でも、タクシンはかなり金を持っている人間なので、全く金銭的には困らないだろうし、現政権が困るまでタクシンは金をつぎ込んでタイ全体を混乱に陥れようとしているのだろうか。それに振り回されているタイ国民はかわいそうだと思うが、金をもらって政権を陥れるようなことをする都市部の人間も暇なのだろうか。まぁ、自らの意思で暴動にさんかするより、バイト料をもらってデモに参加できるのであれば、こんな楽な商売はないだろうから、うまいことタクシンはやったなとおもう。でも、中国系のタクシンのやりかたは人道的ではない。中国人の彼にしては別に悪いことではないと思っていることだろう。

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