2007/02/23

台湾映画「盛夏光年」

台湾の友達から教えてもらった映画を早速観てみることにした。あまり大きな声ではいえないが、torrent ファイルを使って探してみたので、劇場とは違うから迫力感がないが、今回紹介しようとする映画は、特に劇場じゃなくてもいいと思う。

台湾映画の「盛夏光年/Eternal Summer」という映画だ。1981年生まれのレスト・チェン(陳正道)監督で、主役はジョセフ・チャン(張孝全)とブライアン・チャン(張睿家)。そして女性のケイト・ヨンだ。東京国際映画祭に出展していた映画のため、この映画祭に行った人は観たことがあるだろう。

内容はというと、簡潔に言えば「ゲイ的要素が強い映画」と言えば良いだろう。そういう映画はここ数年多く出てきている。有名な「ブエノスアイレス」はもちろんだが、ハリウッド映画では「Brokeback Mountain」なんていうのが該当する。この映画も、その種類に属するため、毛嫌いするジャンルだと思う人は多いかもしれない。しかし、内容はとても切なく考えさせられるような内容になっている。

初等学校(小学校)時代から始まるストーリーなのだが、そこで優等生と劣等性がペアになって友達になっていくことを学校の遊びで先生が強制的に始めるところから映画が始まる。優等生役のジョナサン(ブライアン・チャン)は活発なシェーン(ジョセフ・チャン)に年齢が経つごとに思いを寄せるようになる。しかし、同性なので「好きだとは言えない」。小学校からの付き合いが、高校になっても朝は一緒に登校し、帰りも一緒に帰るし、バスケをしているシェーンを見守っていたりする。そういう2人の同性の中に1人の女性ケリー(ケイト・ヨン)が入り込んでくるから面白い。そのケリーはジョナサンが好きになり、一緒に田舎から台北に遊びに行く。田舎者が都会にくるとはしゃぎたくなるのはあたりまえ。横丁でピアスをあけている様子なんか、悪乗りして開けたというような感じがしていじらしい。その勢いは、やっぱりホテルに直行して、さぁベッドイン。ところがジョナサンは「いざ」となったときに、ケリーをセックスの対象には見られることが出来ず、そのままホテルを出て行く。馬鹿にされたと思ったケリーだが、その真相を求めて追求。それがいつも2人で帰っている相手シェーンだと知る。田舎の田んぼ道をチャリで爆走競争している様子は、「田舎っぽい」シーンでとても良い。そのあと、話の流れは、シェーンとケリーが付き合ってしまうから、ジョナサンの思いは更に深く落ち込む。高校から大学へ上がる受験に失敗し、浪人生活に入るのだが、大の親友であるシェーンは頻繁にジョナサンの家に遊びにやってくる。勉強しているときでも、上半身裸で部屋の中をうろうろされたりしたら、もうムラムラして、勉強どころではなかったことだろう。そんな思いを知ってか知らないでか、シェーンの挑発は続くのだ。シェーンとケリーが付き合っているのになかなか自分の思いを伝えられない。勢いに任せてクラブで踊っている間に「自分とケリーとどちらが好きなのか?」とシェーンに質問。しかし、シェーンは答えない。シェーンの腕を振り切ってバスに1人で乗って帰るシーンは、とても切ない。自暴的になってその辺のおっさんとONSをするところも、現代の現実の世界を反映している様子が見えて納得。その後、事故を起したシェーンを迎えにジョナサンは行き、二人でシェーンの家に行く。いつものようにベッドに2人で寝転がっているのだが、なぜか上半身裸のシェーン。待ってましたとばかりに、その後「ヤオイ」の世界は開始なのだ。しかし、どうしてこういう映画の場合、バックからのセックスシーンしかないのだろうか?絶対正常位や騎乗位のシーンが出てこないのが不思議だ。絵にならないからだろうか?

ちなみに、監督は、映画初出演のブライアン・チャンに台湾のアカデミー賞にあたる「金馬奨賞」を絶対取らせるためという意味で、このシーンを取ったらしい。背中と尻が見えるセックスシーンは別に汚いものには見えず、本当のゲイビデオみたいに、おらおらーというような嫌らしく汚らしいシーンは無いから許せる。しかし、演技をしたブライアン・チャンは、このシーンはとても最初演じるのに躊躇ったようだ。友達に「本当にホモだって言われたらどうしよう」というのが原因。もちろん、彼はずばりストレート。一度ホモ系の映画に出たから、その後ずーっと「あの人は絶対ホモだ」と言われている台湾映画「十七歳的天空」に出演していたトニー・ヤン(楊祐寧)みたいになるのも嫌だったのだろう。彼の場合は、その後、シンガポールの華人歌手である周華健の「傷心的歌」のプロモーションビデオでも、ゲイカップルの演技をしていたので、ますます「彼はゲイだ」という印象を残してしまったのが原因だろうと思われる。ブライアン・チャンの場合は、いわゆる「ネコ」系の顔たちなので、絶対に層だといわれてもおかしくない。

さて、ざっと内容は書いたのだが、いまでは日本の月9にも出演するようにまでなってしまった陳柏霖が初めての映画として出演した「藍色大門(日本題名「藍色夏恋」)」風の台湾の高校生の様子が伺えて、ほのぼのした映画だと感じた。

「盛夏光年」の関係サイト : http://www.wretch.cc/blog/summermovie

0 件のコメント: