神保町の中華料理屋はかなり結構たくさんある。それも中華街顔負けしないような美味い店が結構有る。もともと古くからの学生街であることは変わりないのだが、中国からの留学生を受け入れる保証人がたくさんこの辺りに住んでおり、そのまま中華料理屋を営業をし始めたというところも結構ある。それだけ意外に神保町は中華と関係がある街でもある。
神保町の中華料理屋において、好きなレストランがいくつかあるのだが、その中の一つが「咸亨酒店」である。中国の浙江省にある港町・寧波の地元料理を中心に提供をしている由緒正しい中華料理屋だ。寧波は、西側に酒で有名な紹興市と隣接し、揚子江の河口を挟んで向こう岸には上海がある。この店の本店は、実は紹興にもあり、上海の浦東地区にも存在する。中国の作家である魯迅の作品にもここは出てくる。
さて、この店、平日はなんと夜中の3時くらいまで営業しているため、どんなに平日遅くても、ここなら絶対店が空いているからと、遅い時間まで仕事をしていたときに、ちょっとお腹に入れたいなと思ったときには、この店によく通ったものである。夜遅い時間になると、傍に出版社が結構たくさんあるので、その関係者がたくさんいるので、人間模様をみているとなかなか面白い。でも、だいたいの出版関係者の人たちは、夜遅い時間に仕事を始めるようで、自分たちとは違う人種だということも良く分かる。料理も美味いし、酒も美味いところなので、作家や商談をするためには、よく使われるのだろう。
そもそも寧波料理と言われても、一般の人にとっては、ナンジャ?と思うに違いない。そういう自分もはっきりとはわからない。しかしながら、中国4大料理という大分類にすると、上海料理に入るだろう。上海料理は日本人の口にとても一番合う料理で、基本的に海鮮料理と少し甘めのソースを使うのが特徴だ。その味付が日本人に合うために、大都会上海で食べるのであれば、絶対上海料理屋に行くべきだと思う。上海ならどこの地方の料理でも確かに食べられるのだが、絶対上海料理がお勧めだ。寧波もまさしく上海料理の一派なので、この店の料理は本当に美味いと感じられる。更に言うと、浙江は蒋介石の故郷であるのだが、彼は海沿いの町に住んでいたわけじゃないので、生粋の上海料理や寧波料理を食べて育ったというわけじゃないのだろうが、似たような味付けを食べたのは確かだろう。
上海といえば、この季節は上海蟹だ。上海蟹はもちろんこの店でも食べられる。上海まで行って食べるのであるなら、ここに行って食べるほうが便利だ。日曜日に行ったのだが、やっぱり平日とは異なり、神保町は町が死んだように静かだ。だから、この店も日曜になると閉店時間が早い。22時くらいまでしか営業をしていない。店のほうも毎日遅い時間までやっているのも疲れるのだろう。
今回この店で注文したのは次のとおり。
まずは、紹興酒の「利き酒セット」。化学の実験に出てくるようなフラスコに3種類の紹興酒を入れられてくる。この了が結構たくさんあるので、全部を一人で飲むとかなり酔っ払う(笑)しかし、これで1800円というのは安い。その3種類というのは、陳酒総公司と東風酒業と大越酒業のそれぞれ7年もの。同じ年代に作られた酒なのにも関わらず、こんなにも味が違うのかとかなりはっきりとわかる。個人的には東風酒業の紹興酒が味として好きだ。あまり辛くなく甘くなく飲みやすい。紹興酒を飲むときに砂糖を入れて飲むのが普通と思っている人が多いらしいが、これは大きな間違い。焼酎で言うところの「大五郎」とか「純」のような工業用アルコールみたいな紹興酒を飲む場合には、味がないので砂糖を入れればいいのだが、まともな紹興酒はそれだけでも味があるので絶対に砂糖を入れるのは避けるべきだ。酒に失礼だからである。
次に選んだのが「芝海老のXO醤炒め」。こちらはぷりぷりした芝海老の味が残ったまま、名前のとおりXO醤で炒めているので、味はわかりやすいだろう。美味い調理法を使っているために、素材を殺さずに味付けしているところが本当に感心する。
一緒に頼んだのが、「スペアリブの揚げ物」なのだが、これは豚の骨付き軟骨の部分をたべるのだが、少しこげている揚げ物のようで、味付が意外に見た目よりも濃い。今回はプーアル茶を頼んでいたので、こういう脂っこく濃い料理の場合には、一番飲み物として合う。骨付き肉は食べにくいのが特徴なのだが、この軟骨部分のところはコリコリとしていて、その食感を楽しむだけでも楽しい。量としては少ないので、少人数として食べるのであれば、これは良いチョイスだろう。しかし大人数である場合にはちょっと少ないかもしれない。
それで、ここで真打登場。真ん中に真打というのはなんとも落語の世界では変な話なのだが、この店にきた理由の一つである上海蟹を注文した。それも特大サイズ。上海蟹は大きさによってその値段が決まる。この店では特大は3500円で食べられる。生憎、上海蟹の写真を撮るのを忘れてしまったので、ここでは掲載できないのだが、上海蟹をたべると季節が来たなーという感じになるのは、グルメになってしまったからなのだろうか?しかし、上海蟹は、値段の割りにはズワイ蟹なんかに比べると、雲泥の差で食べるところが少ない。少ないのに、この蟹を食べるために、この時期を狙ってわんさか群がるのは、なんだか同じ季節に、意味不明に待ち焦がれているとはしゃぐ、ボージョレ-ヌーボー目当ての客に似ているような気がする。食べるところが少ないし、それほど超美味いというわけでもないのに、なぜこれだけ魅力があるのだろうか。メスの子供を持っているほうが、オスより美味い。なぜなら脳みそよりも断然卵のほうが美味いからである。もちろん、このときにもメスを選んだ。
蟹を選んだあとは、「スペアリブの黒豆蒸し」と「土鍋炒飯」を食べた。またスペアリブ?といわれそうだが、メニュを見て美味そうだなと思ったのが、たまたまそうなのだから、仕方ない。こちらも骨付きで、ソースに黒豆ソースだから味はわかりやすいだろう。でもそれほど濃いというわけじゃないのが、やはり寧波料理だからだろうか?京料理に近いような食べものだというと、意外性に思えるかもしれないが、実際に味わってみるとそう感じる。土鍋の炒飯は、これは結構量が多い。他の料理がちょっとしか皿に入っていない割りには、こちらの炒飯を数人で食べるのはかなり多いと思う。詳しいことは面倒くさいので書くのをやめる。
最後にデザートとして、杏仁豆腐と団子を注文した。団子のほうは餡マンのようなもので、形が桃のような形をしている。こしあんタイプなので、個人的には大好きだった。杏仁豆腐も、店によってはなんじゃコリャ?というところも多いが、ここの杏仁豆腐は、ちゃんとした杏仁を使っているので、本当に美味い。絶対一度食べると病み付きになる。
神保町でご飯に食べるところに困ったら、絶対この店に行くことをお勧めする。
神保町の中華料理屋において、好きなレストランがいくつかあるのだが、その中の一つが「咸亨酒店」である。中国の浙江省にある港町・寧波の地元料理を中心に提供をしている由緒正しい中華料理屋だ。寧波は、西側に酒で有名な紹興市と隣接し、揚子江の河口を挟んで向こう岸には上海がある。この店の本店は、実は紹興にもあり、上海の浦東地区にも存在する。中国の作家である魯迅の作品にもここは出てくる。
さて、この店、平日はなんと夜中の3時くらいまで営業しているため、どんなに平日遅くても、ここなら絶対店が空いているからと、遅い時間まで仕事をしていたときに、ちょっとお腹に入れたいなと思ったときには、この店によく通ったものである。夜遅い時間になると、傍に出版社が結構たくさんあるので、その関係者がたくさんいるので、人間模様をみているとなかなか面白い。でも、だいたいの出版関係者の人たちは、夜遅い時間に仕事を始めるようで、自分たちとは違う人種だということも良く分かる。料理も美味いし、酒も美味いところなので、作家や商談をするためには、よく使われるのだろう。
そもそも寧波料理と言われても、一般の人にとっては、ナンジャ?と思うに違いない。そういう自分もはっきりとはわからない。しかしながら、中国4大料理という大分類にすると、上海料理に入るだろう。上海料理は日本人の口にとても一番合う料理で、基本的に海鮮料理と少し甘めのソースを使うのが特徴だ。その味付が日本人に合うために、大都会上海で食べるのであれば、絶対上海料理屋に行くべきだと思う。上海ならどこの地方の料理でも確かに食べられるのだが、絶対上海料理がお勧めだ。寧波もまさしく上海料理の一派なので、この店の料理は本当に美味いと感じられる。更に言うと、浙江は蒋介石の故郷であるのだが、彼は海沿いの町に住んでいたわけじゃないので、生粋の上海料理や寧波料理を食べて育ったというわけじゃないのだろうが、似たような味付けを食べたのは確かだろう。
上海といえば、この季節は上海蟹だ。上海蟹はもちろんこの店でも食べられる。上海まで行って食べるのであるなら、ここに行って食べるほうが便利だ。日曜日に行ったのだが、やっぱり平日とは異なり、神保町は町が死んだように静かだ。だから、この店も日曜になると閉店時間が早い。22時くらいまでしか営業をしていない。店のほうも毎日遅い時間までやっているのも疲れるのだろう。
今回この店で注文したのは次のとおり。
まずは、紹興酒の「利き酒セット」。化学の実験に出てくるようなフラスコに3種類の紹興酒を入れられてくる。この了が結構たくさんあるので、全部を一人で飲むとかなり酔っ払う(笑)しかし、これで1800円というのは安い。その3種類というのは、陳酒総公司と東風酒業と大越酒業のそれぞれ7年もの。同じ年代に作られた酒なのにも関わらず、こんなにも味が違うのかとかなりはっきりとわかる。個人的には東風酒業の紹興酒が味として好きだ。あまり辛くなく甘くなく飲みやすい。紹興酒を飲むときに砂糖を入れて飲むのが普通と思っている人が多いらしいが、これは大きな間違い。焼酎で言うところの「大五郎」とか「純」のような工業用アルコールみたいな紹興酒を飲む場合には、味がないので砂糖を入れればいいのだが、まともな紹興酒はそれだけでも味があるので絶対に砂糖を入れるのは避けるべきだ。酒に失礼だからである。
次に選んだのが「芝海老のXO醤炒め」。こちらはぷりぷりした芝海老の味が残ったまま、名前のとおりXO醤で炒めているので、味はわかりやすいだろう。美味い調理法を使っているために、素材を殺さずに味付けしているところが本当に感心する。
一緒に頼んだのが、「スペアリブの揚げ物」なのだが、これは豚の骨付き軟骨の部分をたべるのだが、少しこげている揚げ物のようで、味付が意外に見た目よりも濃い。今回はプーアル茶を頼んでいたので、こういう脂っこく濃い料理の場合には、一番飲み物として合う。骨付き肉は食べにくいのが特徴なのだが、この軟骨部分のところはコリコリとしていて、その食感を楽しむだけでも楽しい。量としては少ないので、少人数として食べるのであれば、これは良いチョイスだろう。しかし大人数である場合にはちょっと少ないかもしれない。
それで、ここで真打登場。真ん中に真打というのはなんとも落語の世界では変な話なのだが、この店にきた理由の一つである上海蟹を注文した。それも特大サイズ。上海蟹は大きさによってその値段が決まる。この店では特大は3500円で食べられる。生憎、上海蟹の写真を撮るのを忘れてしまったので、ここでは掲載できないのだが、上海蟹をたべると季節が来たなーという感じになるのは、グルメになってしまったからなのだろうか?しかし、上海蟹は、値段の割りにはズワイ蟹なんかに比べると、雲泥の差で食べるところが少ない。少ないのに、この蟹を食べるために、この時期を狙ってわんさか群がるのは、なんだか同じ季節に、意味不明に待ち焦がれているとはしゃぐ、ボージョレ-ヌーボー目当ての客に似ているような気がする。食べるところが少ないし、それほど超美味いというわけでもないのに、なぜこれだけ魅力があるのだろうか。メスの子供を持っているほうが、オスより美味い。なぜなら脳みそよりも断然卵のほうが美味いからである。もちろん、このときにもメスを選んだ。
蟹を選んだあとは、「スペアリブの黒豆蒸し」と「土鍋炒飯」を食べた。またスペアリブ?といわれそうだが、メニュを見て美味そうだなと思ったのが、たまたまそうなのだから、仕方ない。こちらも骨付きで、ソースに黒豆ソースだから味はわかりやすいだろう。でもそれほど濃いというわけじゃないのが、やはり寧波料理だからだろうか?京料理に近いような食べものだというと、意外性に思えるかもしれないが、実際に味わってみるとそう感じる。土鍋の炒飯は、これは結構量が多い。他の料理がちょっとしか皿に入っていない割りには、こちらの炒飯を数人で食べるのはかなり多いと思う。詳しいことは面倒くさいので書くのをやめる。
最後にデザートとして、杏仁豆腐と団子を注文した。団子のほうは餡マンのようなもので、形が桃のような形をしている。こしあんタイプなので、個人的には大好きだった。杏仁豆腐も、店によってはなんじゃコリャ?というところも多いが、ここの杏仁豆腐は、ちゃんとした杏仁を使っているので、本当に美味い。絶対一度食べると病み付きになる。
神保町でご飯に食べるところに困ったら、絶対この店に行くことをお勧めする。
咸亨酒店
東京都千代田区神田神保町2-2
TEL 03-3288-0333
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