2007/10/14

国マニア


地図を見ているのは大好きだ。地図を見ているだけで、その土地に行っている気分になる。高校の地理の授業では、授業中ほとんど授業をきかずに、ずっと地図帳ばかりを見ていた気がする。それでも地理の点数は結構取れた。その土地に行った気になって、よくも知らないはずなのに、妄想のなかで行って現場を見たことにすることで、頭の中に勝手にその土地の様子を描いていたからなのだろうと思う。その地図帳を見ていると、世界にはいろいろな土地があるんだなーというのは分かるのだが、なんでここはこんな小さい国なのだろうとか、ここは一体誰のものなのか?とか、いろいろと理屈では良く分からない場所を見つけることが出来る。


例えば、一番分かりやすいのは、ヨーロッパにはたくさんの国がごちゃごちゃとあるのだが、大国に挟まれている小国として、モナコやリヒテンシュタインやルクセンブルグというような小国がいまでも存在する。この国々は、戦前の帝国主義、もっと前の王朝時代の場合には、一体どうなっていたのだろうか?そしてなぜ現代でも小国として君臨できているんだろうか?というのは実に不思議でならなかった。世界史を高校のときに選択していなかったので、一番楽しそうなヨーロッパの歴史を実は知らないで今まで来ていたので、長く疑問のまま各地を旅行していたのも事実である。


今回紹介する本は、そんな世界地図を見ると不思議だなーと思うようなことは全部解決してくれる内容なのだ。それも地図だけではわからない、領土無き国家や世界のほとんどが独立国として認めていないような不思議な国も紹介しているところが面白い。歴史的経緯と領土的位置を散りばめて説明しているところが良い。それと、現在存在する国家だけではなく、少し前の日本に関係する怪しい国家・地域についても紹介されているのはとても勉強になる。   ニュースや本では聞いたことがあるが、実際にはどうなっているのかあまり良く分からないというような地域は世界中に結構ある。カフカス地方のナゴルノ=カラバフ自治州の問題は、昔高校受験の勉強中に聞こえてきたモスクワ放送(当時住んでいた地域はモスクワ放送がめちゃめちゃクリアに聞こえた。といっても、北海道ではない)から、舌を噛みそうな名前を何度も連呼していたので、なぜか名前は覚えているのだが、なぜ揉めているのか全然ニュースを聞いても訳がわからなかったし、最近まで全然意味がわからなかったが、この本の中で関係地域がアゼルバイジャン共和国にあるアルメニア人が多いところで、アルメニア共和国に帰属することを望んでいる人が勝手に暴走して問題になっているということをこの本で読んで分かった。


個人で勝手に国を作ってしまったシーランド公国は、一時期テレビでも放映されたので知っている人も多いと思う。いまでは国ごと売り出してしまっているというから、もう国なのかなんなのかわけがわからん。日本関係でいうと満州鉄道に関係して線路沿線だけ日本の統括地だったというのも、今考えればわけがわからない領土の取り方だともいえる。領土もないのに国と名乗って、国連やEUのオブザーバーとなっているマルタ騎士団も、存在不明と言う意味では代表的だろう。そういう意味がわからない国や地域をまとめて紹介している本は、是非読んでいると楽しいので、お勧めしたい。

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