台湾で行った事が無い場所の1つに、台北で京劇を見るということをしたことが無いことに気付く。台北で京劇というのはなんだか変な話だなという気がする人も多いと思うのだが、実は台北で京劇の文化を残そうとする動きは日本統治時代から行われていたようである。そもそも京劇という名前のとおり、北京近郊で行われていた芝居劇のことを京劇というもので、清朝の保護のもと、もともとは湖北省の劇団が呉語で行われていたところ、その独特の声の出し方が人気を博して、北京でも大流行し、上海辺りで喋られていた呉語から北京語に移って今の京劇ができたようだ。
Taipei EYEは、中山北路沿いにあり、国賓飯店に頻繁に泊まっていたが一回も行った事が無かった。金曜と土曜の夜8時からだけ上演されており、おもに観光客相手に上演されている。だいたい地元の人達が見に来ているというのではなく、日本人団体観光客や西洋人が見にきているようだ。どれだけの席数があり、どれだけのひとが来客としてくるのかわからないから、早めにチケットを買うことにした。当日でも切符は余裕で買えるので、前もって買う必要は無い。席も基本的には自由席であるため、早く切符を買う必要も無いだろう。ただし、上演されるのが2階のフロアであるため、エレベータに乗る前に切符は買わないといけないし、例え自由席でもいい席を取ろうとした場合には、やはり早めに行ったほうが良いだろう。でも、焦る必要は無い。それにスタッフの人たちも基本的には日本語が話せる人たちなので、全く問題なく切符や芝居を見ることが出来るだろう。
芝居が始まる前には、京劇の演者たちが化粧をしているのを見ることが出来る。もちろん中国ギターを弾いてムードを盛り上げているところでである。一緒に写真をこのときにとてもらうことができるし、茶目っ気たっぷりの演者たちは、カメラを向けるとカメラ目線でにっこりとしてくれるのが嬉しい。SMAPの中居みたいな気持ち悪く、全くのつくり顔というのがわかるようなスマイルではなく、写真馴れしているというか、どんな客にでも愛想よく振り撒いてくれるところがなんだか嬉しい。
それにしても自分たちで化粧をしているとしても、その化粧箱をちょっと横目でみたのだが、結構いろいろな道具を使っているのだなと知る。歌舞伎役者もおそらく同じようなメイク道具を使っているのだろう。 この日の演目は、2部構成になっており、1部目はアミ族の原住民の踊りで、2部目は京劇の定番演目である「金山寺」だった。
アミ族の踊りだが、おばさんたちの踊りも見事だが、若い男の子たちの踊りが見所だ。元気一杯にステージ一杯に踊るので迫力とスピード感がある。途中でタイヤル族の結婚の儀の際には、一般客が花婿・花嫁の役をやらされて、一緒になって踊っていた。一番最後には、大勢の一般客が一緒になって彼らの踊りの輪の中に入る。原住民系の子の顔立ちは、典型的な顔もあれば、もう漢民族と融合してしまって、顔つきが漢民族の顔の子もいる。またデブの原住民というのは、あまり見たくないのだが、やはり飽食の時代なのでデブの子も混ざっているのが痛々しい。なぜなら踊っているとき、汗だくになっていたからだ。
2部目の「金山寺」は中国でのおとぎ話である「白蛇伝」の話の一部にあたる。カンフー顔負けのアクロバットなパフォーマンスは見所十分。舞台右側には、セリフの日本語字幕が出ているので、何を喋っているのか分からなくても、それを観ればよくわかる。甲高い発声の京劇は、中国楽器によるメロディとその節にのるセリフも1つの聞くべき要素だと思うが、字幕を目で追うよりも、やっぱり演技をしているひとたちの踊りやパフォーマンスをみているだけでもいいと思う。最近の香港映画では、ワイヤーアクションばかりで飽き飽きしてくるが、この京劇で演じられるものはワイヤーなんか全く使っておらず、武器としての棒ももちろんワイヤーなし。複数の人たちで棒を互いに投げ合い、戦いのシーンではその棒を手や足で跳ね返す技のところは必見だった。京劇を見たのは実は2回目で、1回目は上海にいったときにみたのだが、何を言っているのか何の芝居なのか全然理解しないで見ていたので、途中で飽きてしまった。歌舞伎も同じだと思うが、話を知ってみているほうが理解しやすいというもの。そして、今回の京劇は見入ってしまったので、カメラで撮影でもしようかとおもっていたのだが、すっかり忘れてしまった。
また台北にきたときには、違う演目も見られると思うので、来るたびに見てみたいと思う。
Taipei Eye (台北戯棚)
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