台北近郊に陶器の街として名の知れた鶯歌(イング)という街がある。各駅電車で高雄方面へ5つほど乗れば到着できるので、台北からは約40分くらいで到着することができる。近郊電車の本数は結構頻繁に走っているので電車を1本乗り過ごしても、全然問題なし。片道料金は39台湾元。ちょっとした旅をしたいというのであれば、距離として十分だ。
だが、行ってみてびっくりしたのが2つある。1つは、とにかく暑かった。2つめは、意外に観光客が居たということだろう。
鶯歌の駅を下りた後に、台湾の国旗である青天白日旗のイメージどおり、真っ青の空に眩しい太陽の光に、一瞬怯んでしまった。灼熱の炎天下に長く居ると、きっと脳天が腐ってきてしまいそうだ。鶯歌駅からこのときの訪問先メイン会場である陶器博物館までの間は、歩いて15分くらいの場所なのであるが、この15分が地獄のようにきつく感じたのは、この暑さと日射のせいだろう。博物館までの道は、駅前の道を下って、幹線道路に出たら、あとは道沿いに歩いていくだけ。道中、屋根のある場所がほとんどないので、陽を避けたいということがなかなかできないのだ。
陶器の街にある陶器博物館なので、どういうものが飾られているのか全く想像できなかった。台北には古今の偉大なる遺産が故宮博物院というところに展示されているわけだから、そこに展示できなかった陶器が飾っているだけなのかいなとおもっていたが、ちょっと様子が違った。鶯歌が陶器の町として発展した歴史と、清朝から日本統治時代を経て中華民国統治になった現代までに、陶器がどのように身の回りの生活や驚くようなところで使われているのかというのを紹介しているのが1つの要素。それと、近代陶器職人による陶器の作品展示館といったところだ。
故宮に飾るほど歴史的には古いものではないが、展示するのに値する名器が惜しげも無く飾られているのはすばらしい。もちろん、直接触れることは出来ない。それと、一般生活用の陶器を日本統治時代に敷設した線路を利用して各地の都市に運搬したという歴史を再現した、車輌とそこに積載された陶器食器群は、なかなか凝った展示だとおもった。近代作家の作品は、普通の皿や壷という概念を全く捨ててしまって、単に土を使って形作った作品という感じに見える。特にちょっと触ったら壊れてしまいそうなような作品がたくさん展示されており、運ぶときや実際に窯で焼いたときには壊さないように、どのように窯の中に入れたのか、または乾燥させたのかというのがとても気になる。特に薄い生地にした場合には、乾燥状態のときにひび割れが生じて、それで作品がだめになるとおもわれるからだ。作品の中で笑ったのは、無数のカプセルから構成される1つのカプセルというコンセプトだろう。博物館をあとにして、ご飯でも食べようと出かけたのだが、どこで食べたら良いのか全く分からなかった。しかし、お土産屋が多い通りに出てはみたのだが、これが上からと下からの光の反射で、暑いの何の。サテンでも探そうと思ったのだが、全然それらしいものが見つからない。台湾人らしい人達がたくさんいたのだが、このひとたちは暑くないのだろうか?と本気に思ってしまった。
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