昨日のドタバタ劇の続きは、朝4時半から始まった。
寝る間際になって、次の日に飛行機に乗れなかった場合には帰国できるのだろうかという心配はあったのだが、なぜか目覚し時計が鳴るまで爆睡してしまったのはなぜだろう。慣れていない部屋なので落ち着かないだろうとおもっていたのだが、そんなことはなく、さっさと慣れてしまった自分が怖い。
5時にはチェックアウトをして空港にダッシュで向かう。国賓飯店をこんな朝早い時間にチェックアウトをしたのは、いままでの台湾渡航の中では全くない。逆にこの時間に外から帰ってきたことはある。チェックアウトのときにはホテルの人も1人しかおらず、ドアマンもいないに等しかった。しかし、この時間にチェックアウトをするような奇特なひとは居るようで、それも日本人が3人もいた。もしかしたら、前日帰らなかった人たちなのかもしれない。
空港行きのバスも4時半頃から動いているので、ホテル前に停まるバスを待っていても良いのだが、早く行って飛行機の確保だけはしたいとおもい、早速その辺にとまっていたタクシーに飛び乗る。タクシーは一路桃園空港へ猛ダッシュで進むのだが、それもそのはず、この時間で移動した場合、ほとんど車が居ないので高速道路も朝の渋滞なんか無く、スムーズに空港まで到着した。チェックアウトに時間がかかったぶん、タクシーのダッシュで帳消しされて、6時前には到着した。しかし、だいたい空港までは1300元くらいだと相場は決まっているのに、タクシーの料金は1000元もしなかった。いつも思うのだが、台北のタクシーの料金は、空港から市内に行く場合と、市内から空港へ向かう場合では値段が異なるのだろうか!?
急いでチェックインカウンターに行ってみると、カウンターには誰も居らず、もちろんチケット発券カウンターも電気が消えて真っ暗だった。そこでポカーンと口を開けて待っているのも嫌なので、チェックインカウンターの先頭を陣取って、カウンターが開くのを待つ。空港にはそれでも自分より早く来ている人たちは結構思ったよりはいたのだが、その人たちは、空港内の椅子に座って大人しくカウンターが開くのを待っていたようである。自分が先頭に立って待っていると、徐々に人がチェックインカウンターの列に並ぶようになってきて、カウンターが開くころには、大きなトランクケースを持っているひとたちがたくさん並び始めた。みんな朝一番の8時半発の飛行機に乗ろうとしているのだろう。
カウンタ―に、荷物運搬の男の人がまずやってきて、そのあとカウンターのチェックイン手続きをする女性が登場。いよいよかーと待ちに待った予約変更手続きが可能かどうかの確認とできるんだったらそのまま乗っちゃえという気持ちが持って、出番を待ったのだが、カウンターの女性は「予約はありますか?」と聞いてきた。もちろん「無い」と答えると、どこかに電話してなにか話し始めた。8時半発の飛行機は満席のようで、別の飛行機の予約ならできるかもしれないので、チケットカウンターに行って手続きをするようにとあっさり言われる。
そう言われちゃ、こんなところにいてもしかたがないので、さっさとチケット発券カウンターに移動。当然のことながら、チケット発券カウンターは電気が消えており、サービス開始をするような様子が微塵も無い。「ご用のあるかたはこのボタンを押してください」というのがあったので、それを嫌がらせのように連打する。中から、帰宅直後の水商売の人みたいな態度で女性が登場。カウンターに係員が出てきたのを見てからなのか、さっきまで誰もいなかったのに、自分の後ろにはすでに50人くらいの列が出来ていた。
「10時の飛行機が欠航したので便を変えたい」と主張すると、東京行きは本日は全て満席であると言われ、キャンセル待ちができるので、それにしますか?といわれた。そうか、キャンセル待ちというのがあるのか・・・。今までに考えたことが無かったので、じゃ、それをお願いしますと頼む。ふと壁のほうの掲示板を見ると、大阪行きの午後と名古屋行きの飛行機に空席の表示があるので、ついでに聞いてみた「大阪行きの午後の飛行機の予約は今からでもできますか?」と。しかし、そのあと余計な質問をしたことによってこのチャンスを逃してしまった。というのも、「もし、大阪行きの飛行機に予約変更した場合、ここで大阪から東京行きの飛行機も予約ができますか?」という複雑な質問をしてしまったからである。カウンターの女性は「言っていることが良く分からないな」という顔をされてしまった。そこへ助け舟を出してくれたのが、日本人の台湾旅行をサポートする現地旅行代理店の台湾人の登場だ。この人が、中国語でカウンターの人にこちらの主張を翻訳してくれる。結果としては「ここでは日本国内の予約は出来ないので、大阪の空港についたら別に予約する必要がある」と言われた。大阪から東京への航空便はかなり本数が多いので、例え乗れなくても新幹線で帰ってくればいいかと考えれば、なんとか日本にいけるほうが先決だとおもう。じゃ、仕方ないので「大阪行きの飛行機も予約しつつ、東京行きのキャンセル待ちもできますか?」という、これまた余計な質問をしてしまった。それはOKなので、早速大阪行きを予約して貰おうと思っていたところ、後ろから台湾人の年配の叔父さんが割り込んできて、「朝一番のエバー航空に振替をしたいから、急いで振替処理をしてくれ」と言ってきた。おいおい、うしろから割り込みはないだろうーとおもいつつも、その叔父さんは切羽詰ったような言い方だったので本当に急ぎだったのだろう。だけど、こちらとしては後ろで並んでいたのになんでそのおっさんのほうが先に処理されるのだと腹立たしい。そんなもの、後ろで寝ている別の係員がやればいいだろうとも思った。こちらのパスポートと予約票をカウンターに持っておきながら、こちらは何もできずにイライラしていたところ、別の係員がやってきて、それまで大阪行きの空席有りの看板を、いきなり「空席」にした。
こらー!JALのカウンターのババア!おまえがとろとろしている間に、団体の旅行者が東京行きから大阪行きに予約振替処理をしてしまったじゃないか!これで、今日中に日本に帰れなかったら、絶対ぶっ殺してやる。
そう思いながら、東京行きの8時半発の飛行機と、大阪行きの朝一番の飛行機8時50分発の飛行機に、どちらもキャンセル待ちの一番上のリストに名前を載せてもらった。そのあと、同じようなキャンセル待ちのリストにたくさん名前が書かれたようで、最終的には8時半発の飛行機には40人くらいの名前が記載されていたようである。それがわかったのは、キャンセル待ち発表時にリスト票が見えてわかったのだ。
隣のカウンターは中華航空だったのだが、そこは意外にもキャンセル待ちの人が全く居なかった。ついでだからと思って、中華航空のカウンターでも東京行きの飛行機に空きがあるのか確認をしてもらったところ、やはり満席とのこと。中華航空のほうが朝一番の飛行機が9時35分だったので遅い。だから、JALのキャンセル待ちの後に中華航空のキャンセル待ちを待っても大丈夫と判断し、中華航空の東京行きもキャンセル待ちのリストに載せてもらった。
キャセイパシフィック航空は昼に出発する便で、前日でも間違いなく飛んでいたのを知っていたので、その飛行機への予約変更も可能かどうかも確認したかったのだが、キャセイパシフィック航空が離陸するのは、自分がいまいる第2ターミナルではなく、もう1つのターミナルである第1のほうなので、そこに移動するだけでも時間がかかる。しかし、予約だけはしておきたかったのだが、それは諦めて、もうJALと中華航空にかけることにした。なぜ、ここでANAとエバーにも予約を入れなかったのかが分からない。
JALのキャンセル待ちアナウンスが行われるのは、JALのチェックインカウンターで7時40分からと言われた。ちなみに大阪行きは8時10分とのこと。中華航空は8時15分だったので、すべてのキャンセル待ちアナウンスをいちおう聞くことができる時間はある。ただ、このキャンセル待ちアナウンスが行われる時間がとても長く感じた。もうヤル手段がなくどうしようもないときの手持ち無沙汰は時間の流れがとても遅く感じられ、そして不安感だけが満ちる。最初はもしかしたら早めにアナウンスするだろうとおもって、キャンセル待ち発表場所の傍に陣取っていたのだが、全然そんな雰囲気にならず、台湾人観光客がたくさん周りを囲ったので嫌になって、窓側の椅子に移動する。
そうしたところ、さっきJALの発券カウンターで助けてくれた台湾人ツアコンの人を発見。いちおう先ほどのお礼をしたところ、その人も自分のお客さんを東京に帰すためにいま苦労しているとのこと。いちおう大阪行きに振替予約を昨日の段階で入れていたので、日本への帰国は問題なくできるのだが、東京からのお客さんなのでやっぱり東京へ帰したいということらしい。流暢な日本語で喋るその女性は、台湾で台湾JTBの次に大きな旅行会社である東南旅行社の現地添乗員だった。その人が「私も経験があるのですが、意外と団体旅行じゃなく、個人で旅行されているほうが、キャンセル待ちで大丈夫な場合が多いんですよ。あっ、でも100%じゃないです」とのこと。団体旅行の場合は、団体客全員をまとめて処理するために、カップルの客も含めてなかなか席を確保することが難しいらしい。さらに自分は今回リストの1番上にリスト化されているので、ほとんど大丈夫だろうという安心材料を出してくれた。それでも、こちらとしては、1つも予約確保が出来ているわけではないので不安感は拭いきれない。
7時30分頃になると、チェックインカウンターの辺りが騒がしくなってきた。カウンター内には、8時半の飛行機にチェックインする普通の客がまだいるのかどうかを確認している係員が走り回っていた。そこへ先ほど記載したキャンセル待ちリストがやってくる。そこへ日本人のサラリーマン辺りの人がいきなりカウンターにやってきて、「昨日電話で台北のJALの事務所に電話したら、8時半の飛行機は予約が取れて、直接ここにきたらよいといわれた」という本当かどうか分からないようなことを言い出した。カウンター内の係員は「そんな話は知らない(きっぱり)」と断言する。リーマンはここで激怒。「なんだよー、全然話が伝わっていないじゃないか!もう二度とJALなんて乗らねぇ」と騒ぎ出す。あぁ、サラリーマン生活で何度となく分かっていただろうに、口約束ではなく何故FAXでも良いから紙に書いてもらわなかったのか?と問いただしたくなるが、こういうリーマンもいまや自分の席を取ろうとするライバルなので、横目で見ながら心で「馬鹿」と思いつつ無視する。
7時40分頃になって、自分の名前が呼ばれる。よかったー!やっぱり乗れるんだ!パスポートとそれまでのeチケットを渡す。またしても邪魔者が闖入する。今度は白人だ。ヒッピー風の白人が横から入ってきて、「急いでいるんだ」と係員に叫んでいる。JALのカウンターの係員もなぜかそこで応対してしまい、さっさとキャンセル待ちのOKを解除してほしいのに処理をしてくれない。人が良いと言ってしまえばそれまでだが、どうして横から入ってくる要求に何でも応えようとするのだろう。
カウンターの女性はなにやらコンピュータに打ち込んで、それを別のカウンターの女性に伝えるのと同時に、「こっちに来てください」と誘導する。パスポートをその別の女性に渡された後は、普通のチェックイン開始である。この時点で既に8時5分。出発は8時半なのに、まだこんなところでチェックインなんかしていていいのだろうか?と思いつつも、処理してくれたんだから有難うと思う。それもなんとビジネスクラスの席でチェックインだ。アップグレードを要求したわけではないのだが、向こうが勝手にやってくれたのだ。これはラッキーである。
チェックイン処理をしてもらったあとは、ダッシュで搭乗口へ走る。ところが出国手続きのところでは、意外に人がたくさん並んでいた。チェックインしたのだから、とりあえず飛行機は出発せずに待ってくれているはずだが、それでもさっさと出国手続きができないもどかしさのため、またしてもイライラする。でも、列は結構待つことなく通過できた。この時点で8時10分。
搭乗ゲートがあるD7番ゲートへは、そこから歩いてもかなりの距離の場所だった。途中にいくつものお土産屋があり、そこでは「おみやげどうですかー?」と日本語で誘っている店員が騒いでいる。はっ、そういえば、1日余計に会社を休んだので、いつもは買わない会社へのお土産をとりあえず形だけでも買っておこうと、ここで思い出す。選ぶ時間もないので、定番のパイナップルケーキを買うのだが、以前同じ空港で買ったパイナップルケーキがあまりにも不味くて、自分ではもう二度と食べたくないと思ったことがある。今回はそうは言っても、他にお土産がないので、ここは本当に「形だけ」でも買っておきたかったので、会社のメンバ分のパイナップルケーキを買う。選択1分。会計処理2分だ。この時点で時計は8時20分だった。
搭乗ゲートに到着したのは出発5分前。それでもギリギリに乗り込もうとする客はやっぱりいるらしく、他にもこれから乗り込もうとする客は何人かいた。本当なら急がなくてはいけないのに、JALのマイレージの登録を忘れたと、ここでどうでもいいようなことを思い出し、ゲートのおばさんに「マイル登録してください」とお願いする。おばさん、やり方を知らなかったみたいで、隣にいた別の女性にバトンタッチして処理完了。
いちおう何とか乗り込むことができ、あとは出発を待つだけ。
結局自分のほかに何人の客がキャンセル待ちとしてOKだったのかは分からない。早めに空港にやってきて、カウンターを先頭に陣取って処理してもらったのがよかったのだろうとおもう。機内の椅子に座った途端に、ビジネスクラスに座っているので本当なら嬉しいはずなのに、そんな嬉しさより、眠さのほうが勝ってしまって、ご飯の時間まで爆睡してしまった。
とにかく、この2日間の出来事のほうが酷すぎたために、台湾滞在中に何をしていたのか猛すっかり忘れてしまった。今回は酷い台湾旅行だった。
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