2010/09/07

台南担仔麺(台南)

台南は台湾の食の中心地。小吃の食べ物はここに来ればなんでも存在して、何でも美味い。その代表的なものは、いまや台湾全土で広まってしまっていて、どこに本家があるのかわからなくなってしまうくらいの店の数(屋台も含む)が存在する台南担仔麺の店だろう。その中でもやっぱり本家本物は、「度小月」に他ならない。台湾全土にここの暖簾わけなのか、勝手に名前を借用しているのか、どちらか知らないが、どこにいっても赤提灯に「度小月」と書いているのを見つけることができる。しかし、本物の度小月は、ここ台南の中正路に存在する店なのである。

ちなみに、この店の本当の分店は、台北にある。

今では日本でも台湾料理屋があちこちでも見られるようになったので、担仔麺自体はそんなに珍しいものではなくなった気がするが、それでもやっぱり本家本場の担仔麺にめぐり合うとなるとテンションが高くなるというものだ。

あまり大きくない蝦を入れ、辛味の効いた肉味噌がちょこっと乗っているスープの麺であり、味は意外にもあっさりしている。しかし、日本のラーメン屋のように、大きな丼鉢に盛られて提供されるわけじゃないので、もうちょっとなにか食べたいなと思うかもしれない。それはそれで良いとおもう。

ちなみになんで担仔麺というのかというと、昔の金魚売りや豆腐売りのように肩から担いだ天秤棒のことを中国語で「担仔」という。もともと漁業が盛んな台南では、漁ができないということはそれだけで生活の糧がないというもの。そこで考えられたのが、台風のような時期で漁が出られないときに天秤棒を担いで麺を売ったのが始まりだという。

ここではもちろん、担仔麺を食べたのは言うまでも無い。しかし、それだけでは全然お腹がいっぱいにならないので、ついでに蝦捲きと豚の排骨肉を食べた。量としてはそんなに多くないかなと思ったのだが、意外にそれだけでも満腹になった。店内はいつまでも昔の様子を忘れないということなのか、まず、担仔麺を作る場所が客の目の前に設けられていて、どうやって作られるのかじっと観察することができる。それも作り方として、作っているおっさんが、椅子に座って、まるで釣堀の魚を釣っているかのような様子で行っているのが面白い。店内の椅子は高い脚の椅子ではなく、低い椅子なので、脚が悪い人はちょっと座りにくいかもしれないが、ここはそういう店だ。ちょうどご飯を食べて店を出ようとしたときに、この日一番の大雨が降り始めてきて、本当は歩いて帰ろうと思ったのだが、これで歩くのはちょっと無理と考え、店の人に頼んでタクシーを呼んでもらった。道を流しているタクシーを捕まえるより、こういう店でタクシーを呼んでもらったほうが絶対便利なのである。

【台南 度小月擔仔麺】
住所:台南市中正路16號
電話:(06) 223-1744

0 件のコメント: