2011/03/19

マラッカ ペナン 世界遺産の街を歩く

以前、マレーシアおよびシンガポールのペラナカン文化に言及したブログを、著者「マレー半島 美しきペラナカンの世界」に関して記載のだが、あくまでもそれはペラナカン文化に言及したものであり、ペラナカン全体の概要を写真とそれが見られる場所の紹介をしたようなものだったが、今回はペラナカン文化の中心地となっている2つの都市に焦点を絞った参考書があったので、それについて記載したい。

ペラナカンの中心地は、マラッカとペナン島の2箇所。この2箇所はマレーシアの中においても特別であり、異質な場所なところだ。マレーシア全体はイスラムの国であるために人口の3割が中華系だとはいえ、やっぱりマレーの雰囲気が強いところである。しかし、この2箇所はやっぱり違う。横浜の中華街みたいな感じだ。なので、マレーシアの中の異質文化圏をぜひ訪れないと、マレーシアの良いところを知ることはできないだろう。

そんな2箇所に特化した都市について写真入りで、よく説明された本が、「マラッカ ペナン 世界遺産の街を歩く」である。この本の最初のほうはマラッカのこと。後半はペナンのことが書かれている。

マラッカについては、マラッカの良いところを取りこぼさず記載しているといえよう。ポルトガル、オランダ、中華、そしてイスラムと複雑怪奇ないろいろな文化が残っている場所なので、その良いところばかり、観光地として人気のあるところは、見所および食べ物とお土産などを含めて紹介しているという意味では、最高のガイドだろう。文字だけではなく、ほとんど写真というヴィジュアルで紹介されているために、行く前からどういうところかというのを知ることができる貴重な本だと思う。特にカラフルなペラナカンの食べ物や民芸品の紹介の部分については、写真つきの紹介が一番わかりやすい。それを見て、うまそうとか、きれいとか、毒々しいとか、事前にわかるところが現地にいっても驚かなくてもいいものだ。一度行った事がある場所の紹介を、書物というメディアを通して再確認した場合には、その紹介のよしあしというのが良くわかる。マラッカに関して言えば、よくまとめて紹介しているなと感激した。それも写真のアングルがやっぱりプロだなというところが、随所に散りばめられているところが良い。

マラッカのバスターミナルがある北部のほうにある有名なホテル「マジェスティックホテル」については、一番きれいに紹介されていると思う。イギリス的な文化が残っていて、それとマラッカの特殊文化が融合された最終形態というのがあのホテルだろう。実際にこのホテルに泊まると、観光地に出向くのはとても面倒くさいところではある。観光地までタクシーで移動をするという手段をとるのであれば、特に何の問題もないところだろう。
同じ量のページを割いて紹介されているペナン島のことは、正直、行った事がないのでわからない。わからないが、その紹介の内容を見ると、いってみたい場所だということと、ペナン島は小さい島だと思っていたのに、意外にも大きな場所であり、ペナン島よりもずいぶんとイギリス的な雰囲気が残っている場所なんだなというのが良くわかった。マラッカ海峡の貿易の要所として、ペナン、マラッカ、シンガポールが上げられる。どちらもイギリスが最終的に占有して、それに便乗してやってきた華僑がたくさん住み着いた場所だというところではある。島になっている場所はそれ全体が要塞になっているため、なんとなく雰囲気はシンガポールに近いというように書面から感じた。

イギリス的とかシンガポールに近いと思われるのは、建物がコロニアル様式という形式を採用したものが多いからなのだろう。華僑が多い地域だと、道路に半分張り出したような作り方だが、コロニアル様式は1軒が単独で建っているだけで、それ自体が城みたいなものだ。マラッカのような場所よりも広い範囲で文化全体が広がっているような土地がペナンであり、その最大都市がジョージタウン。島全体は縦長の長方形であり、ジョージタウンは北東部の町。空港は南東部に存在。ジョージタウンは特に電車が発達しているわけではないので、町の中を移動するにはタクシーくらいしか交通手段はないという意味では、マラッカよりも広範囲に点在する観光地としては動きにくいかもしれない。

マラッカとペナンの両方を比べることはできないのだが、どちらもマレーシアの中の都市なのだが、かなり魅力的。ペナン島の場合は、リゾート地としても行く人もいると思われるので、情報は結構あると思う。

マラッカでもペナンでもどちらの都市においても、町全体が歴史遺産であることは間違いない。いずれにしろマラッカは行ったことがあるので良さはわかるが、ペナンもよさそうな場所なので一度は行ってみたい。ただし、ペナン出身の人が前に言っていたのを思い出したが、ペナンの海は汚い。だから、ペナンで泳ごうと思ったらそれはやめたほうがいいだろう。

マラッカ ペナン 世界遺産の街を歩く
単行本:128ページ
出版社:ダイヤモンド社 (2009/10/31)
発売日:2009/10/31

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