2006/08/18

フィジー予習


遅めの夏休みを利用して、今年は海の綺麗な場所に行こうと思い、その欲求を満たせる場所として、今回はフィジーを選んでみた。しかし、フィジーのことは全くこれまで知らないので、少しここで調べてみることにした。

フィジーの住民民族構成は、ポリネシア系のフィジー人(55%)とインド人(41%)が多い。インド系が多いのは、1874年にイギリスの植民地になって以来、1916年まで砂糖のプランテーションのため、先に植民地化していたインド人を連れてきたことに始まる。東南アジアの各諸国と同様、イギリスの植民地化したところは、すべて大量の労働力を要したことから、底辺の重労働用としてインド人が大量に移住してきて、そのまま現地に定着してしまったことは大きい。従って、公用語も英語・フィジー語・ヒンドゥー語の3つもある。観光としていく場所には基本的に英語で事が足りる。しかし、この英語というものが曲者で、フィジーの英語はオーストラリア英語と同系統である。イギリス統治下だったときにはバリバリのQueen's Englishだったはずなのに、宗主国が撤退すると、徐々に独自の言葉に進化してしまうのはどこの国でも同じ。シンガポールでもSinglishと皮肉られれるほど、英語じゃない英語が一般英語として定着しているのがその例である。Aussie Englishに属するので、[ei]の発音が[ai]になるのが有名。

I will go to hospital today.

の文章をAussie Englishにすると、発音上は、

I will go to hospital to die.

と同じ発音に聞こえるから笑える。数字の88は[ai thi ai]だし、だから、Aussie English は嫌い。この発音に慣れている人は気にしないことだろうが、基本的にAussie Englishに聞きなれていないので、絶対しばらくは耳が慣れないと思う。

そういえば、世界の蛆虫とも別名言われている中国人が、このフィジーに居ないのは珍しい。全く居ないわけではなく、活発的な経済活動をここでは行っていないというのが正解だと思う。フィジーに近いが、別の宗主国フランスの植民地であるタヒチには中国人が多く住んでいる。中国人があまり活発でフィジーに居ないのは理由がある。それは民族構成上、圧倒的にインド系とフィジー系の人間が多いというのが理由ではなく、この2つの民族同士が頻繁に政治的・軍事的に衝突を行っているからである。政治的に不安定な場所では、蛆虫と言えども安定的な生活をすることはできない。同じように政情不安なのであれば、華僑の故郷である福建省・広東省・海南省に居残ったままのほうが良いに決まっている。リゾート地としては有名なところなのに、中国系の人間の経済活動が大きくないために、世界の中国系の住民があまりフィジーに関心が無いのが、上記の理由である。関心がないというのと、移動が無いということから、香港・シンガポール・マレーシア等の華僑がうようよ居る場所からの直行便が無いのもこの理由である。

同じAussie English圏内に属することと、オーストラリアからは3-4時間でいけるリゾート地であるため、オーストラリア人にとってのフィジーは、日本人とグアムの関係と同様と同じである。だから、フィジーにはたくさんのオーストラリア人が遊びに来ている場所だ。だから、飛行機もオーストラリアの大きな都市およびニュージーランドの大きな都市とフィジーの間は直行便が多く飛んでいる。

日本からフィジーへ行く場合、直行便としてフィジーの航空会社 Air Pacific
を使うか、大韓航空を使うのが一般的。しかし、どちらの方法でも毎日就航しているわけじゃないので、日程が限定される。フィジーの航空会社が、アジアの都市で東京のみ就航している(1988年10月31日より)というのもなぜだろうという不思議な話だ(誰か教えて!)。それよりも、大韓航空がフィジーへ直行便を飛ばしているというのもなぜなのかわからない。それほど韓国人が多くフィジーへ行っているのだろうか?自国民の移動が多くなければ、自国の航空会社が就航することはありえない。それは先述のとおり、中国系住民との関係で Singapore Airlines も Cathay Pacific も Malaysian Airsystem も China Airlines もフィジーへ就航していないことからも断言できることだ。そういえば、かつてはニュージーランド航空でも名古屋・大阪からフィジー経由でニュージーランドのオーランドへ行く飛行機が飛んでいた気がする。採算が取れなくなったからなのか、確か2000年5月に発生したクーデターを期に、日本との直行便がなくなってしまったため、現在の日本人が行こうとした場合には、Air Pacific か大韓航空を選択することになる。少し遠回りだが、Qantas や Air New Zealand を使って、豪州経由でいくのもありだろうが、高いし遠いし疲れるだけだと思う。 

0 件のコメント: