2006/08/17

Das Boot

テレビの映画でアメリカ映画「K-19」が放映されている。この映画を見ると思い出すのが、潜水艦の映画の各種だ。閉鎖的空間という特殊環境と状況の緊張が、そのなかで働く色々な人たちの 人間模様がとても濃く交差しているので、映画としてとても良い題材にどれもなっているのだろうとおもわれる。でも、大体の映画は、途中戦闘があったりアクシデントがあったりするけど、最後はハッピーエンドというのが一般的。しかし、ドイツ映画「U96」だけは全然違う。第二次世界大戦に起こった本当のU-Bootの出来事を克明に表現しており、最後がハッピーエンドではなく、全員死亡というから、映画を見た後の後味がとても悪い映画である。褒めているのか貶しているのか良く分からない酷評になってしまった。1981年に発表されたこの映画は1983年のアカデミー賞6部門(監督、撮影、視覚・音響効果、編集、音響、脚色。ただしいずれも受賞はならず)においてノミネートされた傑作中の傑作である。ドイツ人が演じているというところもリアルな感じがして良い。全体的に暗い映像のため、分かり難い映画に思えるが、極限状態の乗組員のあり様が時間の経過とともに緊迫してくるのは、思わず見ているほうも力が入ってくるから不思議だ。

映画のなかに挿入された歌ではないのだが、ドイツにテクノバンドU96というのがいる。1992年に題名「Das Boot」というのが世界中で大ヒットになった。原曲は映画の中で使われていたBGMを使った音楽なのだが、当時のRaveブームに乗ってテクノ音楽にしてしまったというもの。曲の出だしに潜水艦の航行音が入ったり、途中、敵艦接近による緊迫感を出したりして、radio バージョンの3分間においても十分楽しめる曲だ。Das Boot が入っている初回アルバムは最高の出来になっているが、彼らのほかのアルバムは最低の出来だ。だから一発屋として消えてしまった感があるが、2001年にversion 2001が出たときには笑った。さらに、なんと曲に歌詞がついたからである。

we dive into the deep blue sea,
another world where i wanna be.

原曲の1992年度バージョンの時には、Vocoder を使った擬似的音声を使っているが、2001年度版は女性のボーカルを起用。サンプリングとは異なった味が出ていて、絶対新しいバージョンのほうが良い。しかし、潜水艦の緊迫感は全然この曲には伝わってこない。あくまでもよりダンサブルな曲調になったという感がする。インストルメントバージョンの曲としては、下記のとおり、他にいろいろなバージョンがあるので是非聞いてほしいと思う。

  • Das Boot II
  • Das Boot (Klassik version)
  • Das Boot 2001 (Radio Edit)
  • Das Boot 2001 (DJ Mellow D Mix)
  • Das Boot 2001 (Cosmic Gate Remix)
  • Boot II (Funkhaus Mix)
  • Boot II (Volle Fahrt Voraus Mix)
  • Boot II (Langspeilplattern Mix)

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