2007/01/30
アリタリア航空
イタリアのナショナルフラッグであるアリタリアもとうとう売却という流れに逆らえなくなったようだ。世界中の航空会社が、ここ数年、9.11や石油の高騰や、元来の企業体質の改良不能から、企業としてまともにできなくなっているのは、顕著なことである。アメリカの航空会社やJALのような巨大な航空会社だけでなく、ヨーロッパの航空会社も例外に漏れない。アリタリア航空は、一時期、フランスの国営航空会社であるエールフランスに合併されるうわさがあったり、デルタ航空を主軸とする航空会社連合体の「スカイチーム」に属することになったりなど、航空会社としては安定していくと見られていた。しかし、競争がアメリカより激しいヨーロッパの航空会社であるため、その競争化には勝てなかったようだ。今回、そのアリタリア航空の売却のニュースは、有る意味、とうとうヨーロッパの航空会社にも、M&Aの波がやってきたことの現われだろう。
アリタリア航空というと、イメージカラーの緑がとても似合う航空会社だった。国内線しか実は乗ったことが無いのだが、席は全部緑色、愛想がいい対応が印象的な航空会社だなーという思いがあった。厭味が無い航空会社としては是非他の航空会社とは合併して欲しくないと思っていたところである。日本へはミラノとローマに直行便があり、特に新婚旅行でイタリアに行く人たちには大変好評の航空会社だといわれている。イタリア料理がビジネスクラスでは提供されるが、日本人にはおなじみの料理や、イタリアンテイストを機内から味わえるというのが好評の理由だろう。国内線においても、ライバルの鉄道よりは、時間的に正確だし、速いし、重宝できる交通手段だと思われる。全イタリアの主要都市へ路線網があるため、ローマで乗り換えてイタリアの各都市に移動するためには、本当に便利だ。イタリアにも新幹線の「Eurostar」というのがある。ちなみに、こちらも同じく緑がイメージカラーだ。
ヨーロッパで唯一元気なのはルフトハンザ航空なのだが、残念ながらルフトハンザ航空とは仲間ではないため、ルフトハンザ航空の力を得られなかったことだろう。今後、どこのヨーロッパの航空会社がどこと合併になるのか注目する動きのトリガーになったと思われる。
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伊アリタリア買収、ファンドなど11グループ名乗り
【ミラノ=野沢正憲】イタリア政府が進めている航空大手アリタリアの売却に29日、国内外の投資ファンドなど11グループが名乗りを上げた。政府は今年前半に売却先を決める計画だが、アリタリアは労使紛争などで赤字が膨らんでおり、再建には時間がかかりそうだ。
名乗りを上げたのは米テキサス・パシフィック・グループ、英テラ・ファーマなど国外の有力ファンド。伊大手銀ウニクレディトの子会社や、オリベッティを再生したことで知られる伊実業家、カルロ・デベネデッティ氏のファンドも名を連ねた。アリタリアの提携先で有力候補とされてきたエールフランス・KLMの名前はなかった。
アリタリアは28日、2006年12月期の最終損失が当初見通しを大きく上回る3億8000万ユーロ(約597億円)に達する見通しであると発表。燃料費や人件費が収益を圧迫しており、人員削減などのリストラが労組の反対で進まないことが経営不振の要因となっている。
(日本経済新聞 2007/01/30, 09:54)
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