2007/01/20

Varig Brasil


ヴァリグ・ブラジル航空は、リオ・デ・ジャネイロを基盤としたブラジルを代表とする航空会社であるのだが、2005年7月18日に民事再生法を適用したため、いまではブラジルで第4番目の規模の航空会社に格下げになってしまったところである。ブラジル国内では15カ国とは結んでいるが、かつてのように世界各地と就航しているわけではなくなってしまい、今ではたった5カ国(メキシコ、ペルー、チリ、アメリカ合衆国それとポルトガルの5カ国)との就航しかなくなってしまった。結果的に、世界規模での就航が不可能であることと、必要事項が十分整わなくなってしまったということから、2006年12月21日にスターアライアンスからの脱退を表明。2007年1月31日を以って、スターアライアンスから脱退することになった。スターアライアンス連合からみると、ヴァリグ航空が南米唯一の航空会社の脱退は、他の世界規模の航空会社連合との競争を考えると、痛い脱退だったといえよう。

日本との関わりでは、かつて成田からロサンゼルス経由でサンパウロ行きの飛行機があった。特にロサンゼルスに行く場合、値段が安いので、同じ安い航空会社であったパキスタン航空と比較されたりして、どっちがいいかなんという議論もあったほどだ。ロサンゼルス行きの飛行機は日本・アメリカ・アジアの航空会社が数多く飛んでいる中、ロサンゼルスに一番遅く到着する便であり、それもロサンゼルス時間で唯一午後に到着するということと、毎日就航しているわけじゃなく、週に4回しか飛んでいないという不便さが、その値段の安さに繋がっていたのだと思われる。しかし、安いといってもかつてはスターアライアンスメンバーの1つであったため、マイルゲッターの人たちには結構重宝されていたようだ。個人的には全然使ったことが無いので、飛行機のサービスの良さなどについては全然良く分からない。

ブラジルからの移民が多く日本には来ているが、彼らの多くはこの飛行機を利用して日本にやってきたようである。しかし、9.11の事件が発生したあと、日本と直行便を結んでいるわけじゃなく、途中アメリカでトランジットが必要であるため、アメリカ合衆国が「トランジットビザの必要性」を主張したことにより、ブラジル人の乗客が激減したことが、さらなる日本との航空路線の不必要が叫ばれてしまったようだ。日本との就航は結果的に2006年1月13日で全面的に撤退したようだ。しかし、航空機の発着枠というのは、一度手放すと二度と手にすることができないほど過激な競争があるらしく、成田空港の発着権については、旅客発着が無いのにまだ持っている。どうやら貨物機の発着として利用するために保持続けるようだ。日本人のブラジルへの興味が今後めちゃくちゃ上がれば、またブラジル便が復活するかもしれないが、いまのところそんな要望は全く無い。中国人のように、貧乏国になってしまったパラグアイやアルゼンチンの土地を買い捲り、そこで事業を展開していこうとするバイタリティのある日本人は少ないために、ブラジルとの密な関係はまだまだ遠い話だろう。

航空会社はどこもあまり業績が良くない。値下げ競争の行き過ぎが原因であることと、マイレージプログラムのようなもので、客引きパンダは成功するものの、ポイントを使って「ダダ乗り」する奴らが多いために、そういうひとたちが一銭も金を落とさないのもかなりの影響だと思う。どうなることやら航空会社たち。

ヴァリグ航空 : http://www.varig.com/

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