2007/02/28

普洱市


プーアル茶の産地「雲南省・思茅市」が、2007年4月8日から「プーアル市」になることが、正式決定した。

健康にいい成分をたくさん含むプーアル茶は、ダイエットや便秘解消に効果があると言われ、中国女性に大人気のお茶だ。日本でももちろん人気があり、特に油料理をメインとする中華料理のレストランでは定番のお茶となっている。ところが、すべての中華料理の店で提供されるとは限らない。それはプーアル茶の値段がとても高いからであるというのが理由だろう。安い茶葉を使っていれば良いだろうというような甘い考えで提供できるようなものではないからだ。それだけ、儲かっているようなレストランか、または正統派の中華料理レストランの店でなければ提供できない状態だ。言い換えれば、プーアル茶を普通に「お茶」と頼んだら出てくる店は、良い店だと思って良いだろう。しかし、プーアル茶はどの味に独特な風味があるので、好き嫌いが出てくるお茶だと思う。プーアルの製造方法にも関係するのだが、焙煎発酵の年数を上げていけば上げていくほど、お茶の風味は増し、お茶というか、乏しい語彙で表現すると土のような風味に感じるお茶である。しかし、普通の緑茶と違って、プーアル茶は、茶葉がとても長持ちして何杯も飲めるお茶だといえよう。それだけ風味が茶葉に詰まっているお茶なのだ。


さて、プーアル茶の雑学はこの辺にして、話は町のことに戻るとしよう。ニュースによると、今回の街の改名の由来は次の2つの理由から起こったようである。

  1. その昔プーアル茶は、プーアール山一帯が有名産地だったという。だがその後、品質が悪くなったために生産が止まり、その後思茅市へと受け継がれていった。だから、今でも「世界茶源 中国茶城 普洱茶都」と名乗っていること


  2. プーアル茶産業の拡大のため。現在思茅市の約半分の人口が、プーアル茶産業に従事している。プーアル茶は、市民のふところに大きな影響を与える、とても大切な産業だといえるだろう。


従って、プーアルの名前を世界的に大々的に宣伝することで、プーアル茶の普及に努めたいというのがねらいだそうだ。金儲けのためならなんでもするという中国的な発想の表れだ。




確かに昔から雲南地域とチベットの間では、茶馬古道と呼ばれる道を通って、馬に大量のプーアル茶を詰め込んで運んでいた歴史がある。茶葉商人がチベットやインドに運んでいったことで、チベットやインド地域に茶を飲む習慣が生まれ、その延長でインドで茶の栽培が始まり、植民地の宗主国であるイギリスに茶が運ばれていったという起源がここ雲南省なのだ。茶馬古道の沿道には、世界遺産にも指定されることになった麗江市もここに該当する。

日本から雲南省の省都である昆明と直行便がある。昆明へは中国の内陸部へ行くためにはいい中継地点でもあるとおもわれるので、中国のよき昔の風景を楽しみたいという場合には是非行くべきだと思う。

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