通信ケーブルとは、普段の生活ではなかなか感じることができないものであるが、実は海外との通信を行う上では、非情に重要なものであると分かっている人は非常に少ない。昔は、海外への通信というと電話通信しか頭に浮かばないのが当然だっただろうが、今では電話通信よりデータ通信強いて言えば、インターネットによってPCの前に座っていながら、各国の情報をゲットできているのは、まさしくこのケーブルのおかげである。日本とアメリカの間は、已然から太い回線で結ばれていたし、需要も多かったので知られていただろうが、大陸経由の通話路は実はあまり知られることが無かった。先日、台湾で地震が起こったときに、中国大陸と台湾間を結ぶ海底ケーブルが切断されたことにより台湾がネット上の孤島になったのは記憶に新しい。じゃ、ロシアの場合は?というと、これまでロシアの需要が思ったほど必要だと思われていなかったので、大したことが無いとおもわれていたが、これからロシアは中国以上に重要な拠点になるために、通信量も大幅にあがっていくことが考えられる。いまは、アメリカ経由での通話路でなんとかできているところ、これ以上通信トラフィックがあがっていくと、ロシアへの直接ケーブルがあったほうがいいに決まっている。今回のニュースはそんな需要から敷設されることになったのだろうが、どうも、昨今のシベリア石油利権と同じように、ケーブル敷設は日本の金で行って、その後はロシアの会社のものに勝手になりそうな気がしてきた。意外に世界ではぼーっとしている日本人はせっかく手に入れた利権は中国人なみに、しがみ付いてでも持っておく必要があると思う。今後のロシアへのトラフィックも含めて注目の地域だ。
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NTTコミュニケーションズとロシア大手通信事業者のトランステレコム社(Closed Joint Stock Company TrasTeleCom 略称:Trans TeleCom)は、本日、日本~ロシア間光海底ケーブル(「北海道-サハリン・ケーブル・システム:Hokkaido-Sakhalin Cable System」略称:HSCS)を共同で建設する計画に合意し、両社間で覚書(MoU)を締結しました。
HSCSは、NTT ComとTransTeleComが共同で新たに敷設するもので、北海道石狩市とサハリン州(樺太)ネベルスク市間約500kmを結ぶ、最大640ギガビット/秒の大容量光海底ケーブルです。完成時期は、2007年末を目途としています。
HSCSは、TransTeleComが保有するシベリア鉄道沿いの約50,000kmにわたる光ファイバーバックボーンと接続し、日本とロシア・欧州を結ぶ最短ルートとして提供します。これにより、日本・アジアからロシア・欧州向けインターネットバックボーントラヒックを最短ルートで疎通させるとともに、データ通信サービスを利用する多国籍企業のニーズに応えます。さらに、既存インド洋経由ルートに加え、通信ルートの多様化を図ることで、地震などの災害時でもグローバルに迂回するネットワークの構築を目指します。
TransTeleComについて TransTeleCom(本社:モスクワ、社長:Sergey Lipatov)はロシア国有鉄道100%出資の子会社で、ロシアに総延長50,000kmにわたるバックボーンケーブルを保有し、高品質な国際通信サービスを提供する、ロシア新規通信事業者の中で最大手の会社です。同社の光ファイバー網を利用して、ロシアでの音声通信、IP、データ通信を提供しています。TransTeleComのより詳しい内容については、http://www.transtk.ru/www/nsf/esite.nsf/をご覧ください。 なおNTT ComとTransTeleComの間では、平成18年10月に国際データ通信に関する包括的協業について合意しています。http://www.ntt.com/release/2006NEWS/0010/1023_2.html
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