2007/09/19

台湾人にとっての日本語


台湾人の日本・日本文化好きは、世界でも無類のものだと感じる。これほど日本が大好きと言う人たちが集まっているところは、世界広しと言えども無いだろうと思う。それも文化レベルが高い人たちの集まりで、日本好きが多いのが不思議なのだ。そしてもちろん、多かれ少なかれ、台湾人の多くは日本語をちょっとでも勉強してみようと思っているようで、日本人を見ると「コンニチワー」くらいは言いたくなる性分のようで、台湾のどこに行ってもあまり中国語や英語を使わず、日本語で済ませることが出来てしまう。

台湾の書店に行くと、いまでは英語のほうが断然コーナーは大きいのだが、その次に大きいのはやはり日本語のコーナーで、初級コースの日本語学習書から上級者用の日本語学習書まで数が多く存在する。いつも台湾の書店に行くと、だいたい日本語学習書のコーナーを覗いて見てしまうのだが、そこで面白そうな本があったら、使いそうも無いのに思わず買ってしまう。日本でも同じなのだが、外国語を勉強するのに、なぜかシチュエーションから入る場合が多いようで、観光に言った場合とか、レストランに行った場合とかなどのような状況に応じて使う表現を紹介している本が多い。それはとっつきやすいからなのだと思うが、読んでいるほうから見ると全然面白くない。

今回紹介するのは、台湾人にとって普通に使っている表現を日本語にした場合にはどのように言うんだろう?ということを主観に書かれている本だ。その名も「原來這句日語這樣説(なるほど、これは日本語ではこういうのね)」だ。ほとんどスラング辞典に近いような内容なのだが、日本人にとっても、日本語から考えると、中国語ではどのように言うのだろうというのを参考にするには面白い本だなとおもった。スラングとは異なり、普通の会話として使われる表現をいろいろ紹介しているので、とても参考になる。台湾人にとっては中国語の観点から日本語を知ることになるのだろうが、日本人にとっては中国語を新たに知ることができる著書だと思う。それもこれ、日本人が書いているからもっと面白い。日本語の表現は結構普通に使う内容ばかりが紹介されているというのは読めばわかる。しかし、本当に中国語ではこのような表現を使っているのかどうかが、かなり疑問だ。いちど台湾人に、これらの言葉を普段から使っているというのか確認してみたいところだ。

ちなみに、本には発音を知るためのCDもついているので、耳から学習することも可能だ。しかし、あくまでもこの本は台湾人のための本であるため、CDに収録されているのは日本語表現だけである。中国語と日本語が対になっていれば大変助かるのだが、そうではないところが惜しい。

「原來這句日語這樣説」
笹岡 敦子 著
笛藤出版
320台湾元

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