2009/07/26

ナチスの発明


ナチスという言葉に対して不快感を持つ人は多いのだが、ナチスが行った功績は評価するべき点も実は多いことを知っている人は本当に少ないと思う。ナチスが行ったことはすべて悪であるということを常識と思っている人は、よほど知識が不足しているのか、それとも戦勝国からの一方的な怪しい情報に惑わされてそれを鵜呑みにしている人か、また鵜呑みにした人が股聞きで書いたのを信じている人なのだと思う。日本での報道も大体の場合は、この怪しい情報に振り回されている人が大半なのだと思うし、ナチスは良かったなんていうと、変人か精神病扱いされるのがオチである。

じゃ、ナチスが実施したことで称えるべき事象は一体なんなのか?と問われて、いろいろな事象やモノを列挙した際に、きっと多くの人は、「へぇ・・・」と思うに違いない。悪いことばかりではないこともわかるはずだ。

ナチスの世界的宣伝としてベルリンオリンピックが使われたことはとても有名なのだが、その宣伝を世界中に知らせるために使った技法が、実は現在でも継続されて居るなんていうのを知ったら、卒倒する人が多いのではないだろうか?その代表的なものは、オリンピックの開催には盛り上げるためのイベントとして欠かせないのが「聖火リレー」なのだが、あれを最初に行ったのはベルリンオリンピックで、ナチスが仕組んだイベントの1つである。グーベルタン伯爵が最初に近代オリンピックが行われたときから聖火リレーがあるなんて思っている人が多いのだが、それは大間違い。第2次世界大戦後でも「あれは良いイベントだ」と採用されているのが今でも継承されているのである。さらに記録映画としてベルリンオリンピックの映画がリーフェンシュタインによって撮影されたが、これも現代でも続けられていて、そのイベントを事実として映像に残すというのはドキュメンタリーとしての要素でも現在のテレビ番組としても採用されている。それまで映画というのはドラマか脚本で書かれたものを撮影していたのだが、何がどうなるのかわからないドキュメンタリとして撮影されたのが、この映画が最初。のちにリーフェンシュタインはナチ親派として色々糾弾されたが、彼女にとっては映画をとるための手段として利用していただけで、ナチ万歳のために撮ったつもりはないといっているのは納得だ。

野外コンサートとしては現在では当然のように使われている音響設備「PAシステム」も実はナチスが考えたものであった。PAは大衆演説の略であり、もともとはニュルンベルク党大会でのヒトラーの演説を会場の隅々にまで聞こえるようにしたのがこのPAシステムである。野外では音割れなくコンサートが聞けるのもナチスのおかげだ。

高速道路のアウトバーンはドイツの代表的な人工建築物だが、これもナチスのおかげ。もともとは失業対策として実施したものであるが、それまでドイツでは道路設備が満足するものではなかったかというとそうではない。規格がまちまちであったことが不便さをつくり、さらに高速道路には適していなかったのである。規格を統一し、高速運転に伴う人間心理を追究から適度なカーブを作って眠気防止に役立てたり、高速道路をまたぐような道路は陸橋型にしたり、中央分離帯を作ったり、信号は無しにしたり、適度な感覚でサービスエリアを作ったりしたのはナチスのおかげである。現代でも、失業対策や景気回復手段としての内需拡大手段としてインフラ設備の充実というのをどこの国でも行っているが、これは実はナチスが初めて行ったことである。

通信・放送の分野でもナチスドイツは、最先端の技術を持っていた。一般向けテレビ放送を実施したのはナチスが世界ではじめてだし、いまでは普通になっているテレビ電話なんていうのもナチスがはじめて行った事業である。更に、北朝鮮ではいまも継承されて続けているが、ナチスは国民に党の活動を知って貰うためという意味で、国民ラジオという安価なラジオを提供した。他のチャンネルは廻して外国放送がきけるわけではないのだが、それでも放送を聞くというのは国民にとっては高嶺の花だったのを身近にしたのは有意義な事業だった。

他にも現在にも使われる石油に代わるエネルギーとしてのエタノールガソリンの発明や、軽くて丈夫なジュラルミンの発明、テープレコーダの発明、化学繊維による衣服の発明、垂直浮揚のできるヘリコプターの発明、電子顕微鏡の発明、リニアモーターカーの発明、ポルシェ博士の発掘とフォルクスワーゲンの開発、労働者への長期休暇と格安パック旅行の実施、育児政策とガン撲滅運動の実施、源泉徴収や扶養手当の実施などなど。現在でも使われているじゃないかーという施策のほとんどはナチスによるものだった。それまで他のヨーロッパ諸国が全くしていなかったというのが嘘みたいな話であるが、本当なのだ。

ナチスがやった偉業について興味があるひとは、この本を一読することをお勧めしたい。

ナチスの発明
武田知弘 著
彩図社
2006年12月25日 出版

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