2011/03/05

桜川マキシム(Podcast)

旅行でも経済のことでもないポッドキャストの番組はほとんど聴かないことにしているのだが、トリカゴ放送が iTunes で紹介されているサイトに「この番組を聞いている人は、他のこのような番組を聴いています」と宣伝しているのに目が入った。いわゆる相互リンクの形になっているのだが、その中でちょっと聴いてみようかなと思っていたのが「桜川マキシム」である。トリカゴ放送の中でも、たまにヤマモトさんが桜川マキシムのことを話していたことも思い出したので、どういう番組なんだろうなと気になっていた。

ご本人達も番組の中で述べていたのだが、この番組はきっと聞いている人による良し悪しが綺麗に分かれるところだろうと思う。

素直な気持の人、心が綺麗過ぎる人、世の中何も知らない人にとっては、メインキャスタのお二人のうち、JUSさんがだいたい話を進めて行く人で、ぎゃささんがそのJUSさんの話をフォローしたり、賛同したり、話を膨らませていくようなことをサポートしたり、はたまた暴走しそうなときに綺麗なブレーキをかける役割を演じているという意味では、両者の番組内の役割が分かりやすくて聴きやすい。

先に番組を聞いている人の評価が二分するというのは、聞いている人の取りようによってはJUSさんの意見が強すぎるために、自身が漠然と思っている意見とぶつかるために嫌悪感が出てくる人も居るのだろう。逆に、なんだか釈然としないなー、でもそれって何だろう、表現するのが難しくてもどかしいと思っていた人にとっては、JUSさんの指摘や意見というのが、まさしくその点だ!とぴったりくることにより、共感を得るところが多い人もいるのではないだろうか。

簡単にかけばJUSさんは毒舌口調で、毒蝮三太夫のように他人を蛆虫的に扱うように聞こえるかもしれない。ただ、それはJUSさんの意見を素直に述べているだけなのであって、決してJUSさんが宗教の教祖というわけじゃないのだから、意見をすべて聞き入れて従うとか、すべてを拒否するという両極端な態度をする必要はなく、世の中いろいろな意見を持っている人が居るんだなという、心大きな気持ちで聴くことがいいと思う。

話題としては、あまり政治・経済的なことは述べることは無い。世の中の動きの中で、生活のなかで見つけた事柄や芸能的なこと、そしてJUSさんが面白がって取り上げているのだが、宗教の話や超常現象的なことまで結構幅広い。だいたい、1回につき1話取り上げるので、話が分散しなくて聞き入れるところが、聴いているほうからすると、すーっとする。1回の中でころころ話題が変わると、理解不足のための消化不良というよりも、鬱陶しいことこの上ないからだ。

個人的には取り上げるテーマによって、これは面白いということと、何言っているのか全然分からないと両極端のときがある。特にアニメの話はちんぷんかんぷんである。一番面白いのは宗教モノ。上岡龍太郎を思い起こさせる宗教馬鹿馬鹿論は、聞いていて爽快だ。のめり込むと、その異常さに気づかないことが多いのだが、宗教というのはまさしくその典型的なものだろう。そしてJUSさんがその異常さについて、明確な指摘を毎回するところに共感を持つ。もっとやれーと。第何回目だったか忘れたが、宗教指導者に現代科学と照り合わせて宗教の整合性を論証することに手伝うことになった方がゲストで来た時の話は、とても興味深かった。というのは、誰もが絶対宗教的妄想の世界と科学的現実の齟齬について調査したいと思っている気持は大小あるとおもうのだが、それを本当にやろうとしたひとがいたというところだからだ。あぁいう話題はどんどんやってもらいたい。

それと、番組の中で気になるのがぎゃささんの JUS さん好きの愛情がめちゃくちゃ伝わるところが聴いていて心地よい。俺はこんなおもしろい人間をいちばんの友達として、そして一番良い場所で聞いているんだぞ、おまえら羨ましいだろーというような感じがすごく伝わる。確かにJUSさんの発言を一番間近で、そしてタイムリに聞いているのは一番の贅沢なポジションだと思う。確か、お二人の関係は大学時代の知り合いだという話をされていた気がするのだが、大学時代にこんな面白いことを言う人が友達に居たら、毎日が楽しくて楽しくて仕方が無かっただろうと想像する。芸人的におもしろい芸をするというのではなく、頭脳的に、そしてあとからじわじわと面白さが出てくるような話題を振りまいてくれるひとが居たら飽きないだろうな。

桜川マキシムは、他のポッドキャストの番組と協賛して「白鯨ラジオもっこもこパレード」を行っているため、たまに白鯨ラジオの公開収録を桜川マキシムで放送しているのだが、あれは要らない。白鯨ラジオの内容は白鯨ラジオとして放送して欲しいところだ。白鯨ラジオの内容は面白いのかもしれないが、全然面白さが伝わらない。というのは、喋っている本人達が居酒屋でわいわい騒いでいるだけの様子に近いものを公開ラジオとして流しているようなものだからである。桜川マキシムは、1つの話題を掘り下げるところに面白さがあるのであり、全く掘り下がらないダラダラとした話とは全く異質に聞こえるからである。だから、ポッドキャストで題名が「白鯨ラジオ」と見えたときには、ご本人達には申し訳ないが、だいたい即削除している。

あと、もう1つ。伏せ字ならぬ、いわゆる「ピー音」が結構多いことだ。ポッドキャストの良いところは個人が好きなことを好き勝手に言うところが良いのであって、なにかの映倫ならぬ倫理委員会にひっかかることを恐れているのか、都合の悪いことは「ピー音」で消しているところだろう。あれが無ければ楽しいと思うが、あることによって、このポッドキャストも何かに従う姿勢が見えているように思えて気持が悪い。ピー音を出すくらいなら、その話題をあとの編集自体で全カットするくらいの勇気があってもいいと思う。報道番組でよく使われているのだが、声を変えていますとか、擦りガラスの向こうで話していますとか、顔をぼかしていますというのを多様しているのだが、あれを視覚的に魅せられると、その報道自体に信憑性をかなり疑ってしまうのとの同じだ。ましては音声しかないところに伏せ音を入れられると、それを聴いている人の想像でいかようにも置き換えてくださいと他人任せにされている気分に陥るためにイライラしてくる。

これからもいろいろザクザクと斬って欲しいところだ。

桜川マキシム
URL : http://sgmx.info/

JUSさんのツイッター
URL : http://twitter.com/JUS_SGMX

ぎゃしゃさんのツイッター
URL : http://twitter.com/gyasya

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