2011/03/05

スペイン語に関するPodcast

スペインを旅行する前に、少しはスペイン語が分かればと思ってポッドキャストを聞いた最初の番組は、前にも記載した「聞くスペイン語」なのだが、これは映像としてみるものであり、映像の中のオッサン2人の演技が面白かったので、結局スペイン語を1語たりとも覚えずに渡航してしまった経験がある。ポッドキャストとしての番組は面白くていいとおもうが、語学学習者にとってはあまり面白みを感じないだろう。そして、特にスペイン語を話せたらいいだろうという意欲も、スペイン渡航後はもう不要なので、どちらかというとスペインのことを知りたいなと思うようになった。

スペインはヨーロッパの中でも面積は広いほうで、日本人観光客としても人気の渡航先のひとつだとは思うのだが、今ひとつ、スペインのことをあまり知らない。大航海時代にスペインはポルトガルと並んで、世界のあちこちに出没し、数々の文化を残していった立役者なのだが、そのあとはイギリスとフランスが台頭してきたことにより、すっかり歴史の中では南米以外にスペイン色を見ることがなくなってしまった。

なのでいまさらスペインの文化を知ろうとすると、スペイン料理屋や伊勢志摩のパルケ・エスパーニャくらいしか見当たらない。そこでポッドキャストで何か無いかなと探していたところ、あったあった。語学に特化せず、スペイン全般に関して情報番組として提供しているのが「スペイン語のあれこれ」と「よろず屋スペイン」である。

「スペイン語のあれこれ」も「よろず屋スペイン」は、メインキャストが男性2人のポッドキャストではあるが、どちらも日本人とスペイン人で構成されている。スペイン人のエミリオさんは、どちらの番組にも登場しており、日本語がめちゃくちゃ堪能な人。日本のアニメをスペインに紹介しているような仕事をしているために、日本の文化に対してはかなりよく知っている。日本人キャスタのほうは、両番組では違い方が登場しているのだが、どちらに登場するかたも、めちゃくちゃ面白い人たちである。淡々と情報を伝えるというのではなく、たまには下品に、たまには高尚になったりするところを、そのときの流れでうまく話しに展開しているところが、聞くほうものめりこんでしまう魅力なのだろう。

さて、両番組の違いというと、「スペイン語のあれこれ」のほうがスペイン語学習者向けの番組つくりになっており、「よろず屋スペイン」は、スペイン文化・経済・政治に関する少し高い教育に関わる情報を流している番組である。どちらも30分から45分くらいの結構長めの番組になっているのだが、これが全く聞いていて飽きないというところが面白い。

「スペイン語のあれこれ」は「ジモティーのスペイン語」で、1つのスペイン語の単語に特化して、その単語を使ったいろいろなモノの言い方を紹介するというもの。辞書的な言い回しだけではなく、スペイン標準語において現在良く使われたりする表現や、本来の意味から段々離れて、面白い使い方になってしまったというような表現と言うのを知る事が出来る。

さらに漫画の中のスペイン語がまた面白い。日本の漫画をスペインに紹介しているだけあって、日本のアニメや漫画についての知識はエミリオさんは半端無くよく知っている。最近の漫画よりも、昔からよく知られている漫画についてのほうが、スペインでも人気になっており、これがアニメになってそれから漫画になるというのが多いのだが、これまでは漫画を見るのは子供だけで、大人は見ないという常識を、日本の漫画がまるっきり変えてしまい、大人でもアニメや漫画をよく読むようになったというのを聞いたのは、たぶんこの番組で初めてなのではないかと思う。漫画を読んでいるのは馬鹿で無知で、階級が低いものというのが定番で、漫画を読んでいることを他人に知られることを恥だと思っているヨーロッパ人が多かったために、漫画に関することがヨーロッパではあまり広がらなかったらしい。だが、スペインが今ではヨーロッパの中で日本のアニメや漫画が一番情報として入っている場所であることは確かで、でも、それも日本の報道ではフランスのほうが凄いというように報道されていることが実際の違いである。日本のアニメや漫画がスペイン語になったときに、有名なセリフや登場人物が、どのような形で表現されているのかというのを番組の中で紹介しているところは、トリビアとして知っていることはいいことだろう。

最後はスペインの祭りの話題だ。スペインは国土が広く、かつては4つの王国に分かれていたことも在り、日本と同様に地域色というのはとても強い。だから、祭りに関してもかなり数多くの奇祭があったりするのだが、それを毎回いろいろな地方の祭りとして紹介してくれるので、自分がスペインに行く時期に合わせて体験できる祭りがあるのであれば、それは参考にして聞いてみるのがいいだろう。祭りが起こった背景や祭りが実際に行われているときの様子についても紹介されているからだ。

かわって「よろず屋スペイン」のほうだが、これはまずは政治的な話題から入る。話題としては面白いのだが、政治や経済ということになると多少の毛嫌いや抵抗感が出てきたりするので、聞くのが嫌な人も要るだろうが、生のスペインとスペイン人が普段考えていることが聞けるので、個人的にはこちらの番組のほうが実は好きだったりする。特に以前フランコ政権時代の話が出てきたときには、あまりフランコのことを知らなかっただけ、フランコが死んでしまったときのスペイン全体の動きがどうだったのかとか、当時の報道はどうだったのかというような内容が良く伝わった。そのあと、Youtube でフランコが死んでしまったときのテレビニュースの映像を探したのは言うまでも無い。

番組の中の「スペインクロニクル」は、スペイン文化全般についての話。文化といっても歴史的な事実についての検証をするような話題が多い。だから、大航海時代で世界にスペインがどのような貢献をしたとか、カトリックの話とか、少し頭を使わないといけないような内容が結構濃く伝えているから、あとで何度か聞きなおしてみるのもいいかもしれない教材だと思う。

最後がスペインカルチャーは、スペイン人の生活全般に関わる話題である。これもスペインに生活しているひとであれば普通だとおもうようなことも、実は日本に居れば、へー、そんなこともあるのかーという驚きの発見ができるものなので是非参考に出来る。

両番組はあまり更新頻度が高いわけじゃないのだが、これほど濃い内容の番組は無いのではないだろうか?

スペイン語のあれこれ
URL : http://arekore.edoblog.net/

よろず屋スペイン
URL : http://yorosupe.blogspot.com/

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