熊本といったら九州とんこつラーメンの本場であるために、昼ごはんは満場一致でラーメンだろうということにした。本当は、熊本城の天守閣が見える場所から和食を食べようかと思っていたのだが、「ラーメンが良い」という意見に押されて、しぶしぶラーメンを選んだ。最近、東京ではご当地ラーメンがたくさん進出(というか、作ったというのが正しいだろう)してきているために、わざわざ地方に行ってまで食べることなんかなくても食べられるので、乗る気がなかったのだ。
熊本のラーメンとして有名なのは、なんといっても「桂花ラーメン」と「こむらさき」だろう。だが、これらのどちらも東京で食べられるので、まずこんな熊本まで行って食べたいとは全く思わなかった。せっかく熊本まで行っているのだから、地元の人なら誰でも知っているが、東京にはないものというのを食べてみたくなるものである。それでネットで調べてみたら、やっぱり熊本はラーメンの本場でもあるために、検索結果としてたくさんのラーメン屋がヒットした。そんな中でも一際目立ったのが「黒亭(こくてい)」というラーメン屋だ。熊本駅からも歩いていける場所にあるというのも嬉しい。
店の場所は路面電車の「二本木口」というところが最寄の駅になるのだが、熊本駅の次の駅であり、歩いても全く問題ない。熊本駅から二本木口までの距離が3分くらいである。そして、二本木口からは道路を横切って、熊本朝日放送のテレビ局があるからそれを横目に観れば、正面に行列の出来ている店を発見することができるはずである。それがお目あてのラーメン屋・黒亭である。
最近、都内のラーメン屋では、1杯で1000円くらいの値段を取るようなふざけた店が多くなってしまった。ラーメンなんて、原価は100円以下じゃないと儲からないような仕組みになっているため、販売価格で1000円も出そうなんていうのがバカバカしいとおもいはじめてから、まずラーメン屋には行かなくなってしまった。なぜ原価を知っているかと言うと、直接ラーメン屋のおじさんに聞いたことがあるからである。どんなにラーメンの汁に手塩をかけても、まず原価で100円を越えるようなことはないとのこと。ほとんどは、場所代と人件費のほうが高いときが多いようで、それでも安い人件費を使えば、儲けは大きくなるというのを聞いたからである。からくりを知ってしまった以上、まともな値段を出してまでラーメンなんか食べたくなくなってしまったのだ。しかし、黒亭の場合は、まだまだ良心的に普通のラーメンで580円と設定。これは地方価格では高いか安いかは微妙なところだが、これでこの値段かよーっとツッコミを入れたくなるような値段ではないことは確かだ。
お店に近づくと、あの独特のとんこつのにおいがするから、どこがラーメン屋かというのは一目瞭然である。あと、長蛇の列として並んでいても、所詮ラーメン屋なので、回転は速い。食べ終わった後、のんびりとテレビでも見ているというようなふざけた客がいなければ、1人あたりの滞在時間は15分程度だろうと思う。今回もたぶん20分くらいは待っただろうと思うのだが、そんなに苦痛ではなかった。さて、肝心のラーメンだが、典型的なとんこつスープであるのは確かだが、若干太麺のように思えた。めちゃくちゃ細い麺を想像していたのだが、そういうのとは違うようだ。そして、トッピングされているチャーシューも、場所によっては腐っているんじゃないのか?というくらいの独特のにおいを発している場合もあるのだが、ここではそんなことはない。豚の角煮のような風味はすることはないのだが、結構美味い。
店内は最近改装をしたようで、とてもラーメン屋だというような雰囲気ではなかった。ちょっとした小料理屋をいまだけラーメンを提供しているのではないかというような雰囲気を感じたのは面白かった。ただ、やっぱり厨房ではラーメンの水分を切る音やら、店内ではラーメンをすする音が良く聞こえて面白い。
もう1つ情報がある。ここのラーメン屋はさらに金儲けに走っているらしく、店内および空港などのお土産売り場に、店の名前の「黒亭ラーメン」という名前で、即席ラーメンを販売している。ネットでも通販として買えるようなので、興味がある人は買ってみるのも良いだろう。
黒亭(こくてい)
URL : http://kokutei.com/
営業時間:10:30-20:30
定休日 毎週第1・3木曜日
住所:熊本県熊本市二本木2丁目1-23
Tel.096(352)1648
0 件のコメント:
コメントを投稿