すっかり記憶から消えていた事象が、いきなり目の前に現れた物的証拠によって、当時の記憶や感情の様子を思い出したことってないだろうか?実は友達と会って、その人から漫画を借りた。いまどき漫画なんか読むのか!?というツッコミはしないで欲しい。今回借りたのが、表題のとおり「地球(テラ)へ・・・」という漫画。1977年から1980年に竹宮惠子が「月刊マンガ少年」(朝日ソノラマ)に連載していた少女漫画。実はこの漫画、本としてはいまだかつて読んだことが無い。1980年にこの漫画を原作とした映画が公開され、その映画を生で観たわけじゃないのだが、映画公開後1,2年後にテレビ放映されたものを見たのが、「地球へ・・・」の初めての接点である。この時に見た内容は、あらすじも含めて全部忘れていたし、どんな映画でしたか?と質問されても答えられない。ただ、覚えているのは、主人公の人とサブキャラに出てきた女の子のキスシーンがあるところ。幼心でそのシーンだけは強烈に覚えていて、なぜかそのシーンが出たときにはドキドキしたものだった。漫画を借り、題名を見たときに、このドキドキ感が深層心理の記憶の中からよみがえったことをご報告したい。
さて、肝心のストーリーだが、幼なながらに覚えていた内容とは、漫画を読み始めて全然違った。なぜなら、内容は哲学的なのである。手塚治虫の漫画に相通じるものがあるのではないかとおもった。こんな漫画を1980年当時、よくもまぁ映画にしたものだとおもう。映画にしても、子どもは一体なんのことだかさっぱりわからなかったのではないだろうか?今でも日本では人気の「ドラえもん」のほうが、漫画にしても映画にしても分かりやすい。大人用のアニメ映画として上映した最初の映画なのではないか?と個人的には思っている。その後は、ジブリ・スタジオによる数々のアニメ映画が日本では誕生しており、それはあくまでも見る対象者が子どもではなく、大人でも楽しめる映画になっているのはご承知のとおり。この「地球へ・・・」もまさしくそのジャンルにはいるのではないだろうか?
映画公開当時およびテレビ放映されたときには、全然気に求めなかったのだが(子どもなので、あたりまえか)、調べてみると、この映画の声優に抜擢した人たちは、今をときめく俳優・女優で固められていることを知って、二度仰天してしまった。主人公の子は、かつてジャニーズ事務所に属していた歌手で、その後俳優として活躍する傍ら、女優の戸田恵子と結婚した井上純一。この名前を見たときに、「うそでしょ?」とおもったが、真実はこのとおりのようだ。ライバルとなるキャストが、なんと俳優の沖雅也。沖雅也については素晴らしい演技をしていた俳優だったが、京王プラザの屋上からのダイブにより自殺という衝撃的な死と、所属事務所社長が義父であった日景忠男に対して「おやじ、涅槃で待つ」の遺言を残したのはあまりにも有名。さらに、いつまでたっても20代のような若々しさであることがとても怪しい俳優の志垣太郎。志垣のキャストの相手役になっていたのが、いま沖縄で訳のわからん外人と結婚して過ごしている女優の秋吉久美子。他には一時期日本中の男性が夢中になってしまった女優の薬師丸ひろ子や、助演女優としてはこの人のほかに存在感が有る人は居ないだろうといわれている岸田今日子が声優人として活躍していたらしい。すごすぎる。もう一度この映画をレンタルでもいいから見てみたいものだ。
漫画に話を戻すと、この漫画の原本はすでに廃刊になっている。いまは中央公書から出ている4巻ものの単行本しか手に入ることが出来ないが、是非、全体を読破してみて、それからまた感想をここに載せたいと思う。
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